【B】渋谷駅街区 - 2019年度、2027年 段階的開業予定|DATA 東棟:地上47階・地下7階・高さ約230m/中央棟:地上10階・地下2階・高さ約61m/ 西棟:地上13階・地下5階・高さ約76m
新しいシンボル誕生と立体的な街づくり
東急百貨店東横店は、平成25年3月の東館に続き、西館・南館もいずれ閉館、解体ということになる。
3本の超高層、高層ビルに建て替えられる駅街区。超高層の東棟は高さ約230mで、「セルリアンタワー」(約184m)、「渋谷ヒカリエ」(約183m)を50m近く上回り、まさに渋谷の新しい顔になりそうだ。東棟のオープンは東京五輪が開催される2019年度の予定で、渋谷最大級の複合商業施設になる予定。五輪で日本を訪れた世界の人々を魅了する施設になっているだろう。
同時に、駅の通路や駅前広場なども一新される。まず、現在は人混みを避けながら行き交う状態の東口(「渋谷ヒカリエ」側)と西口(ハチ公側)の自由通路を拡大。スリバチ状の地形を利用して、4階広場部分からスカイデッキを通り、道玄坂や宮益坂の坂上に行けるようにするなど、駅周辺の通路を立体的に構成するというのが今回の計画の特長だ。
また、駅街区の東口と西口には、それぞれアーバン・コアが配置される予定(「渋谷ヒカリエ」内にある円柱の吹きぬけ空間がアーバン・コアの一例)。このアーバン・コアによって、多層的な歩行者ネットワークの縦移動をスムーズに行えるようにするという考えだ(アーバン・コアの役割については左下を参照)。
こうして立体的な街に表情を変える渋谷は、さらに多くの人を受け入れるキャパシティを獲得する。その人々のにぎわいこそが、「エンタテインメントシティSHIBUYA」にとって最も重要なファクターとなるだろう。
駅街区と宮益坂方面・道玄坂方面をつなぐスカイデッキや、3階JR線改札・東京メトロ銀座線改札と道玄坂方面をつなぐデッキが整備されるなど、利便性の高い歩行者ネットワークが形成される。
渋谷駅街区の開発に合わせて銀座線やJR線の駅改良も行われる予定だ。銀座線のホームは東に約130m移動し、島式の1本になる。また、これまで移動に時間がかかった埼京線ホームも北側に約350m移動し、山手線ホームと並列化。利便性が飛躍的に向上する(2020年春を目標に整備予定)。
【左】渋谷駅前スクランブル交差点(2013年)。
【右】未来の渋谷駅のイメージ(2027年)。中央には約230mの「東棟」がそびえ立つ。
縦移動を担うアーバン・コアとは?
一連の再開発では、幹線道路で分断された駅と周辺市街地をつなぐため、多層的な歩行者ネットワークを整備する。そこで縦移動の役割を担うのがアーバン・コア。エレベーターやエスカレーターにより多層を上下に結び、地下やデッキから地上に人々を誘導する縦軸空間だ。これにより縦移動をストレスなく行えるようにする。