渋谷川沿いが緑あふれる水辺空間に!
渋谷川を挟んで西に旧東急東横線の高架、東に明治通り。渋谷駅周辺で唯一川が地上に顔を出し、渋谷と川の深いかかわりを思わせる南街区。旧東急東横線の高架が撤去されるこのエリアには、“渋谷のオアシス”ともいうべきスペースが誕生する。渋谷川は清流復活水で水流を取り戻し、その周辺を緑化。官民連携により並木橋の先まで約600mの遊歩道と、にぎわいの広場を整備することにより、都市におけるにぎわいと潤いに満ちた空間を取り戻す予定だ。
また、これまでのように歩道橋を渡らずに、改札から直接国道246号を渡ることができるデッキが架かるため、移動の利便性が飛躍的に向上。2つの大きな広場も新たに整備され、ハチ公前に代わる待ち合わせスポットとしても人気を集めそうだ。
そんな魅力的なエリアに生まれ変わる南街区が担う役割は「クリエイティブワーカーの聖地」。再開発によって生まれる建物には、大企業だけでなく個人のクリエイターも入居可能なスモールオフィスも計画されており、クリエイティブ・コンテンツ産業とその人材の育成・創造・交流を加速させる場となる。
このエリアに建つ高さ約180mの超高層ビルの完成は、再開発エリアで最も早い2018年秋の予定。復活する水の流れとともに、人の流れも空気も一気に変わりそうだ。
【左】今の渋谷川は、大雨などのとき以外、水は流れ込まないことになっている。
普段は水量も少なく水の流れはほとんどない。
【右】川に沿っていた旧東横線の高架が撤去され、明るく開放的な親水ゾーンに生まれ変わる。
官民連携により全長約600mの緑の遊歩道や広場、壁を水が流れる壁泉が整備され、にぎわいと潤いの水辺空間が姿を現す。
現在、渋谷川を再生させるための清流復活水の放流が並木橋の地点で行われているが、その放流口を稲荷橋付近に移動させ、渋谷川に水の流れを取り戻すことになっている。
【左】南街区と駅街区、桜丘口地区を立体的に結ぶ歩行者ネットワークが形成される。
【中央】渋谷川沿いの水辺空間には緑の遊歩道や、にぎわい広場が整備される。
【右】クリエイティブ・コンテンツ産業の拠点となる高層ビルが完成する(渋谷ヒカリエ方面からのぞむ)。
歴史を生かしたデザインに!
平成25年3月15日、多くの人に愛されつつ85年の歴史に幕を下ろした地上の東急東横線渋谷駅。その記憶を次代に残すべく、旧東急東横線高架橋は国道246号を跨ぐ歩行者デッキとして再利用するほか、かまぼこ形の屋根や目玉形壁面、緩やかな線路線型などをデザインとして一部に採り入れる予定だ。
見えないところで渋谷川が移動!?
渋谷駅東口を出て国道246号に架かる歩道橋に上ると、キャットストリートやのんべい横丁の裏手、そして駅の下を暗渠となって流れてきた渋谷川が姿を現す。この暗渠部分が、駅街区整備に際してルートを変えることに。
元の東急百貨店東横店東館の地下辺りを流れる川を、現在の東口バスロータリーの中央付近まで移動させるのだ。同時に、浸水・冠水被害への対応策として、バスロータリー地下には雨水貯留施設を建設中。谷底に位置する渋谷にとっては極めて重要な施設となる。