SHIBUYA BUNKA SPECIAL

ダンサー森下真樹 WEB版ミニワークショップ テーマ:「巻き手話」をマスターしよう!

中高年や子どもなど、初心者に体を動かすことの「楽しさ」や「気持ち良さ」を教えるワークショップを精力的に開催する、コンポラ界の伝道師・森下真樹さん。遊び心に満ちたダンス創作の背景には、転勤が多かった小学校時代の経験が生かされているそうだ。新しい学校で早く友だちを作るために開発した遊びの数々は、これまで発表してきた作品の中にも多々取り入れられている。そこで第3ステップ『コンポラを踊る』編では、今日の森下ワールドの基礎の1つで、小学校時代に編み出したという「巻き手話」を学び、コンポラを踊る楽しさの一端を味わってみたい。単純な動きの繰り返しなので、覚えてしまえばとても簡単!WEB版ミニワークショップで「巻き手話」をマスターして、ぜひ家族や親しい友だちと会話を楽しんで欲しい。頭で考えるよりも、まずは身体で覚えてみて。

森下真樹さん

森下真樹さん
1975 年生まれ。幼少のころから転勤族に育つ。これまでにStudy of Live works 発条ト(バネト)、伊藤キム+輝く未来、まことクラヴ等にダンサーとして参加。03年「デビュタント」を発表し、ソロ活動を開始。以後、「森下真樹ダンスショウ!!」をはじめ、国内外でのソロ公演や全国各地でのワークショップ、演劇などを精力的に展開し、活躍の幅を広げている。08年青山円形劇場にて「うず巻 MAKI-NO-UZU-MAKI」を発表。07、08年度地域創造公共ホール現代ダンス活性化事業登録アーティスト。
»森下真希在網絡上

WEB版ミニワークショップ 身体表現講座

基本編:「巻き手話」をマスターしよう!

POINT

  1. まず、「あ行」「か行」「さ行」・・・「ん」までの基本ジェスチャーを覚えよう。田植えの「た」、山の形の「や」など、何かの形をイメージしながら口に出して覚えるとマスターが早いよ。
  2. 母音の「あ段」「い段」「う段」「え段」「お段」は、それぞれ1〜5までの番号を指で表すだけ。超簡単だよね!
  3. さあ、動画を観ながら「こ・ん・に・ち・は」に挑戦してみよう!

森下Check! 番号を使うところは、ポケベルと一緒ですね。1人ではできないので、一緒に覚える相手を作りましょう。私も電車で友人と隣同士に座ったときなどに無理矢理教えたりしています(笑)。

中級編:「巻き手話」を使ってみよう!

POINT

  1. 「ぎ」「だ」「ぶ」など濁点が付く場合は、右手二本指で左手の平を2度叩いてね。例えば「ぶ」の場合、まず「は行」を表すため、両手の親指を口の下で指し、次に3本指で「う段」を示す。さらに二本指で「テンテン」と濁点を付けて表すよ。
  2. 鏡を見ながら、自分の名前に挑戦してみよう!

森下Check! 小学校では「お腹空いた」とか「今日の給食なんだろう」なんて話していました。知っている人だけに通じる言葉なので、学校でも会社でも、先生など他の人の目を盗んで会話ができますよ!

応用編:「巻き手話」で自己紹介しよう!

POINT

  1. 動画では、「森下 巻き チキチキ バンバン…」と森下真樹さん御自身の自己紹介をダンスでカッコ良く表現しているよ。基本編、中級編で学んだ「巻き手話」にステップやターンなどを組み合わせて、皆さんも自己紹介ダンスを創作してみてね。

森下Check! 手話を応用して、自分の身体で自分の名前を表現する「からだ名刺」を是非広めて下さい。手元に名刺がなくても「からだ名刺」を使えば「忘れられないインパクト」を与えられるので、新入社員さんや営業職の方には特におススメです!

森下真樹さんインタビュー
「ダンストリエンナーレ トーキョー 2009」へ向けて

舞台を縦横無尽に駆けずり回り、飛びはね、寝ころび、歌い・・・、とにかく森下真樹さんのダンスは楽しいのひと言に尽きる。「ダンストリエンナーレ トーキョー 2009」では、まことクラブの遠田誠をパートナーに新作「独楽犬イルツキー」を発表する。さて今回は、どんな森下ワールドが炸裂するのか、初日に向けて緊張感が高まる中、その心境と新作の見どころについてお話しを聞いた。

ダンストリエンナーレ トーキョー 2009 森下さん関連情報 『独楽犬イルツキー』(2009/2008「うず巻」改訂ver.)
場所=スパイラルホール 日時=9月21日(月)・22日(火)各18:00開演
『ダンス・ショウケース』
場所=ショウケース(スパイラル1階入口) 日時=9月19日(土)13:00〜/15:00〜

自分がやったら終わりではなく、いろんなアーティストとコミュニケーションを

--「ダンストリエンナーレ トーキョー 2009」へ向けて、現在の気持ちを聞かせて下さい。

素早い動きでコミカルに踊る森下さん

これまでも青山円形劇場やスパイラルでは公演したことがあって、わたしにとって青山は非常に重要な場所です。青山があって今があるというか。今回、初参加となるトリエンナーレでは、スパイラルでの本公演や、ショウケースでのイベントもトップバッターなのですが、自分がやったら終わりということではなく、海外から来ている様々なアーティストの作品を観て肥やしにしようと思っています。

--ほかのダンサーの方で、注目されている方はいますか?

フィンランドから来日するエーヴァ・ムイルさんとは、パフォーマンスに言葉を使う点とか、ソロで踊るところとか、エネルギッシュなところとか、自分の中で、彼女と通じるものがあるように勝手に思っていて…。彼女の出番は私の次なので実際に見られるかどうかわからないですが、楽しみです。彼女に限らず、いろんなアーティスト方とコミュニケーションを取りたいし、そこから繋がりが生まれて行けばいいですね。

神社の入り口で両脇に構える2匹の「独楽犬(コマイヌ)」

--「独楽犬イルツキー」は、昨年の青山円形劇場公演「うず巻」の改訂版だそうですね。

はい。前回は出演者5人で創っていたものが、今回は遠田誠さんとのデュオ作品となり、上演時間を半分にして、スパイラルホールで公演を行うので変更点は多いです。これから決まって行く部分もあるのであまり詳しくは言えませんが、コンパクトに、でも「濃い」ものにしたいなと。この一年でもらった刺激が、作品にどのように反映されているのかというところも見てもらいたいですね。

--タイトルの「独楽犬イルツキー」とはどういう意味でしょう?

もともとの「うず巻」から、オモチャの独楽を連想し、そこからコマ、コマ…コマイヌっていうのが出て来て。普通「コマイヌ」と言えば、「狛犬」なんですが、今回は「独楽犬」。言葉遊びですが(笑)。コマイヌ(狛犬)って神社の入り口で両脇に構える対のイメージがありますよね。「あ」「うん」の呼吸とか、神聖な場所を守る2匹の門番とか、結界を張っている感じとか、今回のデュオに近いものがあるなあと思って付けました。

--お客さんにどう観てもらいたいですか?

私はコンテンポラリーダンスって、舞台に立っている人間と観客が『いま同じ時間を生きている』『一緒にこの場所を過ごしている』と強く感じることのできるダンスだと思っています。日常からかけ離れてはいないので、言葉では説明できないけど「わかるわかる」という感覚で共感したり、ぐっときたり、そういうダンスです。私の場合も、ダンスの発想が手話とか幼少の頃の遊びだったりするので、ちょっと難しいから…と思う人も、楽に見に来て頂ければなあと思いますし、ぐっとくる説得力のあるダンスにしたいなと思っています。今回はスパイラルの入口あるショウケースでも踊るので、のぞきに来て下さいね。

自己紹介ダンスを踊る森下さん。つま先からかかとを90度で固定


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