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SPECIAL 旬の渋谷を感じるカルチャー特集

街の歴史やカルチャー、エンターテインメントなど、独自の視点と切り口から渋谷のトレンドを特集企画として紹介します。

1番線:学んでみよう 時代と共に姿を変え、ニーズに合わせて進化を遂げる渋谷駅 1927-2013「東横線渋谷駅」「東急東横店」トランスフォームの変遷

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【20年代】国鉄、渋谷川の間に誕生した「1面2線の島式ホーム」

【20年代】国鉄、渋谷川の間に誕生した「1面2線の島式ホーム」
撮影1927年/東京横浜電鉄(現・東急電鉄)渋谷線開通

撮影1927年/東京横浜電鉄(現・東急電鉄)
渋谷線開通

現在、4面4線である東横線渋谷駅は、もともとは1面2線の島式プラットホーム。1927年(昭和2年)、東側の渋谷川と国鉄渋谷駅(現、JR渋谷駅)との間の用地に開設された同駅は、その狭くて小さな立地から「1面2線の高架式」とするしか選択の余地がなかった。駅舎はホームの先端から階段を下りた北側にあり、さらにホームの下には、玉電の天現寺橋への線路が敷かれていた。この部分は、現在でもハチ公広場から東横のれん街を結ぶ通路に、その名残を残している。

【30年代】急行運転開始で創意工夫した「1面3線の頭端式ホーム」

【30年代】急行運転開始で創意工夫した「1面3線の頭端式ホーム」
撮影1934年/開業当時の東横百貨店と東横線渋谷駅

撮影1934年/開業当時の東横百貨店と東横線渋谷駅

1934年(昭和9年)11月1日、東横線渋谷駅の先端と接続する関東初の私鉄直営ターミナルデパート「東横百貨店(現、東急東横店東館)」がオープン。駅舎は百貨店2階に含まれるとともに、ホームは頭端式へリニューアル。渋谷川を暗渠(あんきょ)化し、川をまたぐ格好で百貨店が設計されるなど、狭小用地ならではの工夫が凝らされている。1935年(昭和10年)、百貨店のオープンと共に乗降客数が増加し、東横線初の急行運転を開始。島式ホームの先端を段落ちの形で切り欠くことにより1線を確保して2番ホームとし、東側が1番線で西側の山手線寄りを3番線として利用されるなど、ここでも狭小用地であるがゆえのアイデアがうかがえる。1938年(昭和13年)、「東横百貨店(現、東急東横店東館)」から山手線をまたいだ西側に、地下2階、地上3階建ての玉電ビル(現、東急東横店西館)が完成。その2階には、玉川線の乗降場やプラットホームがあった。

【50年代】戦後復興で大改修した「3面3線の頭端式ホーム」

【50年代】戦後復興で大改修した「3面3線の頭端式ホーム」
撮影1958年/3面3線ホームから出発する「ステンレスカ-5200形」

撮影1958年/3面3線ホームから出発する「ステンレスカ-5200形」

太平洋戦争中の東京空襲により、東横線渋谷駅と東横百貨店は全焼。その傷跡は深く、戦後復興として活気を取り戻しはじめたのは、それから5年後。1950年(昭和25年)8月1日、急行運転の復活に伴い、ホームを3面3線に改修して本線を山手線寄りに移動し、残った旧本線部分に荷物ホームと信号所が設けられた。その2年後の1952年(昭和27年)には、鉄道各社の中でいち早く自動券売機を渋谷駅に設置。さらに1954年(昭和29年)には、昭和を代表する建築家・坂倉準三さんの渋谷駅周辺の未来像を描いた「渋谷総合計画」に則り、3階建ての「玉電ビル」は、戦後の大規模建築の出発点として、高さ日本一、地上11階建ての「東急会館(現、東急東横店西館)へ増築。百貨店の機能のほか、9?11階には1002席規模の「東横ホール」が併設されるなど、駅直結の斬新かつ画期的な施設として大きな注目を集めた。

【60年代】東京オリンピックを控え、「4面4線の頭端式ホーム」が完成

【60年代】東京オリンピックを控え、「4面4線の頭端式ホーム」が完成
撮影1964年/東京オリンピックに向け「首都高」「東横線渋谷駅」の工事が同時に進む

撮影1964年/東京オリンピックに向け「首都高」「東横線渋谷駅」の工事が同時に進む

坂倉準三さんが描いた「渋谷総合計画」の最大の目玉といえば、1956年(昭和31年)12月1日に駅東側にオープンした「東急文化会館」。東横線の正面改札口を出てすぐ右側には、明治通りを空中で跨いで渡る連絡通路「跨道橋(こどうきょう)」が架けられ、直接、東急文化会館へ通じたほか、青山方面へのアクセスの利便性を高めた。1964年(昭和39年)10月に開催を予定する「東京オリンピック」を控え、同年4月に乗降客数の増加に対応するため、渋谷駅は道路上に1本増線、南口を新設、かまぼこ型の屋根を枕木方向に並べ、広々とした頭上空間を持つ4面4線にリニューアル。その後、1970年(昭和45年)10月1日には「東急東横店西館」隣に「南館」を増築し3館体制となり、皆さんが良く知る「今日の渋谷駅」の姿が完成した。

【2013年】副都心線との相直運転で地上駅舎から地下へ

もうすぐ見納めとなる東横線渋谷駅と東急東横店東館のある風景(2013年12月撮影)<

もうすぐ見納めとなる東横線渋谷駅と東急東横店東館のある風景(2013年12月撮影)

東京オリンピック以来、半世紀にわたって見慣れてきた「かまぼこ屋根」の東横線渋谷駅。2013年(平成24年)3月16日に東横線の代官山駅?渋谷駅間の約1.4km区間は地下化し、渋谷ヒカリエの地下5階に位置する新しい渋谷駅で東京メトロ副都心線と相互直通運転を開始。それに伴って3月31日、東横線渋谷駅と直結する「東急東横店東館」が78年間の歴史に幕を閉じる。東横線渋谷駅の既存の高架式ホームはその役目を終え、同年5月以降の取り壊しが決定している。

<参考資料>
「東急の駅今昔・昭和の面影 - 80余年に存在した120駅を徹底紹介」
(著者:宮田道一/出版:JTBパブリッシング)

1番線:学んでみよう

「東横線渋谷駅」と「東急東横店」のヒストリー 1927-2013「東横線渋谷駅」「東急東横店」トランスフォームの変遷

1と3/4番線:番外企画

ホンマでっか!? 渋谷駅 〜 東横線渋谷駅 & 東急東横店にまつわる雑学14連発

2番線:聞いてみよう

中井精也さん(鉄道写真家) 毛内定夫さん(東横線渋谷駅・駅長) 中井精也さん 毛内定夫さん

3番線:歩いてみよう

渋谷駅ー代官山駅間、高架下を歩いてみよう!

4番線:作ってみよう

特別付録 − 人気の東横線車両&渋谷駅駅舎をペーパークラフトでつくってみよう!

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