さよなら、僕らが愛した“かまぼこ屋根”の東横線渋谷駅
1927年(昭和2年)8月28日、東京横浜電鉄(現、東急電鉄)が渋谷−丸子多摩川間の9.1キロを開通し、渋谷と神奈川間をつなぐ全長23.9キロの夢の新路線「東横線」が誕生。それ以来、東横線渋谷駅は「ターミナル駅」として早朝から多くの人びとを見送り、そして終点として深夜遅くまで多くの人びとを迎えてきた。その利用者数は1日に約44万人を数える。ほとんどの人びとにとって駅は、ほんの一瞬過ごすだけの場所かもしれません。でも、ここを起点に、ある人は渋谷で働き、ある人は渋谷で学び、ある人は渋谷で遊び…。そのひとり一人が「東横線渋谷駅」という共通の接点を持ちながら、「渋谷の街」へ飛び出していき、そして、また帰ってくる。駅は単なる「プラットホーム(Platform)」ではなく、私たちをいつでも温かく迎えてくれる「住まい」や「故郷」のような存在といえる。そう、駅は私たちの「ホーム(Home)」なのだ!
いよいよ2013年3月16日に東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転が開始し、東横線渋谷駅が地下化。同時に長年愛され続けてきたターミナルの「東横線渋谷駅」が85年間、3月末には駅と直結するデパートとして親しまれてきた「東急東横店東館」が78年間の歴史に幕を下ろすことになる。そこで今回の渋谷文化では、渋谷の街の顔であった「東横線渋谷駅&東急東横店」の歴史やエピソードを振り返ってみたいと思う。