ドキュメンタリー映画「イエロー・ケーキ〜クリーンなエネルギーという嘘」@アップリンク
ウラン採掘の裏に隠された真実を明らかにしたドキュメンタリー映画「イエロー・ケーキ〜クリーンなエネルギーという嘘」が1月28日より、渋谷・アップリンクで公開が始まる。タイトルの「イエロー・ケーキ」とは、天然のウラン鉱石を精錬し得られるウランの黄色い粉末のこと。原子力発電の燃料棒として原子炉の中で核分裂を起こし、その熱を利用して発電が行われる。ウランはCO2を排出せずに再処理が出来ることから、「クリーンエネルギー」と言われ続けてきた。同作品では世界3位のウラン採掘量を誇っていた旧東ドイツの採掘会社ヴィスムート社が、約40年間に亘って行ってきた「ウラン採掘」の隠された真実を追ったドキュメンタリー。一時12万人の社員を抱えていた同社は、鉱石に含まれる放射能の有害性を隠蔽し採掘を推進。東西ドイツ統一後、新政府の判断のもとウラン生産の無期限停止が決定されたが、舞い上がる粉塵を吸い込んだヴィスムート社社員に多発する肺ガンや、ウラン工場から放出された放射性廃棄物のボタ山など解決すべき問題が山積する。現在、汚泥を地中に埋める処理作業が進められているが、その作業は2020年まで続き、65億ユーロもの税金が投入される見込みだという。
監督は旧東ドイツのヴィッテンベルク生まれのヨアヒム・チルナーさん。1975年に旧東ドイツにあった映画製作会社でキャリアをスタート。ベルリンの壁崩壊後、映画・テレビ連盟の代表を務めたのち、自主製作プロダクション「Um Welt Film」を設立。旧東ドイツ時代にはタブーであった「環境問題」をテーマにしたドキュメンタリー制作に意欲的に取り組んでいる。
5年間にわたって同取材を敢行したチムナー監督はドイツ・ヴィスムート社のほか、世界一位の産出量を誇るオーストラリアやアメリカにウランを供給するカナダ、新興国であるアフリカのナミビアのウラン生産の実情にも触れている。「クリーンエネルギー」として世界各地で建設が進む原発と同時にウランの需要が増加し、価格が高騰するイエローケーキを取り巻くビジネスの裏側に鋭く切り込む。昨年、公開されて話題を呼んだドキュメンタリー映画「100000年後の安全」(マイケル・マドセン監督)とともに「原発の出口・入口」の危険を浮き彫りとした衝撃作として注目される。
「イエロー・ケーキ〜クリーンなエネルギーという嘘」
〇上映日時:2012年1月28日(土)〜 10:15/12:30/14:30/18:40
〇劇場:アップリンク
〇料金:一般1,500円/学生¥1,300円(平日学割1,000円)/シニア1,000円
〇配給:パンドラ
〇公式HP:http://pandorafilms.wordpress.com/roadshow/yellow/
(2012/01/26)