カルチャーニュース 編集室が最新記事をpickup!

ケネス・アンガーらに影響を与えた実験映画の先駆者、マヤ・デレンの特集上映@イメージフォーラム

アメリカのアバンギャルド映画の先駆者と知られるマヤ・デレン監督の特集上映「マヤ・デレン全映画」が現在、渋谷・イメージフォーラムで始まっている。

1917年にキエフに生まれたマヤ・デレン監督はロシア革命後の内戦と、激化するユダヤ人迫害に追われ、1922年にアメリカに亡命。大学時代はジャーナリズムを専攻するも、黒人舞踊家のキャサリン・ダンハムとの出会いから、モダンダンスへ傾倒する。その後、マヤ同様にチェコからアメリカに亡命した映像作家アレクサンダー・ハミッドと結婚し、1943年に夫婦共同で制作した映画「午後の網目」を発表。同作品は1947年にカンヌ映画祭実験部門のグランプリを受賞するなど、マヤの名を一躍有名にするものとなった。以来44歳の生涯で6本の短編映画と未完作品、さらにハイチのヴードゥー教の儀式を撮影したフィルムが残るのみ。今回の特集上映では「カメラのための振付けの研究」(1945年)、「暴力についての瞑想」(1948年)など6本の短編作品のほか、マルセル・デュシャンが出演する未完作品である「魔女のゆりかご(未完)」(1944年)が特別公開されている。

また特集上映と併せてケネス・アンガーやアンディ・ウォーホル、ジョナス・メカスなどの映像作家や芸術家に多大な影響を与えたマヤの生涯を追った、ドキュメンタリー映画「鏡の中のマヤ・デレン」(2001年/マルティナ・クドラーチェク監督)も同時に公開されている。日本では馴染みの薄いマヤ・デレン監督がアヴァンギャルド映画界に残した功績を振り返るとともに、ハイチのヴードゥー教に入信してまで、映像を残そうとした人類学者としての側面など、今なお謎の多い彼女の人生を紐解く作品。アヴァンギャルド映画史を語る上でも外せない存在と言えるかもしれない。

ちなみにマヤの遺灰は、「午後の網目」「夜の深み」の音楽を担当し、彼女の3番目の夫である日系アメリカ人音楽家、テイジ・イトーによって東京湾に撒かれたそうである。

「マヤ・デレン全映画」
○日時:〜22日(金)21:10〜、1月23日(土)以降は19:10〜
○劇場:シアター・イメージフォーラム
○料金:当日1500円/大学・専門学生1300円/小中高・シニア1000円
○上映作品:全7本87分間
『午後の網目』(14分/1943年)
『陸地にて』(15分/1944年)
『カメラのための振付けの研究』(4分/1945年)
『変形された時間での儀礼』(15分/1946年)
『暴力についての瞑想』(12分/1948年)
『夜の深み』(15分/1952〜59年)
特別参考上映:『魔女のゆりかご(未完)』(12分/1944年)

「鏡の中のマヤ・デレン」
○日時:
  〜22日(金)11:30/14:00/16:30/18:45
 1月23日(土)以降は11:30/14:00/16:30
○劇場:シアター・イメージフォーラム
○料金:当日1500円/大学・専門学生1300円/小中高・シニア1000円
○監督:マルティナ・クドラーチェク
○出演:キャサリン・ダンハム、アレクサンダー・ハミッド、ジョナス・メカス、テイジ・イトーほか
○公式HP:http://www.imageforum.co.jp/deren/

(2010/01/22)

一覧へ