写真家・野島康三の足跡を辿る回顧展「肖像の核心展」
−渋谷・松濤美術館で11/15まで
中山岩太、木村伊兵衛と並ぶ、日本写真史に名を刻む写真家・野島康三の回顧展「生誕120年 野島康三 肖像の核心展」が現在、松濤美術館(渋谷区松涛)で開催されている。野島康三は慶應大学時代に写真に興味を持ち、その後アマチュア写真家の団体である東京写真研究会などでゴム印画、ブロムオイルによる精巧な写真技法を用いた作品発表を重ね、ピクトリアリスム(絵画主義写真)を牽引する写真家の一人として注目を浴びた。1932年には中山岩太、木村伊兵衛とともに写真同人誌「光画」を主宰し、従来のピクトリアリスムから新しい写真運動を起こすなど、日本の近代写真の発展に多大な影響を与えた。
今回の回顧展では、感光液を塗布した紙にネガを重ね、複数回の露光を繰り返す「ゴム印画法」や、既成の印画紙を使用した「ブロムオイル印画法」を用いた大正初期の「肖像画」「裸婦画」「風景画」「静物画」の作品を展示。さらに「銀塩プリント」によるポートレイト写真への移行など、プリント技術が急速に発展を遂げた時代の中で、常に新しい写真表現を求め試みてきた野島康三の探求心と足跡を辿るとともに、日本の写真史の変遷を捉えることが出来る。民藝運動の創始者・柳宗悦、俳優・千田是也など著名人の写真作品を含めて約150点、写真同人誌「光画」や親交の深かった柳宗悦や岸田劉生らの書簡など、関連資料もあわせて紹介。会期は今月15日(日)まで。
また関連展覧会として、駒場東大前の日本民藝館では「柳宗悦の世界−生誕120年記念特別展」(〜2009年11月19日)を開催中。
「生誕120年 野島康三 肖像の核心展」
○会期:〜2009年11月15日(日)
○場所:渋谷区松濤美術館
○料金:入場料300円
上写真:野島康三作品 《女》1933年
(2009/11/11)