平野啓一郎さんの最新作「ドーン」がBunkamuraドゥ マゴ文学賞に決定
Bunkamuraは9月3日、新しい才能の発掘を目指す「Bunkamuraドゥ マゴ文学賞」の2009年度の受賞作を、平野啓一郎さんの最新作「ドーン」(講談社、2009年7月刊)と発表した。同賞はBunkamuraが、独創性に富んだパリの「ドゥ マゴ文学賞」の精神を受け継ぎ、新しい才能の発掘に寄与したいとの思いで1990年に創設。対象作品は、前年7月1日から当年7月31日までに発表された小説・評論・戯曲・詩で、それらを1人の選考委員が審査する点が特徴的。今回選考委員を担当したのは、作家の島田雅彦さん。
島田さんは「ドーン」を受賞作に選んだ理由として選評コメントを発表。その中で、日本文学のメインストリームである「私小説」を「ちっぽけな『私』を中心に半径百メートル範囲に起きる出来事を扱う小説」=「ミクロ小説」としながら、「ドーン」の文中で展開される、哲学講義や政治談義、歴史への言及や文明論などが紛れ込む壮大な世界観を「マクロ小説」と名付け、同作最大の魅力は作者のまなざしの射程の長さにあると高く評価している。
平野さんは、1975年愛知県生まれ。京都大学在学中に文芸誌「新潮」に初めて投稿した小説「日蝕」が話題を呼び、1999年に第120回芥川賞を受賞。2004年には、文化庁の「文化交流使」として、一年間パリに滞在した。
Bunkamuraでは、10月6日(火)に授賞式が行われ、オーチャードホールでは、一般参加も可能な記念対談を同日16時から開催する。現在Bunkamuraホームページで参加者(抽選で50人)を募集している。
(2009/09/19)