脚本家小国英雄の特集上映会(〜6/12)
シネマヴェーラ渋谷では、5月23日から、黒澤明監督作「七人の侍」や「生きる」などで知られる昭和の映画脚本家、故・小国英雄の特集上映会「シナリオライター小國英雄のすべて」を開催している。1904年青森県に生まれた小国氏は、1927年、日活太秦撮影所に助監督として入社。のちにシナリオに転向して「浪人街」(監督:マキノ正博、1928年)などを手がけながら、1938年には東宝に移籍。「エノケンの法界坊」(監督:斎藤寅次郎、1938年)、「男の花道」(監督:マキノ正博、1941年)、「昨日消えた男」(監督:マキノ正博、1941年)などのヒット作を生み出した。戦後はフリーの脚本家として、 「三十三間堂通し矢物語」(監督:成瀬巳喜男、1945年)、「或る夜の殿様」(衣笠貞之助監督、1946年)、「待って居た象」(監督:安田公義、1949年)、「海賊船」(監督:稲垣浩、1951年)、「宇宙人東京に現る」(監督:島耕二、1956年)「雑兵物語」(監督:池広一夫、1963年)などを次々と執筆。時代劇、メロドラマ、SFなど、幅広い世界を描き、残された脚本は300作を超えるという。「生きる」「七人の侍」など、1952年以降の黒澤明監督作品の多くに共同執筆として参加している。
同上映会は、小国氏著「小國英雄シナリオ集」(ワイズ出版、2009.5)の出版を記念したもの。同著には、氏の代表的なシナリオをはじめ、エッセイ・小論・小説などが収録。今回の上映会では、「エノケンの法界坊」「男の花道」「海賊船」など同著収録の6作を含む計20本の小国脚本作が一挙上映される。
会場では、5月31日、6月6日、各日11時〜、国立映画機関「東京国立近代美術館フィルムセンター」から映画「三十三間堂通し矢物語」を借り受けて特別上映。同作は、実際に三十三間堂で行われていた「通し矢」を巡る弓道武士の姿を描いた作品で、成瀬初の時代劇。また、6月12日11:00〜、20:40〜には、佐々木亜希子さんを招いての活弁上映会を開催。マキノ正博監督の若き日の代表作「浪人街」から、三部作のうち現在残されている第一話のラスト場面と第二話を合わせた編集短縮版を上映する。同作はスター不在の群像劇だったが、希望のない浪人者たちのニヒリスティックな日常という内容が当時の若者の心情にマッチし大ヒットを記録した。
『シナリオライター小國英雄のすべて』
画像:『エノケンの法界坊』より©東宝
上映場所:シネマヴェーラ渋谷
上映期間:2009年5月23日〜2009年6月12日
上映時間:各日11:00〜
上映スケジュールの詳細は、施設HPまで。
(2009/05/27)