「工事中の渋谷」を見る・楽しむ! ザ・工事中、渋谷が生まれ変わる瞬間に立ち会う!
2013年3月15日、東急東横線渋谷駅の地上駅舎は85年間にわたる歴史に幕を閉じました。元住吉行き最終電車を多くの人びとが見送った光景は、渋谷の長い歴史に残る名場面の一つに数えられるだろう。あれから1年を経た現在、旧渋谷駅および東急百貨店東館の解体工事は、ゆっくりではあるが確実に進んでいる。目に見える範囲では、渋谷駅のシンボルであった「かまぼこ屋根」が完全に撤去され、隣の東急百貨店東館1号館は上部から徐々に解体が進み、だいぶ背が低くなってきたのがよく分かる。特にスクランブル交差点側からの風景は大きく変わり、以前までは東館の後方に隠れていた「渋谷ヒカリエ」が、その全景をはっきりと見せ始めている。知らず知らずのうちに解体が進んでいることを、改めて実感させられることだろう。
考えてみれば、私たちは何か新しい建物が建つときには、大きな期待感を寄せて注目するものだ。たとえば、渋谷ヒカリエやスカイツリーが建設される過程では、日々高さが増す建設風景をまめに写真撮影し、ブログやSNSにアップする人も多かった。では、建物を壊す解体時はどうだろうか?きっとグレー一色の仮囲いに辟易し、物々しさや騒々しさを感じることがあっても、解体工事に楽しさを感じる人はそう多くないに違いない。
そこで渋谷文化プロジェクトでは、あえて物々しい工事に注目する特集企画「ザ・工事中、渋谷が生まれ変わる瞬間に立ち会う!」を組み、今後しばらく続く渋谷駅周辺の工事のことをもっと深く知り・楽しんでもらおうと考えている。ちょうど50年前、1964年の東京オリンピックに向けて再開発された渋谷駅や街が、何の因果か2020年の東京オリンピックに向けて新たな街へと生まれ変わろうとしている。私たちは半世紀に一度しか味わうことのできない、渋谷駅の解体工事の過程を様々な角度から記録して紹介していきたいと思う。