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『LINE』×『今、僕は』

上映・公演は終了しました。

『LINE』(2008年/52分/配給:ノンデライコ)
『今、僕は』(2007年/87分/配給:chiyuw)

現実や社会の目となって何かを伝えるのではなくあくまでも個からの視点で個をみつめなおす方法で作られたドキュメンタリー『LINE』とフィクション『今、僕は』。しかもこの二つの作品は、二律背反する共通項を持つ。ドキュメンタリーとフィクションという境界線が曖昧であると言う点である。そしてその境界線をあやふやにするという方法を意図するしないに関わらず、見事に成功させた希有な作品たちでもある。つまり、『LINE』ではカメラそのもののまなざしがいくつもの視線をくぐり抜けることによって現実力を失ってまるで“作られたもの”に写り、『今、僕は』ではあらゆるシチュエーションが強度に作られる事により事実の如く輪郭が浮かび上がるのだ。この不思議な感覚は両監督の何かそれぞれの琴線にもふれたのだろうか。このような機会が誕生した。

『LINE』
全編を貫く「見つめる」というカメラアイの在り方は、決して他者との境界を踏み越えることはない。しかし、限りなく他者に近づき「見つめる」その距離感が、次第に見つめ続ける時間そのものと共に融解していく過程の中で、その映像はドキュメンタリーに内在する「フィクション」すら飛び越え、ただ「映画」に昇華していく。それは同時に、一見繋がりそうにない父、恋人の子ども、コザの娼婦、傷痕、を細い一本の線(LINE)で繋ぎとめ、「他者と向き合うこと」「関係すること」の本質を浮かび上がらせる飛翔でもあるのだ。
監督は「いいこ。(2005年公開)」等、主に劇映画を制作している小谷忠典。本作は初のドキュメンタリー作品ながら、「家族」を題材にしつつもそこから沖縄・コザの娼婦たちの「傷」へ軽々と飛翔する視線の斬新さに、ヨーロッパの各映画祭では驚きを持って迎えられた。フィクションとノンフィクションを自由に行き来する、新世代作家に要注目。

『今、僕は』
テレビゲームと漫画雑誌、ジャンクフードと寝ること意外、すべてを拒否している。
ある朝、悟の前に母親の友人である藤澤が現れ、半ば強引に彼を仕事場へ連れて行く。
美しい自然の中に建つワイナリー。だがそこでは悟の社会的能力の欠落が痛々しいほど明白になる。
悟を救おうとする藤澤の必死の努力や、仕事を続けていくことの現実、予期せぬ悲劇が、徐々に悟を狂気へと押しやっていく。
ヨーロッパの映画祭を激賛と涙流の渦に巻き込んだ、新鋭竹馬靖具、驚愕のデビュー作。ひとりの若者の閉ざされた心理を、いっさいの音楽を排除してリアリティーを追及し描いた衝撃のフィクション誕生。母親と二人きりの生活。ゲーム、漫画、カップラーメン。息苦しいまでの体臭とゴミの匂いまでも漂ってくるような生々しい描写。部屋に沈殿する不純物とローカル都市のありふれた風景。あの日母に暴力をふるった。得体の知れない“憤怒”にかられて。本格的に出口を失った若者の真の再生はやってくるのか。

邦画

『LINE』(2008年/52分/配給:ノンデライコ) 撮影・監督・編集:小谷忠典
出演:コザ吉原の女達、小谷泰典、小谷忠典、森谷省三、佐々木美枝、佐々木祥太 『今、僕は』(2007年/87分) 監督・脚本・編集・プロデュース:竹馬靖具 出演:竹馬靖具、藤沢よしはる、弁、志賀正人

料金:1,800円(1ドリンク付)

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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