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卍 まんじ

上映・公演は終了しました。

2005年/日本/80分/配給:アートポート/©2005 アートポート

禁断の果実の味を知ってしまった女。その先に待つのは世にも美しき地獄。

女と女。肉体と肉体。欲望と欲望。些細な好奇心からはじめた遊戯がいつしか陶酔へと変わり、許されぬ肉欲に自我を開放しながら気づかぬうちに破滅へと向かう。そこにあるのは嘘か真か。幻か現実か。ただひとつ確かなのは、一度足を踏み入れてしまった禁断の世界を失って生きるこの世は地獄、ということだけ・・・。

 文豪、谷崎潤一郎によって1928年(昭和3年)に発表された問題作「卍」。同性愛をテーマに、稀有な経験を告白するひとりの女の説話体で描かれたこの小説は、昭和がはじまったばかりの日本にセンセーションを巻き起こした。古くは鬼才・増村保造監督が手がけた若尾文子と岸田今日子主演作や、樋口可南子が体当たりの熱演を見せた作品、果てはドイツとイタリアの合作など、今までに幾度となく映画化されたこの官能物語を原作に、当代きっての異端監督とふたりの美しい女優により、今ここに新たな衝撃作が誕生した。

 弁護士の夫を持ち、社会的にも経済的にも恵まれた生活を送る女、園子。何不自由ない毎日を過ごす彼女の前に現れた妖艶な女、光子。美術学校で出会ったふたりは、光子の提案によって奇妙な関係を結ぶ。それは光子の婚約を破談にするため、ふたりが同性愛であるかの如くふるまうこと。当初は戸惑った園子ではあったが、光子の神々しいまでの美しさに魅了され、園子の夫も巻き込んで次第に悦楽の迷路に彷徨いこんでゆく。本作はそんな園子の回想を通し、究極のエロスとタナトスが大胆に描かれるのである。

 主演の園子に、写真家・荒木経惟に見初められて以来、8年の長きに渡って彼の創作活動のミューズとなり続けた秋桜子。視線ひとつで女の嫉妬と悦びを体現する彼女は、さすが天才アラーキーを虜にした魅力に満ち溢れている。対する光子に『フィラメント』『花と蛇2』の不二子。眩しい肢体を惜しげもなくさらけ出し、エキセントリックな役柄に説得力を与える。また園子の夫、謙二にドラマ「教師びんびん物語」で一世を風靡し、近年は『花と蛇』『コアラ課長』などで存在感を発揮する野村宏伸。不二子の婚約者に『恋する幼虫』『真夜中の弥次さん喜多さん』をはじめ、映画、舞台、テレビで強烈な個性を放つ荒川良々。監督・脚本は『クルシメさん』『恋する幼虫』「楳図かずお 恐怖劇場」の一篇『まだらの少女』と、その特異な作風が絶大な支持を集め、カルトな人気を誇る井口昇。背徳の物語をコミカルなまでにカリカチュア化し、究極の純愛映画の域にまで高めた彼の手腕が存分に堪能できる。

邦画

監督・脚本:井口昇
出演:秋桜子、不二子、荒川良々、吉村実子、野村宏伸

料金:施設参照

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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