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アライブ−生還者−

上映・公演は終了しました。

2007年/フランス/113分/PG-12/配給:熱帯美術館、グアパ・グアポ/© Ethan Productions

1972年10月、世界史にその名を残し、タイタニック号の沈没やスペースシャトルの爆発にも劣らない衝撃を全世界に与えた‘アンデスの聖餐’事故。墜落死した乗客の人肉を食いつなぐことによって、氷点下の雪山で72日間を生き抜き、ついに脱出に成功した16人の生存者の事故記録と証言は世界中で好奇と理解の両方の反応によって迎えられた。当初、これを現代のカニバリズムとして捉えるものもいれば、これを神が自分たちに与えた試練だったという生存者たちの説明を歓迎するものもいた。 その後、事件の詳細を綿密な調査と関係者の証言をもとに構成されたルポルタージュ作品「生存者」(P・P・リード著)が発表され、また、サバイバル映画の名作『生きてこそ』(93)の中で、事故の詳細と生存者たちの脱出に向けた過酷な戦いが描かれた。その両作品に共通して流れている熾烈な状況下における団結と友情、そして生きるための強い意思の表現は事故の真実を誠実に語るものである。 しかし、同じウルグアイのモンテビデオの出身で、生き残った生還者たちの友達であるゴンサロ・アリホン監督は、彼らと話を交わす度に必ず話題に上るこの事件の話を聞き、そこに前記の2つの表現方法(著作、フィクション映画)では語り尽くせなかった、生還者の言葉だからこそ伝えることのできる事故の真実がまだ残されていることを発見する。 すでに国際的に著名なドキュメンタリー作家であったアリホンは、生還者たちのインタビューを採録するとともに、その証言をもとに当時の事故状況を再現して、その時、サバイバルの現場で何が起こったのかを忠実に追究してゆく。また、特筆すべきことは、この作品が生還者たちと事故で亡くなった人々の遺族との交流も、同時に描いていることであろう。彼らが事故を封印せず、互いに交流を保ち癒しあう姿は、見る者に‘それでも生き残ることの大切さ’を強く訴え掛ける。モノクロームの抑えた映像で描かれる再現ドラマの詩的な表現と対照的な映像は、まさにドキュメンタリーという手法だからこそ迫ることのできた優れたアプローチであろう。 この『アライブ‐生還者‐』は、2007年に国際的なドキュメンタリー映画祭として名高いアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)でグランプリに当たるVPRO Joris Ivens賞を受賞後、2008年にはサンダンス国際映画祭を初めとして、サンフランシスコ、マイアミ、マラガ、トロント、ストックホルム等30以上の国際映画祭に招待され、ドキュメンタリー各賞を受賞し、大変な反響を呼んでいる。究極の状況の中で生きることを選ぶ人間の意志と団結力の物語は、崇高な人命がたやすく失われるようになった現代社会において、必ずや日本でも多くの人々の賛同を集めることだろう。

ドキュメンタリー

監督:ゴンサロ・アリホン

料金:施設参照

※表示されている料金は全て税込みです。
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