メイプルソープとコレクター
上映・公演は終了しました。

2007年/アメリカ+スイス合作/73分/配給:ロングライド/©JCPLLC and LM Media GmbH, 2007. All rights reserved.
メイプルソープ没後20周年
ロバート・メイプルソープ(1946-1989)
スキャンダラスに人生を駆け抜けた天才フォトグラファー
1989年3月。ロバート・メイプルソープは、HIVにより42歳という若さで死亡した。
生前より「自分の名声を見届けるまでは死ねない」と語った天才フォトグラファーは、ホイットニー美術館での自身の回顧展を見届け、その望みをかなえた。
早くからゲイである事を公言したメイプルソープのアーティストとしてのキャリアは、常にスキャンダラスな論争に彩られていた。芸術表現における<性のボーダー>を超えた写真は、70〜80年代のアートシーンに多大な影響を与えるに留まらず、アメリカ社会をも揺さぶる現象となった。花、ハードコアSM、大理石の彫像を思わせる男性や女性ボディビルダーのヌード、ポートレート等。そこには常に<聖>と<俗>、<セックス>と<死>が渾然となり、一つの作品の中で表現されていた。
そして被写体が変化しても一貫して求め続けた「完璧な瞬間(パーフェクト・モーメント)」。
その冷徹で研ぎ澄まされた美しさは、没後20年を経た今日でも観る者を魅了し続ける。
稀代なコレクターの人生から垣間みるアート・ビジネスの裏側
そのメイプルソープのアーティストとしての運命に決定的な影響を与えたのが、サム・ワグスタッフである。歴史ある名家に生まれ、幼少時より<アートへの愛情>と<コレクション熱>に冒された彼は、ヨーロッパで美術を学んだ後、60年代にはキュレーターとして知られるようになる。ミニマルアートをテーマにした展覧会をはじめてアメリカで企画。新しいアートとアーティストの紹介者としてその地位を確立する。
生涯通じてワグスタッフが収集し続けたコレクションは、膨大かつ多岐にわたったものだった。卓越した審美眼によって選び抜かれたそれはアフリカの彫刻から、アンディ・ウォーホル、アンティークの銀食器へと及び、所蔵品による企画展が開催された。殊に写真に関しては、その数はアメリカで最大のプライベート・コレクションと言われる程であった。
数多くのアーティトとも交流をもったワグスタッフだったが、メイプルソープは特別な存在だった。
ワグスタッフはメイプルソープがニューヨークのロフトでオブジェを作製していた時から、この希有な才能に目を付け、早くから惜しみない愛情と情熱を注いだ。ポラロイド・カメラを使用し写真を撮影していたメイプルソープに、ハッセルブラッドを贈り写真家としての才能を開花させたのも、ワグスタッフであった。そして、パトロンとして経済的に援助するのみならず、自らのコネクション、影響力を使って若き天才写真家メイプルソープをニューヨークのアートシーンに送り込み、成功へと導いた。本作では二人の生涯とその関係から垣間見えるアーティストと、コレクター、ギャラリーの力学、アートがビジネスになる仕組み。アートの裏側に潜むスリリングなもう一つの世界が浮かび上がってくる。
貴重な映像により再構築される70〜80年代ニューヨーク・アートシーンの全貌
メイプルソープが唯一愛した女性であり、生涯のミューズであるパティ・スミスが自ら語る愛の日々。パティがパンク・ロックの女王として成功した後も続いたメイプルソープ、そしてワグスタッフとの奇妙なバランスの三角関係、彼女が見届けた二人の死・・・。
また、当時を知る一流ギャラリーのアート・ディーラー、美術館キュレーター、写真家たちの証言するメイプルソープの真の姿と70〜80年代ニューヨーク・アートシーン。そしてワグスタッフがキュレーターとして関わりを持った60年代を代表するウォーホル、リキテンシュタイン、トニー・スミスたちによるポップアートの傑作の数々、アトリエで撮影に没頭するメイプルソープの貴重なフッテージやインタビュー等・・・本作は一人のアーティストとコレクターという枠組みを超え、当時のニューヨーク・アートシーンとシーンを彩った人々の生活を生き生きとよみがえらせ、リアルに再構築していく。
ドキュメンタリー
監督:ジェームズ・クランプ 出演:ロバート・メイプルソープ、サム・ワグスタッフ、パティ・スミス
料金:施設参照
※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。







