悪夢探偵2
上映・公演は終了しました。

2008年/日本/102分/配給:ムービーアイ/©2008 NIGHTMARE DETECTIVE 2 FILM VENTURER
静謐な恐怖の果てに見える、愛に満ちた美しい物語
湿り気のあるセピアの夢から浮かび上がるのは、亡き母の哀しい記憶。それは、茫漠とした恐怖に怯える母が、「怖い、怖い…」と、まだ幼かった自分を拒絶する姿。「何がそんなに怖いの?」「お母さんはどうしてボクを怖がるの?」――。そんな過去を背負った男は、やがて他人の夢の中に入れる特殊能力をもった “悪夢探偵”と呼ばれる存在になっていく…。
07年、恐るべき破壊力を持つ作品として世界に向けて発表された『悪夢探偵』の続編が、早くも完成した。しかしそれは上質なサイコサスペンスのような構造を持った前作の続きではない。なぜ影沼京一は悪夢探偵となったのか? その秘密に迫る“序章”とも言うべき物語。新たな依頼者である女子学生の悪夢の謎と、亡き母・逸子の死を巡るエピソード。この2つの物語が同時進行し、やがて一つに繋がるとき、我々は「怖さ」と「優しさ」が同居した未だかつてない芳醇な人間ドラマを観ることとなる。
“悪夢探偵”である京一のもとに、新たにやってきた依頼者は、悪夢で眠れないと訴える女子学生の雪絵。一度は冷たく突き放す京一だが、雪絵の悪夢に登場する“異様なほど怖がりの同級生・菊川”の存在に、亡き母の記憶を呼び起こされる。それは、すべてのことに怯え、その恐怖に耐え切れず自らの命を絶った母・逸子の記憶。菊川を通して、母の思いを知りたいと願う京一は雪絵の夢に入ることを決意する。京一は母の思いに辿り着き、彼女たちを救うことが出来るのだろうか・・・。
新たな悪夢探偵の魅力を引き出したのは、“世界が認める鬼才”塚本晋也。作品ごとに話題を呼ぶその独自の映像センスは、常に世界レベルの注目を集めている。そんな彼が、長編11作目にして明らかに新たな領域へと足を踏み入れ、自身の最新作であり最高傑作を作り上げた。
主人公の影沼京一を演じるのは、前作に続いての登板となる松田龍平。今や日本映画界を代表する存在となった彼が、前作にも増して京一の人間性を見事に体現している。依頼人の女子学生・間城雪絵を演じるのは三浦由衣。その個性的な顔立ちと自然体の演技で、300人を超える候補者の中から見事ヒロイン役を射止めた。雪絵を眠らせない悪夢の正体、極端な怖がりの菊川役に『誰も知らない』の韓英恵。年齢を超えた存在感で確かなキャリアを積む彼女が、事件のキーとなる役で確かな演技力を見せる。近年は、舞台やTVドラマで、コメディエンヌとしての新たな一面を覗かせる市川実和子が、京一の母という振れ幅の激しい難しい役どころを見事に演じきり、観るもすべての心を掴む叙情的な演技を見せている。また、その妻を自殺から救えなかったことに苦悩し続ける京一の父・滝夫役に日本映画界を代表する名バイプレイヤー光石研、その他、内田春菊、北見敏之らが、確実な仕事でしっかりと作品の核を支える。
静寂な恐怖の果てに見えてくるのは、切なく美しい物語。恐怖という感情に迫りながら、やがて暖かい感動に満たされる新たな傑作が誕生した。
邦画
監督:塚本晋也 出演:松田龍平、三浦由衣、韓英恵、光石研、市川実和子 ほか
料金:施設参照
※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。







