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山桜

上映・公演は終了しました。

2008年/日本/99分/配給:東京テアトル/©『山桜』製作委員会

幸せへのまわり道−
風雪に耐えて咲く山桜の下
男はひたむきに正義を貫き、女は熱い想いを胸に秘めた。

藤沢周平文学の神髄をたおやかに映画化
失意の日々を毅然と耐えて過ごす人々を描いて今なお絶大な人気を集める、藤沢周平の時代小説。その作品はこれまでに何度もドラマや映画に映像化されてきたが、珠玉の短編として名高い「山桜」は、主人公を野江という女性に据えている点で藤沢文学の中でひときわ精彩を放っている。この「山桜」を、初の時代劇出演になる田中麗奈と3年ぶりにスクリーンを飾る東山紀之の主演で、みずみずしい感覚でたおやかに映画化したのが本作だ。庄内の美しい四季と澄んだ空気の中で、野江は運命に立ち向かう。とりかえしのつかない道を選んでしまった絶望を越えて野江が光明を見つける物語は、現代に生きる私たちの胸を打ち、強い励ましを与えてくれるのだ。

回り道のあとで見つける、いるべき場所
江戸後期、北の小国、庄内の海坂藩で、野江は不幸な結婚生活に耐えていた。春先にひさしぶりに実家を訪れて叔母の墓参りを済ませた野江は、可憐な山桜を目指して初めての山道を進む。薄紅色の花に野江が手を伸ばしたそのとき、背後で男の声が響く。「手折ってしんぜよう」。精悍でありながら穏やかな瞳が印象的な長身の武士(弥一郎)がそこに立っていた。山桜に手繰り寄せられた運命の糸。この一度の出会いが、回り道をつづけてきた野江に、「この道を来てよかった」と心から思わせるまで、2人それぞれの道はまだいくつもの紆余曲折を経なければならないのだった。

4人の女性が示す生き方
最初の結婚が夫の急死によって幕を閉じ、1年前に磯村の家に再嫁した、23歳の野江。娘が婚家で辛い思いをしていることに心を痛めながら、耐え抜けばいつか事態は好転すると励ます母。母の心にも野江の心にも、若くして亡くなった野江の叔母の孤独な一生がかすめるからこそ、離縁の文字は頭から払いのけるしかないのだった。良妻賢母の鑑のような母親の厳しさと優しさ。薄幸に思えた亡き叔母の一生に垣間見える幸福。そして、のちに出会う弥一郎の母の、海より深い寛容な心と笑顔。人生の回り道で惑う野江を取り巻く3人の女性は、それぞれに温かく彼女を包み込み、行く手の道しるべとなってくれるのだ。



スクリーンを彩る豪華キャスト
主人公・野江には主演映画の公開が相次ぐ田中麗奈。真の強い凛とした女性像を見事に体現し女優としての新たな一面を見せた。正義感と誠実さに満ちた武士を凛凛しく演じるのは東山紀之。その立ち居振舞と殺陣の美しさには目を見張るものがある。二人を取り巻く人々にも実力派俳優陣が一堂に会する。心優しい父親を重厚に演じる篠田三郎、母親の深い愛情を表現する檀ふみ、悪役になりきった村井国夫、そして登場するやスクリーンに風格をもたらす富司純子。文庫本でわずか20ページほどの短編に描かれた人間ドラマが、最高のキャストを得て、奥行き深く、端正に、美しく映画化された。
この原作を脚本化したのは、飯田健三郎と長谷川康夫。 
監督は、田中麗奈の魅力を『はつ恋』(00年)で存分に引き出した篠原哲雄。本作で初の時代劇に挑んでいる。
そしてこの野江の物語を、一青窈の歌声が力強く称えて、感動の余韻をいつまでも胸に残すのである。

邦画

監督:篠原哲雄 出演:田中麗奈、東山紀之、篠田三郎、富司純子、高橋長英、永島瑛子、村井国夫

料金:施設参照

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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