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譜めくりの女

上映・公演は終了しました。

2006年/フランス/85分/配給:カフェグルーヴ+トルネード・フィルム/©Philippe Quaisse

『譜めくりの女』は、ピアニストへの夢を絶たれた少女メラニーの物語を主軸に、憧れと絶望、時を経て立場が逆転した二人の女性の愛憎を、クラシック音楽の演奏という緊張感あふれる舞台を背景に、きめ細かく、情感豊かに描いた傑作である。
2006年カンヌ映画祭「ある視点」部門で公式上映され、フランス映画の伝統を汲む重層的な心理描写に、クラシック音楽の構成を見事に取り入れた作品と絶賛を浴び、その後、世界中での配給が決定している。

物静かな少女メラニーの夢は、ピアニストになること。しかし、コンセルヴァトワールの実技試験で、審査員である人気ピアニスト、アリアーヌが取った無神経な態度に翻弄され、ピアニストへの夢を捨てる。やがて妖しいまでに美しく成長したメラニーは、アリアーヌとの再会を果たす。そうとは知らないアリアーヌは、メラニーに演奏会の成功の鍵を握る“譜めくり”を依頼し、やがて絶大な信頼を寄せていくのだが・・・。

監督のドゥニ・デルクールは、高い評価を受けるヴィオラ奏者でもあり、現在、フランス・ストラスブール国立音楽院教授というフランス映画界きっての逸材である。パリ国立音楽院時代には、プレイエル、カーネギーといった世界一流の舞台でソロ演奏も行っている。長編第5作目となる『譜めくりの女』で、一曲のクラシック音楽作品さながらにドラマを仕立て、また演奏家たちの緊張や不安といった巧みな心理が描けるのも、こうした経歴をもつデルクールならではと言えるだろう。

2005年、フランス外務省の招きで研究者として京都に半年間滞在し、人生の岐路を前に戸惑う少女を描いた作品“Ukiyo, Monde flottant”を製作するなど、日本文化にも造詣が深いたデルクール。抑制の効いたスクリーンから醸し出される繊細な情感の秘密が、ここにもありそうだ。
 
情熱と絶望を内に秘め、美しく危険な香りのするメラニー役には、『ある子供』(ジャンピエール&リュック・ダルデンヌ監督)での少女ソニア役が記憶に新しいデボラ・フランソワ。『ある子供』は、2005年カンヌ映画祭で最高賞のパルムドール大賞を受賞、彼女自身もセザール賞最優秀新人女優賞に輝いた。その次回出演作に選んだのが、この『譜めくりの女』で、その後も出演依頼が絶えない人気若手女優である。

大人の無神経な言動から一人の少女の人生を狂わせてしまったピアニスト、アリアーヌ役を演じるのはカトリーヌ・フロ。『家族の気分』(セドリック・クラピッシュ監督)でセザール賞主演女優賞を受賞するなど、今やフランスを代表する女優の一人である。上品でどこかとぼけたいつもの役柄から一転、今回は、不安とプライドを抱えるピアニストの心理を巧みに演じている。

また、アリアーヌの夫、ジャンに扮するのは、エリック・ロメール、パトリス・シェロー作品の常連であるパスカル・グレゴリー。その他、名優たちが『譜めくりの女』を脇から支えている。さらに、音楽を担当したジェローム・ルモニエは、どこか不安げな雰囲気を漂わせる冒頭から、アリアーヌ一家に思わぬ結末が訪れるクライマックスまで、作品に独特なトーンと緊張感と与え、物語を盛り立てている。

洋画

監督:ドゥニ・デルクール 出演:カトリーヌ・フロ、デボラ・フランソワ、パスカル・グレゴリー

料金:施設参照

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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