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歓喜の歌

上映・公演は終了しました。

2008年/日本/配給:シネカノン/©2008「歓喜の歌」パートナーズ

 誰もが忙しく立ち働く12月30日。小さな町を揺るがすその“大事件”は、1本の電話から始まった。
「はい、みたま文化会館です。ええ、コンサートご予約の確認ですね。『みたま町コーラスガールズ』さん、明日の夜7時から……大丈夫ですよ、お待ちしてます」
 調子よく応えているのは、文化会館の主任。しかしその直後には、まったく大丈夫じゃなかったことが発覚する!「みたま町コーラスガールズ」と「みたまレディースコーラス」。よく似たグループ名を取り違えたこのダメ主任、コトもあろうに、大晦日の会場をダブルブッキングするという大失態をやらかしてしまったのだ。
 セレブな本格派のレディースが「うちの合唱団にとって明日は創立20周年の記念コンサート。今さら変更なんてありえません」と言えば、結成間もない庶民派のガールズも「うちだって明日を楽しみに、家事やパートの都合を何とか合わせながらがんばってきたんです」と、一歩も譲らない。安定の上にあぐらをかき、仕事も家庭もその場しのぎでこなしてきた主任は、合唱にかける彼女らの情熱を前に右往左往するばかり。さらには夫婦間の危機から、飲み屋のお勘定まで、日頃のツケが一気に回ってきて…。大晦日に起きた一大ハプニング。はたして主任の運命は?懸命に練習してきた“ママさん”たちの歌声は?
 忘れかけていた真心を歌への想いにのせて贈る、ハートウォーミングな音楽喜劇─『歓喜の歌』の誕生だ。

 原作は「今もっともチケットが取れない落語家」として知られる立川志の輔の、同名新作落語。現代の市井を生きる人びとの喜怒哀楽を、絶妙の観察眼ですくいとった数々の“志の輔らくご”の中でも、とりわけ名作中の名作としてファンに語り継がれている作品だ。
 老若男女、日本人なら誰でも共感できる身近なテーマを盛り込みながらも、どこかに必ず「日常を生きる人の品格」も描かれているのが志の輔らくごの魅力。ここ数年、映画やドラマの世界でも「落語ブーム」が言われているが、日本人の機微を描ききった「新作落語の世界観」自体を映像化する試みは今回が初めてだと言える。
 製作は、大ヒットした『フラガール』や『パッチギ!』シリーズなどで、やはり懸命に生きている日本人の肖像を描いてきたシネカノン。昔から志の輔らくごのファンで、この「当代随一のストーリーテラー」の作品世界をいつか映像化したいと企画を温めてきた李鳳宇代表が、本作品のエグゼクティブプロデューサーを務めている。
 監督は『さよなら、クロ』(03年/シネカノン製作)などの作品で知られ、最新作『東京タワーオカンとボクと、時々、オトン』(07年)が大ヒットした松岡錠司。繊細な人物描写と安定したストーリー運びに加えて、洗練された笑いの感覚を発揮して新しい境地を示した。
 ニッコリ笑えてホロリと泣ける音楽喜劇−そのツボとも言える劇中の映画音楽は、若き第一人者の岩代太郎が担当。躍動感溢れるスコアは映画のテーマである「共に歌う愉しみ」を表現して見事だ。そしてエンディングテーマは、クレイジーケンバンドが本作のため再録音した名曲「あの鐘を鳴らすのはあなた」。人を愛する歓びをストレートに綴った故・阿久悠氏による“人間賛歌”の歌詞もまた、本作のメッセージを鮮やかに代弁するものだと言っていいだろう。

邦画

監督:松岡錠司 出演:小林薫、伊藤淳史、由紀さおり、浅田美代子、安田成美

料金:施設参照

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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