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シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録

上映・公演は終了しました。

2007年/日本/102分/配給:いまじん、蒼玄社/©いまじん 蒼玄社

ドキュメンタリーという名のホラー 唐的妄想大爆発!

1967年、新宿の花園神社で行われた紅テント公演で、演劇界に衝撃を与えた天才劇作家・唐十郎。その革命的な劇世界は、同時代を生きた寺山修司や蜷川幸雄はもちろん、つかこうへい、野田秀樹ら後に続く世代にも有形無形の影響を与えた。そして、唐以外の演劇界の巨星たちが、変化を求めより大きな舞台で活躍していくなか、唐だけが紅テントにこだわり続けた。自らを「偏執狂」と呼ぶ唐が、彼らと決定的に異なる点は、ほぼ毎年1本新作戯曲を書き続けていることと、劇団という形態を維持し続けていること。40年前に27歳だった唐が、67歳になったいまも目をキラキラさせながら舞台に立つ姿は、まさに偏執狂の真骨頂である。

40年の間に世の中は変わり、演劇の形態も客の嗜好も変わった。60・70年代に時代の最先端を走った状況劇場は、80年代末に劇団唐組に姿を変えたが、90年代には一部の理解者を除いてなかなか評価を得られなかった。それは、バブルを経た日本社会が、わかりやすさや軽さを求めた消費者(=観客)に迎合していく時代の必然だったのかもしれない。しかしそうした風潮への反動からか、21世紀に入り唐十郎再評価の動きが高まってきた。2004年の「泥人魚」による演劇賞総なめをはじめ、2006年には唐個人として読売演劇大賞芸術栄誉賞を受賞。さらにここ数年、他の劇団や演出家による唐戯曲の上演が相次いでいるのだ。だが、そんな世間の評価や関心とは無関係に、唐十郎は常に唐十郎であり続けた。そしてただひたすら、唐の頭の中で進化と深化を続けているのだ。

既に十分過ぎるほどの名声を得ながらも、唐が芝居をやめる気配は微塵もない。そして還暦をとうに過ぎた今も、紅テントの舞台で意気揚々と水につかり、泥まみれになりながら、長台詞をとうとうとまくし立てる。それは「芝居をすることが生きること」とでも言わんばかりの、壮絶な姿である。

そんな唐のもとに集う劇団員たちは現在14名、平均年齢30歳。 最年長で44歳、最年少は22歳。唐にとっては子ども、あるいは孫の世代だ。彼らは唐の芝居に身を捧げる修業僧のような生活を続けている・・・それは俳優としての修業であると同時に、座長という圧倒的な存在のすべてを受け入れる修業でもある。演出家・鈴木忠志は唐演劇を「おさな心の発露」と評したが、まさに唐の「おさな心」は、舞台上のみならず様々な場面で発揮される。知らない人が見たら「めちゃくちゃだ!」と思うことは日常茶飯事。時にやんちゃな子どもになる唐を、劇団員たちは影に日向に支えている。もちろん辛いときもある。金銭的にも決して恵まれてはいない。ついていけずに辞めていった仲間も数え切れない。だが、今も劇団に残る彼らは「おさな心」を持つ自分たちの座長が好きで、また何より、唐の書く芝居を紅テントの舞台で演じたくて、修業を続けているのだ。格差社会と呼ばれ、経済至上主義が蔓延する時代の波とは全く無縁に、信じた道を走り続ける唐十郎と若者たち。どこまでもシアトリカル(=劇的)に、演じ、語り、怒鳴り、笑い、炸裂する!

この映画は、平成の世を疾走する最重要無形文化財の魂の記録である。

邦画

監督:大島新 出演:唐十郎、劇団唐組

料金:施設参照

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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