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カウリスマキのあかり ふたたび

上映・公演は終了しました。

大好評だった特集上映「カウリスマキのあかり」から、選りすぐりの8本をアンコール上映!

■上映作品
『罪と罰』Rikos ja rangaistus(1983年/フィンランド/93分)
出演:マルック・トイッカ、アイノ・セイッポ、エスコ・ニッカリ、マッティ・ペロンパー
ドフトエフスキー名作「罪と罰」に挑んだカウリスマキの野心漲る驚異の長篇デビュー作。食肉解体工場に勤める青年ライヒカイネンがある男を射殺した。現場で目撃していたケータリング業者のエヴァは警察での証言を偽り、二人の間に次第に奇妙な共犯関係が生まれていく。舞台をヘルシンキに置き換え、ヒッチコックが著作『映画術』の中で「ひとことも削除できない」と言った原作の核心を大胆にすくいとって、殺人者ラスコーリニコフ=ライヒカイネンの葛藤を、台詞を抑え、画面と描写の力で描き出す。

『パラダイスの夕暮れ』Varjoja paratiisissa(1986年/フィンランド/75分)
出演:マッティ・ペロンパー、カティ・オウティネン、サカリ・クオスマネン、エスコ・ニッカリ
<労働者3部作>の第1作目。マッティ・ペロンパー、カティ・オウティネンという、カウリスマキ作品を支える二人が初めて主役した、悲哀に満ちた恋の物語。ゴミ収集人のニカンデルは同僚の死に直面し、スーパーのレジ係、イロナをデートに誘うが失敗。一方イロナは突然職場をクビになり、会社の金を持ち逃げしてしまった…。現実の厳しさに洗われ、ぎくしゃくと進展する恋の行方を、シンプルな描写で見つめていく初期の傑作。ヘルシンキの街の朝の光や、夜のアパートの一室を捉える見事な撮影、挿入音楽の歌詞が醸し出す情感が、深い余韻を残す。

『真夜中の虹』Ariel(1988年/フィンランド/73分)
出演:トゥロ・パヤラ、マッティ・ペロンパー、スサンナ・ハーヴィスト、エートゥ・ヒルカモ
<労働者3部作>の2作目は後の『過去のない男』の原点とも言える、不幸に見舞われ続ける男の物語。ラップランドの炭鉱夫カスリネンは、鉱山の閉鎖と父の自殺に直面し、有り金を持って父の残したオープンカーで南へと向かう。だが、暴漢たちに金を奪われ、日雇い労働で食いつなぐ日々に。1人の女性と出会って掴んだ幸せも束の間、暴漢を見つけてした仕返しが、今度は彼を刑務所へ追いやるハメに…。フェード・アウトで繋がれる不幸な出来事の連鎖に、ふと挟まれるユーモア。ラストにフィンランド語で流れる≪虹の彼方に≫が見る者の胸にしみる。

『マッチ工場の少女』Tulitikkutehtaan tyttö(1990年/フィンランド+スウェーデン/70分)
出演:カティ・オウティネン、エリナ・サロ、エスコ・ニッカリ、ヴェサ・ヴィエリッコ、シル・セッパラ、レイヨ・タイパレ
カティ・オウティネン演じるサエない少女が主人公の<労働者3部作>の最終章。マッチ工場に勤め、母とその愛人を養うイリスは、身なりも地味でダンス・パーティーで踊りの声も掛からない。意を決して給料日にドレスを買うも、母の愛人には「売春婦」となじられ、そのドレスで出かけたディスコで男と出会って幸せを手に入れたのも束の間、遊びだったと告げられる。台詞をほとんど用いず、画面の連鎖でイリスの不幸な境遇を浮かび上がらせる演出は、<敗者3部作>の3作目である最新作『街のあかり』に受け継がれている。洗練と毒の極まった代表作の1本。

『コントラクト・キラー』I Hired a Contract Killer(1990年/フィンランド+イギリス+ドイツ+スウェーデン/80分)
出演:ジャン=ピエール・レオー、マージ・クラーク、ケネス・コリー、セルジュ・レジアニ、ジョー・ストラマー
ジャン=ピエール・レオーを主役に迎えたアキが、スタジオではなくロンドン・ロケに挑んだ作品。フランスに居場所をなくし、ロンドンの水道局で働くアンリは、ある日突然解雇を言い渡され、絶望して自殺を図るが失敗。新聞記事で「契約殺人」(ルビ:コントラクト・キラー)の存在を知った彼は自らの殺しを依頼するも、その直後、花売り娘マーガレットと初めての恋に落ち、アンリは殺し屋から逃げ続けるハメになる。カウリスマキが生涯のベストに挙げる『肉体の冠』(ジャック・ベッケル監督)のセルジュ・レジアニも出演するなど、過去の映画への敬意と愛情が満ち溢れている。

『愛しのタチアナ』Pidä huivista kiinni, Tatjana(1994年/フィンランド/62分)
出演:カティ・オウティネン、マッティ・ペロンパー、キルシ・テュッキュライネン、マト・ヴァルトネン、エリナ・サロ、イルマ・ユニライネン
母親に煙草を吸っては叱られ、コーヒーが切れていても「明日」とすげなくされる仕立屋のヴァルト。カッとなってクローゼットに母親を閉じ込め金を持ち出した彼は、修理した車の試運転に修理工のレイノを乗せ、道すがらバーへ向かう。店で出会ったロシア女性クラウディア、エストニア女性タチアナに「港まで送ってほしい」と声を掛けられた彼らは、この願いを引き受けた。数日にわたる車での旅は、無口な男たちと、彼らを呆れながらも微笑ましく見つめる女たちの距離を、ゆっくり近づけていく。常連キャストが顔を揃えた愛すべき小品。

『浮き雲』Kauas pilvet karkaavat(1996年/フィンランド/96分)
出演:カティ・オウティネン、カリ・ヴァーナネン、エリナ・サロ、サカリ・クオスマネン、エスコ・ニッカリ、サッケ・ヤルヴェンパー
『過去のない男』そして『街のあかり』へと続く<敗者3部作>の第1作。失業の深刻化を受け「映画にできることは希望を与えること」と、ハッピーエンドで締めくくられた本作は、これまでの作風に磨きを掛け、より深い人間的な温かみを刻み込んでいる。ヘルシンキの名門レストランの給士長イロナと、路面電車の運転手ラウリは仲のよい夫婦。慎ましい生活を送っていた2人だが、ラウリはリストラ、イロナは閉店で時を前後して失業してしまう。それぞれ見つかった職も上手くいかず災難が続く中、イロナは意を決し夫と新しいレストランをオープンする計画を立てる…。

『過去のない男』Mies vailla menneisyyttä(2002年/フィンランド/97分)
出演:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン、ユハニ・ニエミラ、アンニッキ・タハティ、タハティ
ヘルシンキに流れ着いたひとりの男。しかし彼は暴漢に襲われ瀕死の重傷を負い、一命をとりとめるも、過去のすべての記憶を失ってしまう。過去を失った男は絶望の淵でささやかな人生をひとコマずつ重ねていく中で、イルマという女性と出会う。それは男にとっては初めての、あたたかで満ち足りた思いとなって、人生をやわらかく包み込むのだった…。<敗者3部作>第2作である本作は、ミニマルかつ叙情的、ユーモラスで牧歌的でありながらも人生の苦渋を浮かび上がらせカンヌ国際映画祭でグランプリと主演女優賞を見事ダブル受賞したカウリスマキの代表作。

■上映スケジュール 
8月11日(土)〜13日(月)『罪と罰』
8月14日(火)〜16日(木)『真夜中の虹』
8月17日(金)〜19日(日)『パラダイスの夕暮れ』
8月20日(月)〜22日(水)『マッチ工場の少女』
8月23日(木)・24日(金)『コントラクト・キラー』
8月25日(土)・26日(日)『愛しのタチアナ』
8月27日(月)〜29日(水)『浮き雲』
8月30日(木)・31日(金)『過去のない男』


■監督紹介
1957年フィンランド、オリマティラ生まれ。ヘルシンキの大学ではコミュニケーション論を学ぶ。在学中は大学新聞をひとりで編集するなど、すでに単独者としての片鱗を見せる。そのかたわらフィンランドの代表的な映画雑誌にも盛んに寄稿する。雑誌編集にも積極的に参加し、全ページを別のペンネームで書き分けるなど異才ぶりを発揮。その後、映画評論家としてキャリアをスタートさせるが、評論だけには留まらずシナリオ作家、俳優、助監督など数々の仕事に携わり、1980年兄ミカが監督した中篇「Valehtelija」に俳優として出演。最初の長篇監督作品は 83年のドストエフスキー原作の『罪と罰』である。この作品がフィンランドのオスカーにあたるユッシ賞の第1回最優秀処女作品賞と最優秀脚本賞をダブル受賞し、一躍注目を浴びる。さらに東京国際映画祭ヤング・シネマにも出品された『パラダイスの夕暮れ』(1986年)が、カンヌ映画祭監督週間をはじめ各国の映画祭に招待され世界の映画人の注目を集める。カウリスマキ兄弟は1981年にゴダールの『アルファヴィル』から命名した映画会社<ヴィレアルファ>を設立、また<センソ・フィルムズ>という配給会社も所有しておりヘルシンキ中心部には<シネマアンドラ>という映画館も運営している。日本では1990年、フィンランド出身で世界的に人気のあるバンド、レニングラード・カウボーイズの映画『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』で注目され、同じ年『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』と立て続けに公開。この年が日本における実質的なカウリスマキ元年となる。その後は『コントラクト・キラー』『ラ・ヴィ・ド・ボエーム』『愛しのタチアナ』など新作が出るごとに順次公開され、1997年に公開された『浮き雲』がアキ・カウリスマキ・ファンにとどまらず広く一般にもその魅力が受け入れられ大ヒットした。そして20世紀最後のサイレント映画『白い花びら』公開に併せて来日、その際、沢登翠弁士つきのプレミア上映会が行われた。また2002年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映された、世界を代表する7人の監督によるモムニバス映画『10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス』の一篇である『結婚は10分で決める』を監督、『過去のない男』のカンヌ受賞とともに大いに映画祭を盛り上げた。また日本において未公開であった長篇処女作『罪と罰』、そして『カラマリ・ユニオン』が2002年に公開されたことで、すべてのカウリスマキの長篇作品が日本において公開となっている。本作『街のあかり』が公開される2007年はアキ・カウリスマキ生誕50年である。

特集上映・映画祭

左記参照

料金:一般・大学専門学校生:\1,300 会員・シニア:\1,100 高校生:\800 中学生以下:\500
※「街のあかり」前売券をご提示で\1,000

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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