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シッコ

上映・公演は終了しました。

2006/アメリカ/提供・共同配給:ギャガ・コミュニケーションズ、博報堂DYメディアパートナーズ、日本ヘラルド映画/配給:ギャガ・コミュニケーションズ×博報堂DYメディアパートナーズ/©2007 Dog Eat Dog Films,Inc.

なぜ今、健康保険制度なのか。アメリカ以外に住む観客がそう感じても不思議はない。しかし、アメリカ在住の人々にとって、『シッコ』はまさに、満を期した時に現れた。驚くべきことに、アメリカには先進国で唯一、誰でも加入できる政府運営の国民健康制度が存在せず、健康保険はすべて民間の保険会社に委ねられている。これらの保険会社は、株式会社。利益率を高め、株主を喜ばせることを最大優先する彼らは、被保険者が病気になっても、なるべく金を使わないですませようとする。

最近では、大手保険会社ブルークロスが、加入後にお金のかかる病気をした患者の保険を一方的に取り消したことに対する集団訴訟も起きた。驚くべきことに、国民の6人に一人が無保険で、毎年1万8千人が治療を受けられずに死んでいくという現実がある。今やアメリカでは、事故、犯罪、テロ、戦争ではなく、治療費を払えないという理由で命を落とす人数のほうが圧倒的だ。どうしてこんなことになってしまったのだろう?

<STORY>
 仕事中、事故で指を2本切断された中年の大工。保険のない彼に、医師は聞く。「薬指(リングフィンガー)は6万ドル。中指は12万ドル。どっちにしますか?」。安いほうを選んだ彼の手に、中指はない。交通事故で意識不明となった女性。救急車により病院に運ばれた。保険会社の通知には「救急車は事前申請が必要です。今回は保険適用外です」と記されている。彼女は呆れ顔で言う。「意識不明なのにいつ申請をすればいいの?救急車に乗る前?」
 50代の夫婦。夫が心臓発作を起こし、妻はガンを患った。彼らが加入しているのはHMOと呼ばれるタイプの、保険料が安いがクオリティは低い保険。自己負担額を払いきれなくなった夫婦は、我が家を手放す。‘For Sale’の看板を見る二人の胸は無念の気持ちで一杯だ。
  臓器移植を必要とする夫を抱える妻。彼の家族の臓器がマッチすると判明し、大喜びしたにも関わらず、保険会社がなかなかお金を下ろしてくれない。待っているうちに夫は死んでしまった。「なぜ」と、良き夫で、良き父だった彼の写真を手にする彼女は涙を止めることができない。
 更に『シッコ』では、標準より痩せすぎている、もしくは、太りすぎているという理由で保険加入を拒否されたり、医師がガンだというのに「あなたの年齢ではありえない」と保険会社が決めるような、ばかげた事態が次々と浮き彫りになっていく。

 アメリカには国が運営する健康保険が存在しない。国民は民間の保険会社に入会するしかなく、無保険者は4700万人も存在する。株式会社である保険会社は国民の生命を脅かし、かつて勤務していた女性は、間接的であるとはいえ、「私もきっと誰かを殺した」と吐露する。
 
 ムーアは次にカナダ、イギリス、フランスを訪ねて、それぞれの国の事情を探ることにする。これらの国々では医療は基本的に国が運営する保険でカバーされる。医師たちは保険にしばられることなく、患者の健康のために仕事をこなす。そんな当たり前のことにアメリカ人のムーアはことごとく感嘆する。
 最後に彼は、9/11で救命作業のために、自らの健康を犠牲にすることになったボランティアたちを、キューバに連れて行く。なぜなら、キューバ南に位置するグアンタナモ海軍米基地ではアメリカで唯一の無償治療が受けられ、そこに収監されているアルカイダの一味はその恩恵に授かっているのだ。「9.11の英雄に容疑者たちと同じ治療を受けさせてくれ!」と基地に向かいムーアは叫ぶが、返事は・・・・ない。
 仕方なくムーアは今にも発作が起きそうな彼らを‘敵国’キューバの病院に連れて行く。すると、なんと、彼らのために、無償で治療を施すのだった。優しい笑顔で、「大丈夫ですから」と励ましてくれるキューバ人の医者。自分の国で、そんな言葉をかけてもらったことはなかった。少ない収入を工面して、なんとか捻出している薬も、アメリカだと120ドルなのに、ここではたったの5セントだという。
 何かが間違っていることは、もう誰もが気づいている。でも何もしないままでは、何も変わらない。改善するために立ち上がらなければならないと、強く、情熱的に、ムーアは観客に呼びかける。

洋画

監督・脚本:マイケル・ムーア

料金:施設参照

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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