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街のあかり

上映・公演は終了しました。

2006年/フィンランド/78分/35mm/ドルビーデジタル/アメリカンヴィスタ/配給=ユーロスペース

希望を灯す

『浮き雲』『過去のない男』に続く
アキ・カウリスマキ敗者三部作完結篇!

フィンランドのヘルシンキに、ひとりの男が静かに生きていた。友人はいなかった。愛する人もいなかった。見守る家族もいなかった。文字どおりひとりぼっちの世界を生きていた。海辺でソーセージ屋を営む女だけが彼を見つめていたのに、その店のあかりは彼の眼には入らなかった。
街の片隅でたったひとり生きる男の、孤独な、しかしつつましやかに夢を見ながら生きる世界に、ダリアのような猛毒が注がれる。その結果たどりついた場所は、あかりのまったく灯らない、冷え冷えとした世界だった。
しかし一度信じ愛したものに対して、彼が裏切ることは決してなかった。やがて訪れる無垢なる愛。その愛が街を静かに灯していく様は、人が人間性を回復していくような、奇跡的な美しさだった…。
チャップリンの『街の灯』のごとく、人間の誠実さを丁寧に追いかけた傑作がフィンランドから誕生しました。北欧のゆるやかな空気感のなかに宿る、生きていくことの喜びが灯す微かなあかり。そのあかりのもとでは、清らかで美しい涙が流されることでしょう。

『浮き雲』では人間賛歌を、『過去のない男』では再生のドラマを語ってきたフィンランドの名匠アキ・カウリスマキが、今回は敗者三部作の最終章で描くのは、人間性の回復。
物語は、あるマフィアの男が自分の情婦ミルヤを使って孤独な男コイスティネンを誘惑し、ショッピングセンターの宝石を強奪して彼に罪を擦りつけるところから始まります。愛に飢えていた男が、美しい、毒のある花のようなミルヤの、焦らすような誘惑の手練手管によって生まれて初めて恋におちていく様、そして信じた愛ゆえ、やがて降りかかる災難をまるで黙示のように粛々と受け入れる様子…。それらの場面は恋する人間が放つ瑞々しいほどの美しさと、胸を打つほどの悲しみを同時に際立たせていきます。
そして常に通低音のように流れる人間の誠実さ。それはもはや、世界中を探しても存在しない宝石のように、憧れの感情さえ伴って観る者に強く揺さぶりをかけてくるでしょう。
やがて、彼が必死で守ろうとした犬(パユ)の導きによって、天啓というほかないラスト・シーンが訪れます。コイスティネンが守ろうとしたもの。待ち望んでいたもの。それは形を変え、より慈愛に満ちたものとなって、天空より降り注ぐのでした…。

洋画

監督:アキ・カウリスマキ 出演:ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤルヴェンヘルミ、イルッカ・コイヴラ、マリア・ヘイスカネン、カティ・オウティネン、パユ

料金:施設参照

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

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