渋谷文化プロジェクト

渋谷をもっと楽しく!働く人、学ぶ人、遊ぶ人のための情報サイト

−進化する伝統とモダン− 牧野宗則 華痢?/p>

上映・公演は終了しました。

「ほほえみ」2006年 22版38度摺 画面寸法:26.5×31.8cm ED.185

美しい色彩が織りなす生命のきらめき
待望の新作木版画と鮮やかに昇華されたモダニズム

自然の中に息づく生命の輝きを、伝統技法の木版画で表現する作家・牧野宗則。静岡県裾野市にアトリエを構え、かつては絵師・彫師・摺師の分業だった工程をすべて一人で手がける、現代では希有な作家です。待望のBunkamura 4度目の個展となる本展では、近作を中心としたこれまでの代表作に加え、現在制作中の新作も展覧販売いたします。新作の一つ「ほほえみ」は、穏やかな空気と柔和な色の光で包まれた富士の裾野が描かれています。画面から広がる光景にある、生き生きとした生命の輝き触れ、人間は自然に包含されている、自然と対話する喜びを五感で感じとれる作品です。これまでの作品とは一線を画す、深みのある牧野独自の世界観から放たれる、あくまでも軽やかな色彩のリズムが、富士の裾野の心地よい風を感じさせてくれます。

そして今展注目、牧野の新境地「Block’s Art」をかつてないスケールのコレクションで取り揃えます。
牧野版画の特徴でもある精緻の極みを示す彫り、鮮やかな色彩を留める幾枚もの版木が、また新しい作品へと生まれ変わりました。版木をブロック状に裁断し、数点の作品のものを組み合わせたことで、まったく違った趣の作品へと―。牧野の木版画は一作品につき、多い時には10枚を超える版木を用い、25度にも及ぶ摺り重ねによって完成します。刷り終わった版木は保存しておくか、作品とあわせて一部を展示するしかなく、牧野は10年前には300枚もの版木を焼却処分しました。使命を終えた版木を別の方法でなんとか生かせないか。作品の木となった版木を裁断することは、版画家としての自らの命を削るにも等しい行為であることは確かです。それでも、そこには「伝えたい彫の技、色があった」と牧野は語ります。そして、たどり着いたのが「Block’s Art」でした。

鮮やかな発色が残る版木は、それだけでも美しく、観る者を牧野版画の世界へと惹きつけますが、この「Block’s Art」はまた違った魅力を持っています。ブロック状にした版木の組み合わせは、繊細な彫りの凹凸が波打つリズムを生み出し、折り重なる線と色は伝統版画の歴史的深みと光り輝くモザイクのような美しさを放ち、ひとつの作品としての完成度の高さを感じます。牧野の木版画作品に詳しい方なら、どの作品の版木かを考える楽しみもあるでしょう。

刷り上がった作品だけでなく、作品を制作する道具への愛情が人一倍深い牧野の思いが形となった「Block’s Art」。ブロックのひとつひとつに込められた、作品制作の物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。2003年に、文化の振興に貢献したとして文化庁長官表彰を受け、さらなる活躍が期待される牧野。月日を重ねるごとに輝きを増す、深淵な美の世界をご堪能ください。

画廊・ギャラリー

牧野宗則

料金:入場無料

※表示されている料金は全て税込みです。
※やむを得ない都合により、開催スケジュール及び内容が変更になる事があります。詳細は各主催者へお問い合わせ下さい。

オススメ記事