田名網敬一 回顧展「空中回廊(1975-1993…
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左)田名網敬一 /Velazquez-from "Las Meninas" B /1989年 /acrylic on canvas /145 x 145 cm
右)田名網敬一 /「もう一つの人工の楽園」立体シリーズG /1979年 /Wood, lacquer /H47.5 x W35.5 x D4.5 cm
(c)Keiichi Tanaami Courtesy of NANZUKA
日本のポップアートの第一人者で、サイケデリックな作風で知られるアーティスト、田名網敬一さんの70年代後半から90年代初めにかけての作品を集めた回顧展「空中回廊」(1975-1993)が7月11日(土)より、渋谷・NANZUKAで開催される。
田名網敬一さんは、1936年東京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業後、60年代に伝説的ロックバンド「モンキーズ」の『Pisces,Aquarius,Capricorn & Jones Ltd』(1967年)や、「ジェファーソン・エアプレイン」の『After Bathing At Baxters』(1967年)の日本版アルバムジャケットを制作、またアメリカのAVANT-GARDE誌主催の「反戦ポスターコンテスト」 にて、シルクスクリーンプリント作品「NO MORE WAR」シリーズを発表するなど、ポップアート及びサイケデリックカルチャーの日本への導入に重要な作品を残す。またアートディレクション、イラストレーションといったグラフィックデザインの枠に囚われず、アニメーション、実験映画そして絵画、彫刻作品まで幅広く手掛け、現代の可変的なアーティスト像の先駆者として、今なお、世界中の若いアーティストたちに大きな影響を与え続けている。
70年代後半から80年代の作品は、60年代半ばに開拓されたアメリカンポップスタイルからの脱却とも捉えることができる。田名網さんは、神秘主義、象徴主義的な関心を強め、この時期に数多くの木彫作品、ペインティング、プリント作品を制作。同時に実験映像作品の制作にも熱中し、「人工の楽園」(1975)や「幼視景 もう一つの虹色都市」(1979)、「夢型録」(1984)など、80年代半ばまでに25本もの作品を手がけ、数多くの国際展や映画祭で発表されている。
70年代半ば以降、映像のほかギャラリーでの展覧会も積極的に展開。76年、幼少期の原風景を視覚化させた『KODACHROME』シリーズによる個展「幼視景」(西村画廊)の後、77年に青画廊における個展「忘遠鏡」で最初の木彫による立体作品のシリーズ、79年に立体作品を含む個展「もう一つの人工の楽園」を発表。80年にギャルリー・ヴィヴァンで立体作品の新シリーズとシルクスクリーン作品による個展「擬景図鑑」を開催している。
木彫作品への関心は、幼児期の「積み木遊び」や「目黒雅叙園の底知れぬ迷宮体験」をきっかけのほか、1980年の中国旅行で再発見したアジア文化の影響も受けている。さらに81年に結核から胸膜炎を患い、生死の境を彷徨って約100日間の闘病生活を余儀なくされる。この時に病状で田名網さんは、『天から神が松をつたって降りるのを待つので、マツという』という何かの本で読んだ一説を思い出したという。以後、「金魚」とともに「松」は、田名網さんの作品の最も象徴的なモチーフとなる。「生と死」という普遍的なテーマが作品に宿るようになり、桃を抱き鶴に乗った寿老人、五彩の常磐松、蓬莱山のようなピラミッド、七色の海、象、千羽鶴など「おめでたい」モチーフと、生き物のように造形化された「松」、監獄のような「リング」や「檻」「男根」「裸婦」「骸骨」などのモチーフが同居するペインティングや、立体作品、プリント作品が次々と生まれている。
田名網さんは、80年代後半から90年代初めにかけ、「田名網敬一の楽園・空中回廊」(渋谷・西武シードホール、東京、1986)、「森の掟」(渋谷・西武シードホール、東京、1988)、「田名網敬一展」(アヌシー・シャトウ美術館、フランス、1987)、「田名網敬一の世界展」(池田20世紀美術館、静岡、1992)など数多くの個展を展開しているが、改めてその全貌を俯瞰的に捉えるべく、今回の回顧展を一部と二部に会期を分けて、その歴史を振り返る。
第一部(7月11日〜8月8日)は、「擬似庭園」というコンセプトの基に1977年より1992年にかけて制作された一連の木彫作品を配置したインスタレーション、ペインティング、プリント作品、実験映像作品を展示。続く第二部(8月29日〜9月26日)は、2004年にクリエイティブ集団「graf」とのコラボレーションで制作された大型の家具や、80年代のペインティング、プリント作品等を展示する。
田名網敬一 回顧展「空中回廊(1975-1993)」
〇会期:
第一部:2015年7月11日(土)—2015年8月8日(土)
第二部:2015年8月29日(土)—2015年9月26日(土)
○時間:11:00〜19:00/休館:日・月曜・祝日
〇会場:NANZUKA /渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB1F
○料金:無料
〇公式:http://nug.jp/
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