トーキョーワンダーサイト渋谷
「夜遊び」としてのアート鑑賞
東京都が運営するトーキョーワンダーサイト渋谷。作品展示のほか、コンテンポラリーダンスのイベントなど多様な企画も行っている。
現在、トーキョーワンダーサイト渋谷で開催されているのは、ブラジル系ドイツ人のジャナイナ・チェッペによる写真展。
ギャラリーコンシール・ギャラリーマネージャー ヒロさんのbookmarkは「トーキョーワンダーサイト渋谷」
マークシティ渋谷横の坂道にあるギャラリーコンシールでは、「プロアマ問わず、エッジなアーティストによる」作品展示を行っている。2004年に銀座から移転してきたこのギャラリーのマネージャー、ヒロさんのbookmarkは「トーキョーワンダーサイト渋谷」。「自分が今一番やってみたいことはロンドンの美術館などで体験した『サマーナイト』のようなイベント。夕方から夜にかけて中庭などを一般開放し、ジャズバンドを入れたパーティを行いつつ、展示スペースでは作品鑑賞もできるというように、『夜遊び』として美術鑑賞をするスタイルが確立していた。トーキョーワンダーサイト渋谷は立地がいいし、螺旋階段の上にロフトがある会場構成も上手くできていて、自分でも『サマーナイト』のようなイベントが企画できたらいいなと考えてしまう。ほかにも渋谷だったらBunkamuraのカフェテラスやマークシティのエントランス、NHK前広場などの屋外スペースでアートイベントができれば面白いと思う」。いわゆる“ホワイトキューブ”型のギャラリーでありながらサロン風のカフェを併設し、週末には朝4時まで「ギャラリーバー」としても営業をするギャラリーコンシール。最近ではカフェとギャラリーを併設するスペースをよく見かけるようになったが、「アートをどういう状況で見せるか」について意欲的な姿勢は、銀座で培った経験や実績があるからなのかもしれない。
GALLERY'S INFORMATION |
ギャラリーコンシールでは8月6日まで、現代美術家でドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤さんによる『B.I.G. LOVE!NARCISSUS!』展(写真右)が行われていた。ウィッグで装飾した白黒のイラストのほか、本物のタランチュラ数匹をガラスケースに入れて展示した過激なインスタレーションもあり、本展示のモチーフとなった映画『ピンク・ナルシス』の“妖しくも美しい”世界観をよく伝えている。最終日にはクロージングパーティも行われ、オープニングやライブペインティングなどの際にもギャラリーはイベント会場に姿を変える。渋谷と銀座での展示の違いについてヒロさんは、「銀座の頃は作り手の気概として『世に問う』感じの作品が多く、制作にも時間をかけたものが多かった。渋谷では短いスパンで展示の準備をするケースが多いので、全体的に情報が流れるのが早い。また、場所柄ファッション系の展示が多いが、ファッションの人のように『チーム単位』での制作になると、必然的に求めるものが高くなるので、高いポテンシャルを感じる」と渋谷の創作現場の一端を語ってくれた。 |
ギャラリー コンシール 営業時間:11:00〜23:00 BAR TIME(金土)24:00〜4:00 |
(2006年08月04日 17:54:00)