映画「闇打つ心臓」
記憶は時代を超えて
「闇打つ心臓」は4月8日にシネ・アミューズにてレイトショー公開される。監督は長崎俊一、出演は内藤剛志、室井滋や本田章一ほか、大友良英が音楽を担当し、カヒミ・カリィが主題歌を歌っている。
「café na.」の店主・松葉利香さんのbookmarkは映画「闇打つ心臓」
竹下通りと明治通りが交わる交差点にある古いビル「メナー神宮前」。ポップなサルのイラストが描かれた看板を頼りに階段を上がると「café na.(カフェ ナ)」がある。昭和50年に歌声喫茶としてスタートした店舗を8年前にカフェに改装し、デザイン学校時代からずっと渋谷・原宿近辺で過ごしているという松葉さんがお店を譲り受けて5年が経つ。その松葉さんのbookmarkは今春公開される映画「闇打つ心臓」。「お店によく来てくれる若手の俳優さんが出演しているので試写会を見に行きました。内容は20年前に撮られた同名の映画で主演した役者さんが、そのまま同じ役で出ているという実験的な作りで、『演じるとはどういうことだろう?』と考えさせられた。オリジナル版の場面では、撮影当時の前衛的な手法や風潮をお芝居から感じられるシーンがあって、懐古的な今の自分の気分と合っていてよかった」とのこと。「このお店は若い頃から来ていた人が今でも来てくれるのが特徴。みんな一緒に年を取っていってる感じ。このビルの地下には『龍の子』という有名な老舗の中華料理屋さんがあって、そこのオーナーシェフもずっと変わらない。上の階にある2つのバーとも仲がよいので、少し前に公園通りの『カフェビル』が流行ったように『バービル』も雑誌などで取り上げられたらおもしろいのに」と、移り変わりの激しい明治通りを見下ろしながら笑いとばす。手作り感のある家具や落ちついた雰囲気の内装は流行りのリノベーションスタイルのカフェっぽくもあるが、その使い込み具合はひとまわりもふたまわりも年季が入っているように見えた。
Shop's INFORMATION |
「café na.」のおすすめメニューは「薬膳カレーライス」(750円)。クコの実や松の実など、根菜がたくさん入った本格的なもの。ハーフサイズ(380円)もあり、好みで目玉焼き、納豆、ハンバーグといったトッピングも加えられる。バーと言ってもいいぐらい、お酒の種類も豊富に取り揃っている。また若手アーティストを中心とした展示や、不定期でタロット占い、インドの民族楽器を使ったライブなど、その時々で様々なイベントが行われている。店内には昭和の匂いを感じさせる古いリズムボックスが無造作に置かれ、オリジナルのイラストが描かれたマグカップや、カウンターの上のスナック菓子などがどこか雑多でアングラな雰囲気を醸し出している。看板のサルのイラストを描いたのは、イラストレーターの関谷学さん。 |
café na. |
(2006年02月10日 10:00:00)