渋谷は空虚だけれど、生命力あふれる街
一生付き合っていく特別な思いのある場所
2003年、I WiSHとしてあいのりの主題歌「明日への扉」でデビュー。オリコンシングルチャートで2週間連続1位、90万枚以上のセールスとなり、一躍有名に。2005年、川嶋あいとしてソロ活動が本格的にスタート。2007年、フジテレビ系「あいのり」主題歌“My Love”、劇場版「ワンピース」主題歌「compass」など大型タイアップ曲を立て続けにリリース。昨年12月12日には、ファイナルファンタジーのキャラクター“チョコボ”が活躍する「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」(任天堂Wii対応ソフト)のテーマソングで、5枚目のシングルとなる「ドアクロール」を発売。また、女優“みつきさん”の2ndシングル「瞳ひらいて」の楽曲プロデュースを行うなど、シンガーソングライターとして幅広く活動している。
--川嶋さんがくじけそうになったときに、心の支えになったものは何ですか?
人の力が大きかったですね。周りの温かさに触れて、ほんとに少ない人数ではあるんですけれど、ちょっと声をかけてくれたり、励ましてくれたりする人がいると、その人たちのためにも「やり続けないと」という気持ちになって。あとは気の持ちようだと思います。何が何でもやってやる!っていう…。私が始めたころって、キーボード弾き語りスタイルってすごく少なかったんですね。ちょっとインパクトのある、記憶に残るようなメロディーを残しておいて、次回また見にきたときに「ちょっと気になっていた」と思って聴いてくれる、というのもあると思います。あとは回数もあるんじゃないですかね。ひたすらやり続ければ、少しずつだけれど、ファンの人たちができてくると思います。
--ブログが出てきたころに、うまくシンクロしていたことも大きかったですか?
そうですね。ホームページの作り方を、知り合いの人でネット系に詳しい人に教えてもらって、自分で作って、日記を書いたり、BBSの返信も直にやっていました。チャットとかも、ずっと絶え間なく会話が繰り広げられていましたね。そういう交流を、かっこつけないで触れ合ったりする心がすごく大事。だから好きなアーティストがいたときに、ネットを通してどんなことやってるんだろうとか、近い距離でその人のことを知れるというのがファンにとってはすごくうれしいことだと思います。だからこそどんどん普及してきているんだろうなと感じます。そこのつながりは、路上ライブをやっている人たちに特に大切にしてほしいなと思いますね。
--今の若者に何かアドバイスはありますか?
今はやっぱり若い人たちが活気づいている時代で、でも活気づいているけど、すごくやりたいことが見つからないとか…根本的な深い悩みもあったりする時代だと思います。渋谷でライブをしていたので、そうした悩みを手紙でもらったことも多く、一番強く早く感じることができました。そうした部分は現代病みたいな感じだとは思うんですけれど、まず冷静になってみて、「自分が楽しいと思えることって何?」って聞いてあげたいですね。何かやりがいを感じたり熱くなれること…小さなことでもいいので必ず一つは見つかると思います。あとは子供のころに描いていた夢とか、そういったものを思い出して掘り起こしてみて、そこから自分に合う物を探していく、選んでいくのもいいですね。そして、そこに向かうためには踏み出さないといけないから、その勇気があれば見つかっていくと思いますし、それが夢になって目標になっていくと思いますね。
--未来の渋谷の街に、どんなことを望みますか?
ゴミがあったり怪しさがあったりして、ちょっとダークな部分はあるんですけれど、でもそれを覆すぐらい明るく活気づいた「波」が渋谷の街には流れているので、変わってほしくないところの方が多いです。少しでも改善していくために、一人一人が具体的に考えて実行していくことができたら、きっともっといい街になっていくのかなとは思います。渋谷の街に関することで参加できることがあれば、何でもやっていきたいですね。渋谷はほんとに特別な思いのある場所なので…。一生付き合っていく場所なんだろうなと思います。
「Ai Kawashima Concer 2007 足あと」&「ドアクロール」
(左)目標だった渋谷公会堂(当時)でのワンマンライブを実現した2003年8月20日以来、4年越しとなる同日(2007年8月20日)・同会場(現・渋谷C.C.Lemonホール)で行ったライブの模様を収めたDVD「Ai Kawashima Concer 2007 足あと」。全楽曲を収録し当日の会場の熱気をそのまま伝える。(TRDL-0004)4,200円
(右)昨年12月12日にリリースされた川嶋あいさんの最新マキシシングル「ドアクロール」(TRAK-0078)1,155円
川嶋さんの22歳の誕生日を記念して、思い入れの深い渋谷C.C.Lemonホールで行うアニバーサリーライブ。 |