1947年生まれ、香川県高松市出身。劇団「WAHAHA本舗」主宰・代表取締役・演出家・放送作家。日本大学芸術学部在学中に永六輔主宰の作家集団に所属し、テレビ番組「ゲバゲバ90分」で放送作家デビュー。以降、「コント55号のなんでそうなるの」「たけしの元気が出るテレビ」「爆笑問題のすすめ」など、数々のバラエティー番組の制作に携わる。1984年に佐藤正宏、柴田理恵、久本雅美らと劇団・芸能事務所「WAHAHA本舗」を創立し、全作品の作・演出を手掛ける。現在は、テレビや舞台、コンサートの構成・演出以外にゲームや本、ビデオなど様々なメディアで活躍するほか、映画・漫画・フィギュア・ピンバッチのコレクターとしても知られる。
--渋谷と演劇の関係はいかがでしょうか?
以前、渋谷のとあるライブハウスの経営の相談に乗ったことがありましたが、やはりスポンサーが少ないんですね。下北沢でいう本多劇場の本多さんみたいに、文化発信に情熱を持つ人が少なかったのかもしれませんね。家賃が高いということもあるんでしょうが、そういう覚悟の人が少なかったのではないでしょうか。自分の劇場だけでなく、渋谷の街全体に人を寄せようという発想を持てる人や企業が主導になってくれればできるかもしれませんけれどね。裏道などにミニシアターみたいな系列の劇場がもう一つ二つあると、本当の意味での若者文化となっていくんじゃないでしょうか。センター街には「ヨシモト∞ホール」もありますが、一つの企業だけでなく、いろんな劇団が使える劇場が必要だと思います。
--渋谷の演劇シーンを盛り上げるためには?
まずは300人とか150人ぐらいのキャパシティの劇場が必要でしょうか。それと、そこを拠点として使う若者でしょうね。50人ぐらいの劇場だったら使いたがる人は多いからすぐ埋まりますよ。だけど芝居小屋の経営って、経営はできるけど儲からないんですよ。経営効率よりも、若い人が来て街全体が潤うということに魅力を感じる、大きな発想ができる経営者が必要でしょうね。あとは劇場専門でないライブハウスや貸しスペースなどでお芝居をすることもありますから、そういうイベントを網羅するような情報誌などもあるといいですね。
--渋谷の課題、問題点などはありますか?
渋谷はあれだけ人がいる割には平和だと思いますが、若い人がキレやすくなっていることは怖いですね。人の意識に働きかけるのも街作りですから、大人も責任感を持つことが必要かもしれません。例えば井の頭通りのあたりはバスや車も通るし、人も多いしで中途半端な感じですよね。思い切って車が通れないようにするとか、人と車の導線を切り分けることができたら、街は一変しますよ。お母さんが子どもを連れて行ける街になるんですよね。また、新しくできる文化会館の跡地にはミュージカルホールができるそうですが、若い人は離れていっちゃうかもしれませんね(笑)。そこには、クラシックもあれば先鋭的なものまで、演目を工夫して実際に人を呼べるプロデューサーが必要ですよね。お客さんを呼ぶのと勝手に寄って来るのとは違いますからね。
--これからの渋谷はどのような街になって欲しいでしょうか?
やはり古いものを残しておいて欲しいですね。外観は変わってもいいから、新しいビルの中で老舗のお店が残るとか…そういうことでしょうね。街は変貌していくものなので仕方がないけれど、残す意識が大事でしょうね。WAHAHA本舗もどうなるかわかりませんが、渋谷から動きたくなるような場所もないですし、居心地はいいですよ。追い出されることはあるかもしれませんが(笑)。
--これからのWAHAHA本舗としての活動を教えてください。
まずは「人生の同窓会」として僕の生前葬を行います(笑)。お葬式っていうのは実はお祭りなんですね。お年寄りの方たちが生前葬をもっと一般的にできるようになったら面白いと思いますよ。それと、面白いのに相手にされない「見捨てられた人たち」を集めた「ショービジネスの作り方」というイベントを2カ月に1回ぐらい開催しています。規模は小さくてもいいから「こんな面白い人がいるんだ」ということを伝えていきたい。「何だかわからないけど見てみたい」という文化を作りたいですね。
「WAHAHA本舗祭」WAHAHA本舗社長 喰始の大生前葬!
人生の同窓会としての「生前葬」をテーマにした公演。喰始さんは「まだ生きている故人」として出演する。
出演:2007年最初で最後のWAHAHA本舗総出演!&喰始60年間の人脈の方々!
公演日:2007年12月7日(金)〜9日(日)
会場:新宿シアターアプル 東京都新宿区歌舞伎町1-19-1
TEL:03-3209-0222
料金:前売香典¥5,000、当日香典SS席¥5,800 ※税込、全席指定席