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KEY PERSON キーパーソンが語る渋谷の未来

渋谷を中心に活躍する【キーパーソン】のロングインタビュー。彼らの言葉を通じて「渋谷の魅力」を発信します。

「ギャル革命」を通じてギャルと渋谷のイメージを変えていきたい「ギャル社長」として、度々メディアに登場する藤田志穂さん。今年5月に渋谷109にアパレルショップ「REVROSSA CLARITY」をプロデュースするなど、商品プロモーションやギャルマーケティング、イベント企画を行う一方で、今年2月、エイベックスからメジャーデビューを果たし、「sifow」の名でアーティストとしても忙しい日々を送っている。藤田さんに「ギャル」の視点から見た渋谷についてお話を伺いました。 ギャルのイメージを変えたいと思って会社を作りました。--藤田さんと渋谷との出会いは?
小学2年生のときにバレエを始めて、レオタードを買いに来たのが最初の記憶ですね。地元の千葉とは違って、あちこちに面白い店があるなぁと思いました。意識して遊びに来るようになったのは中学生の頃。「かわいい洋服が109にあるらしいょ!」という情報を雑誌などで知って。高校生になると渋谷で知り合った友達が増えたので、地元でバイトをする合間を縫っては友達に会いにセンター街に来ていました。地元の友達も一緒に連れてきて合流したり、その後、「ギャルサー(ギャルが集まるサークル)」になることもあったり。渋谷って面白いなと思うのは、新しいモノがたくさんあるのと同時に、自分から「発信」したり、多くの情報を「受信」できる街であること。中高生の頃はあまり意識していなかったけど、例えば一般の読者モデルから流行が生まれるときにも「渋谷発」と言われると、しっくりとしますよね。その辺りが新宿や池袋との大きな違いじゃないでしょうか。

--「ギャルサー」って、どんな活動をしているのでしょうか。 一言で言うと「熱い子の集まり!」。サークルって言ってもいろんなサークルがあるんです。例えば「イベサー(イベント・サークル)」の場合は、いろんなクラブでイベントを企画したりもします。音楽を楽しんだり、パラパラ踊ったり・・・イベントではいろいろな遊びが含まれています。大きいイベントになると都内の何十ものサークルが毎週ミーティングに400人くらいが集まって1つのイベントを成功させるために頑張っていますよ。イベントを開かずに和むだけの「ナゴサー」なら、喋ったりボーリングをしたり、旅行やキャンプに行ったり。ある意味、渋谷が学校みたいなものですね。若者はコミュニケーション不足だとよく言われますが、逆です。ケータイで密に連絡を取っているし、仲間意識強いし、高校を卒業しても関係は切れませんよ。

--「ギャル革命」を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

やっぱりギャルって良くないイメージがあると思うんですよ。うるさい、汚い、だらしない、とか。そういうのって、すごく悔しいなと思って。じゃあ私には何ができるのかと考えて思いついたのが会社を作ることだったのです。ギャルが渋谷で会社を立ち上げて成功すれば、きっとギャルに対する見方も変わるはずだと思って。でもまだまだ、若い子がタバコを吸っているとか、うるさいとか、ナンパが多いとかマイナスイメージがありますよね。確かにそういう原因を作る子も中にはいますけど、実際大人の方でも、「渋谷だからいいか」とポイ捨てする方も多いんじゃないかなと思ってしまう事もあります。悪いという事を周りが注意してもあまり意味はなく、本人が「これはダメな事なんだ!」と気付くかどうかの問題ですので時間はかかるのですが、私なりに出来る事を徐々にしていきたいなと思っています。そこで私は週に1回必ず、会社のスタッフと一緒に公園などの清掃をしています。そうした考えを、私の「★☆ギャルの革命☆★」というブログに書いたら共感してくれるギャルたちが集まってくれたり、「くろ団」という会社設立当時から一緒にギャル革命を掲げてくれるメンバーが全国に400人近く集まって、月1回、それぞれの地域のメンバーが集まって街の清掃をしています。各地域が同時に清掃することになっていて、「今、大阪のメンバーは集合しました!」とか、写メールを送り合いながら楽しくやっています(笑)。


--くろ団は誰でも入れるのですか。 とくに年齢制限はありません。高校生が中心ですが、20代半ばの「ギャルママ」もいますし、小学生で入りたいという子もいます。でも、一応「十ヶ条」があるんですよ。「時間を守れる」「社会的ルールを守れる」「熱いことが言える」「夢を持てる」とか。それを声に出して言えれば入団できます。「今は熱いことを言えないけど、言えるようになりたい!」とか言う子もいて、むしろそれが熱いなぁと思ってジーンと来たりしますね。でも話を聞いていると夢を持ちたいけど持てないという子は多いですね。私も以前そうでしたが、世の中にどんな仕事があるかわからないんですね。だから私は4年後を目標に学校を作りたいと思っているんです。そこに通えばITや飲食や音楽や建築など、あらゆる職業が知れて、その後夢を見つけ出せるような学校。「やっぱり渋谷に開けたらいいな!」と思っています。


先に苦労している大人たちの意見は説得力がある。--ギャル革命を始めて変わったことはありますか。
最初の頃、公園に行ったら先におじいちゃんやおばあちゃんが清掃をしていたんですね。「手伝いますよ!」と言ったら、私たちの派手な格好を見て「そんな爪でやる気があるのか」みたいな感じで、ちょっぴり冷たい感じでした・・・。それでも毎週通ううちに、「毎週来て偉いね!」とゴミ袋をくれたり、全員分のジュース代を渡されたりして、普通に会話を交わすようにもなりました。小さいことかもしれませんが、「やり続ける事」「想いを伝え続ける事」が大切なのかなって。これって一つの革命ですよね。そしてこれからも少しずつギャルのイメージを変えていけたら嬉しいですね。

--今年5月に渋谷109のアパレルショップ「REVROSSA CLARITY(レイクラ)」のプロデュースを手掛けましたね。 「今までにないアパレルショップを作ろう」ということで、お話をいただいて始まりました。それで、商品を提供するだけでなく、お客さんの意見を取り入れて一緒にショップを作っていこうというコンセプトを決めたんです。そこでコミュニティー・スペースを設けていろいろな人の意見を聞いたり、くろ団のメンバーの考えを取り入れたり、みんなが参加できるように仕組みを整えました。実際にオープンしてみて予想外だったのは、ギャルだけでなく、もう少し年上の人にも来店してもらえていることですね。当社のファッション担当社員はギャルサーの元代表ですから、ギャルが作ったものを年上の人にも認めてもらえたことは、一つのギャル革命なのではないかと喜んでいます。

--さらにアーティストとして7月26日に新曲「LOVE&PEACE」をリリースしましたね。

そうなんです。夏をイメージしたアゲアゲでノリノリな曲で、歌詞にも聞いているだけで元気になれる言葉を選びました。何をするにしても楽しまなければ、愛もフェロモンも生まれないんじゃないかという思いがあって。この曲を聴いて、そういう楽しい気分になってもらえると嬉しいですね。sifowとしての自分も、普段の「社長」としての自分も、前向きな言葉をたくさん表現したいという気持ちは変わりません。が、sifowのときには21歳の素の自分をより前面に出していきたいと思っています。私が好きな言葉は「有言実行」。言ったからには「やるよ!」って、自分にも他人にも思う。そういう人って見ていると格好いいと思うんですよね。


--今後、渋谷はどのような街になってほしいと思いますか。 渋谷に行けば「全てが解る!」。自分というのもを最大限に出せて、最先端の情報収集できる街!そして夢が見つかるという「ディズニーランド」のような街になってほしいですね。今は若者の街というイメージがありますが、大人も子どもも赤ん坊も楽しめる街になれば、それこそ「最強」なのではないでしょうか。いろんな年齢の人がいると、刺激が生まれますよね。私自身、自分がこれからいろんな事を教えていきたいし、一杯苦労しなくちゃいけない。10年間を先に過ごしてる方や苦労している人とか、そういう人が言った言葉にはすごく説得力を感じます。でも逆にギャルみたいな子の突拍子もない考えを「そういう考え方もあるのか!」と思ってもらえると嬉しいし、面白いですよね。新しい事が生まれると思うんですよね。そして渋谷って新しい常識を作りたいと思っている人が多いと思うんですよ。面白いことが大好きでいつも求めているから、自分の基準を他人に押し付けたりもしない。そういう人が集まるからこそ、良い意味での刺激が得られる街なのだと思います。

■プロフィール
藤田志穂さん
2005年4月にシホ有限会社G-Revoを設立。ギャルマーケティングや商品プロモーション、またイベント企画や楽曲の制作管理など幅広い業務を展開する。さらに渋谷109にアパレルショップ「REVROSSA CLARITY」をプロデュースする一方で、「sifow(シーフォウ)」として音楽活動も行っている。

LOVE&PEACE ■「LOVE&PEACE」 7月26日、藤田さんが「sifow」としてリリースした最新シングル。日本テレビ「スポんちゅ」のエンディングテーマにもなっている。

★☆ギャルの革命☆★

シホ有限会社G-Revo

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