レコメンド 今週、編集室が推薦するカルチャー

今年に入って2週間。 正月休みに、久々に帰省をして羽根を伸ばしたり、家族と再会してその良さを実感した人も多かったのでは?その一方、兄弟やその家族などとの親戚づき合いや、義理の実家を訪ねて気疲れをしたという人、中には「もう何年も実家に帰っていない」など家族関係が希薄な人もいるかもしれません。「家族」と言っても、それぞれが抱える事情は様々。年初めは、そんな風に家族との絆や関係を思い起こし、自分のルーツを改めて認識させられることが多いのではないでしょうか。
今回は、渋谷で公開中・公開予定の作品から、「家族」をテーマにした映画をピックアップ。離れてもなお思い合う母子、お互いの思いがすれ違う親子、血のつながりのない家族ーーー様々な思いを抱えて寄り添う人々のあり方を通して、あなたにとってかけがえがない「家族」を確かめてみて下さい。

家族×母子愛

タイトル
しあわせカモン
上映場所
ヒューマントラストシネマ渋谷
上映期間
2013年1月26日〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
中村大哉
出  演
鈴木砂羽、石垣佑磨、今井雅之、沢田亜矢子、大和田伸也

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日本/2009年/117分/配給:アークエンタテインメント/©2012 TCエンタテインメント


ヒューマントラストシネマ渋谷では1月26日から、様々な事情で「お蔵入り」した日本映画から良作を発掘する第一回「お蔵出し映画祭」のグランプリ作「しあわせカモン」がスタートします。故郷岩手を中心にカリスマ的人気を誇るミュージシャン松本哲也さんの母親との半生に基づいて生まれた同作。ヤクザとの結婚や薬物依存という波乱の人生の中で、ひたすら「しあわせになりたい」と願う母親と、愛情に飢えるがゆえに非行を重ね、やがて「歌うこと」に希望を見出し、絆を深めていく息子。遠く離れていても愛を求め続け、絶望の淵に追いやられても嫌いになれなかった2人。そのすれ違いと和解、喪失の痛みと再生の喜びに満ちあふれた20数年間に、普遍的な「母子愛」が浮かび上がります。

家族×現代社会

タイトル
東京家族
上映場所
渋谷シネパレス1・2
上映期間
2013年1月19日〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
山田洋次 
出  演
橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子

バビロン2-THE OZAWA-

2012年/日本/配給:松竹/©2013「東京家族」製作委員会


渋谷シネパレスでは1月19日から、「息子」「男はつらいよ」シリーズなどで家族のあり方を見つめ続けてきた山田洋次監督の最新作「東京家族」が始まります。高度経済成長目前の東京を舞台に、家族の風景を切り取った小津安二郎監督作「東京物語」をモチーフにした同作。つれない子供たちの態度に、仕方ないと思いながらも淋しさを抱く父と母。親を気にかけながらも仕事に追われる長男と長女、いくつになっても口うるさい父親につい反抗してしまう次男。大切なのに煩わしい。誰よりも近いはずなのに、時々遠くに感じてしまう。3.11を経験し、大きな変化の波に飲まれていく東京を舞台に垣間見える、現代の家族の姿とは−−。

家族×擬似家族

タイトル
しんしんしん
上映場所
ユーロスペース
上映期間
2013年1月12日〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
眞田康平
出  演
石田法嗣、我妻三輪子、奥津裕也、神楽坂恵、坪井麻里子、中村有、佐野和宏、洞口依子

しんしんしん

2010年/イギリス/94分/配給:エスパース・サロウ/©CHANNEL FOUR TELEVISION/UK FILM COUNCIL/EM MEDIA/OPTIMUM RELEASING/WARP X/INFLAMMABLE FILMS 2010


ユーロスペースでは現在、東京芸術大学で黒沢清監督に師事した眞田康平監督の初長編「しんしんしん」が公開されています。はっぴいえんどの名曲「しんしんしん」にインスピレーションを受けてオリジナル脚本を描き上げたという同作。登場するのは、行くあてがなく血の繋がりもない人々が寄り集まったテキヤの「家族」です。作中では新たなメンバーが家族に加わったり、彼らが身を寄せる「家」が取り壊されたり。そして帰る場所を失った彼らは、それぞれの行き先を見つけるためにトラックで巡業の旅にでます。崩壊した擬似家族が、お互いを思って集まって寄り添って。「家族」の意味ってなんでしょう?


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