忘年会、クリスマス、大掃除、お正月…過ぎ去っていく一年を振り返り、新たな年を迎え入れる年末年始がやって来ました。今年は3月に東日本大震災が発生し、例年以上に大切な人のことを思い浮かべる時間が多い一年だったのではないでしょうか。家族、友人、恋人など、身近な人とつながりを持つことで、乗り越えることができた経験も多くありました。
今回は、渋谷で公開中、公開予定の作品から、男女の恋愛関係が、人生の思わぬ糸口をたぐり寄せた映画をピックアップ。大切な人と一緒に映画館に足を運んで、改めて2011年を振り返ってみませんか?
- タイトル
- ミラノ、愛に生きる
- 上映場所
- Bunkamura ル・シネマ
- 上映期間
- 2011年12月23日〜
- 上映時間
- 11:15/14:00/16:45/19:20
※12/31(土)の19:20の回は休映、1/1(日)は休館。 - 監 督
- ルカ・グァダニーノ
- 出 演
- ティルダ・スウィントン、フラヴィオ・パレンティ、エドアルド・ガブリエリーニ
今年7月から設備改修工事のために休館していたBunkamura ル・シネマでは、リニューアルオープン第1作として12月23日より、ミラノの裕福な家庭の光と影に迫ったイタリア映画「ミラノ、愛に生きる」がスタートした。
主人公エンマは旧ソ連に生まれ、必死でイタリア語を覚え、二男一女を育てあげた女性。上流階級の生活に馴染もうと努力し、それなりに満足した生活を送ってはいたが、居場所のない疎外感はぬぐえなかった。子供たちが次第に自立していくなかで、エンマはありのままの自分を受け入れてくれる息子の友人・アントニオと恋に落ちる。許されない恋にエンマの抑圧していた情熱が解き放され、家族は崩壊。そして一家は新たな道を踏み出すのだった…。「母」と「女」の2つの表情に揺れ動く女性の心の旅が、巨匠ヴィスコンティを彷彿とさせる華麗な映像美に描かれる。
シネマライズでは12月23日より、今年のカンヌ映画祭「ある視点」部門でオープニング上映された異才ガス・ヴァン・サント監督の最新作「永遠の僕たち」が封切られた。
同作の主人公は、死にとらわれた少年と余命3ヵ月の少女。交通事故で両親を失い、臨死体験をした少年は、他人の葬式をのぞいて歩くことが日常。そこで余命3ヶ月と告げられた少女・アナベルと出会い、「死」が2人を結びつけることに。生きるとは?愛するとは?秋から冬へと向かう鮮やかな街の景色の中、わずかな時間しか残されていないふたりが展開する奇妙で甘く切ないラブストーリー。また主人公の友人で、日本兵の幽霊役として加瀬亮が出演している点も見逃せない。
2012年1月14日より渋谷シネクイントで公開がスタートするのは、「恋の罪」が11月に公開されたばかりの気鋭監督・園子温の最新作。初めての原作モノとなる今回、「原作は本当に自分の好きな作品で」との思いで古谷実原作の人気コミック「ヒミズ」を映画化した。
「普通」の大人になることが願いの少年は、夢も持たず、誰にも迷惑をかけずに生きたいと願っていた。一方で愛する人と守り守られ生きることが夢の少女は、大人びた雰囲気の少年に猛アタック。そんな中で蒸発していた少年の父親が戻り、家庭は崩壊。母親は駆け落ちし、15歳で天涯孤独の身となった少年は、「ある事件」をきっかけに、夢と希望を諦め、深い暗闇を歩き始める。巨大な絶望を乗りこえ、少年と少女は希望という名の光を見つけることができるのか…。