東日本大震災から2カ月以上が過ぎ、日に日に明らかになる福島第一原発事故の情報に、不安や憤りを覚える人も多いのではないでしょうか?東京に住む私たちにとって電力が日常生活の生命線の一つだということは、震災直後の交通網の麻痺や計画停電を通して強く実感することとなりました。一方で当たり前に享受してきた原子力発電が、想像をはるかに超えるリスクを抱えていたということも明らかに。何も知らずに多くの危険と共存してきた訳ですが、一方でそういったリスクをかねてから指摘してきた組織や組合の存在も。今ごろになって「聞いてない、知らなかった」と訴えることも大変重要ですが、もしかしてこんな状況になるまで「地方」「原子力」「都心での電力の大量消費」の抱える危ういバランスを見過ごしてきた私たちにも責任があるのでは?
今回は、現在渋谷で公開中の作品から、私たちが当たり前に受け入れているあらゆることを、別の角度から斬り込むことで全く違った風に見せてくれる作品群をピックアップ。今後の私たちの希望あるライフスタイルに向け、選ぶべき視点はなんでしょうか?
シアターN渋谷では5月28日より、気鋭の若手経済学者が「常識の裏側にあるホント」を解説した同名著作を、5組の映画監督がそれぞれの視点で捉えたドキュメンタリー短篇集「ヤバい経済学」が公開されます。「被験者」に選ばれたのは日本の相撲界や、アメリカの高校など「経済学」とは一見程遠い日常スポットの数々。作中では、大相撲「八百長」問題への回答を勝敗率から炙りだすなど、経済学的見地を導入することで、これまで当たり前のように使ってきた物の見方をガラリと転換させてみせます。視点を少し変えてみるだけであっさり違った様相を呈する「常識」のあり様に、あなたは何を思いますか?
UPLINK Xでは5月21日より、「本当の幸せとは?」を探るドキュメンタリー「幸せの経済学」が公開中。これまで世界では「GNP(国民総生産)」や「GDP(国内総生産)」など、経済成長率をもとに国の豊かさを計ってきました。その結果、世界の様々な地域に「開発」の波が押し寄せて消費社会が促進。同作ではローカリゼーションをキーワードに、そうして失われたコミュニティの伝統的な暮らしを見つめ直します。世界の環境活動家たちは、民族紛争、異常気象、失業など、グローバリゼーションの拡大によって引き起こされた様々な問題を提起。豊かさとは、経済成長率だけでは計りきれないことが明らかにされた現代、私たちはどうやって本当の幸せを手にいれればよいのか。東日本大震災からの「復興」を目指す私たちにとっても身近な問題として心に迫ります。
- タイトル
- もしドラ 〜もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- 上映場所
- 渋谷HUMAXシネマ
- 上映期間
- 2011年6月4日〜
- 上映時間
- 上映時間の詳細は劇場までお問い合わせ下さい
- 監 督
- 田中誠
- 出 演
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前田敦子、瀬戸康史、峯岸みなみ、池松壮亮、川口春奈、大泉洋
渋谷HUMAXシネマでは6月4日より、130万部を超える同名ベストセラーを映画化した話題作「もしドラ 〜もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を公開します。同作は、世界最高の経営思想家とされるピーター・ドラッカーが説く経営学を、甲子園を目指す女子マネージャーの視点からわかり易く紹介するビジネス書兼青春小説。同作では、経済学を用いて俯瞰的な視野から捉えてきた諸問題を、実際にその構成メンバーがどのように対応していくのかよいのかを紹介。いわば「応用編」とも言える同作を通して、あなたはどうやって問題に取り組みますか?