シネマヴェーラ渋谷では10月13日より、特集上映『子供たちの時間』を開催する。誰もが経験したことのある少年時代の冒険を描いて青春映画の金字塔となった『スタンド・バイ・ミー』を筆頭に、『友だちのうちはどこ?』『ヴァージン・スーサイズ』『誰も知らない』 『小さき勇者たち〜ガメラ〜』 『鉄コン筋クリート』など、和洋を問わず多感な子どもたちを瑞々しく描いた18作品を上映する。また、シネ・アミューズ・イースト&ウエストでは、盲目の少年が「音」を通じて生きる喜びを体感するという、実話に基づく映画『ミルコのひかり』が公開され、好評を博している。
ユーロスペースでは、最新作『めがね』が公開中の荻上直子監督による『バーバー吉野』が公開中。和製『スタンド・バイ・ミー』との呼び声もあり、少年から大人に移ろう瞬間を独特の空気感で描いている。『UPLINK FACTORY』で公開される『無認可保育園 歌舞伎町ひよこ組』は、昔気質のヤクザが保育園の園長に任命され、気ままな子どもたちに振り回されながらも絆を深めるというユニークな映画だ。見る者の心に残る名作を数多く産みだしてきた「子どもたちの映画」。少年少女の頃を思い出すような出来事や感情に浸るのも、子役から大人の役者へと成長する子どもたちの生き生きとした演技を見守るのもまた楽しい。
|
|
数々の映画で忘れられない存在感を放ってきた子どもたちに焦点を当てた特集上映。予定されている上映作品は『スタンド・バイ・ミー』『友だちのうちはどこ?』『先生のつうしんぼ』
『転校生』
『ションベンライダー』
『100人の子供たちが列車を待っている』
『風の又三郎 ガラスのマント』
『少年、機関車に乗る』
『青い凧』
『流星』
『ヴァージン・スーサイズ』
『どこまでもいこう』 『バーバー吉野』 『父、帰る』
『誰も知らない』
『ローズ・イン・タイドランド』
『小さき勇者たち〜ガメラ〜』 『鉄コン筋クリート』の18作品。 「子供たちはいつでもスクリーンの中の特別な存在であり続けています。数々の映画を輝かせてきた子供たちの姿をもう一度その目に焼き付けてください。」(シネマヴェーラ渋谷) |
|
|
1971年イタリア、トスカーナ。映画をこよなく愛する10歳の少年ミルコは不慮の事故によって、両眼の視力を失ってしまう。両親と離れ全寮制の盲学校へ転校させられ、自分の目が見えないことを受け入れられずに心を閉ざすミルコ。だがある日のこと、偶然見つけた古ぼけた一台のテープレコーダーから知った音との出会いが、彼に新しい世界をもたらしていく──。 「イタリアで活躍する映画音響技師ミルコ・メンカッチの少年時代を映画化した作品です。『目の見えない少年』が主人公というと暗い映画を想像されがちですが、明るい笑顔とやさしい音に満ちた作品です。どんな逆境でも夢を失わないミルコと彼を応援する人々の姿に、大げさかもしれませんが、生きるっていいなと思わされます。子供たちが作り出す『音劇』も清々しい感動を与えてくれますよ。」(シネカノン/境さん) |
山の新緑が見事な稜線をつくる、美しい、小さな田舎町。床屋の「バーバー吉野」のおばちゃん(もたいまさこ)が刈る、“吉野ガリ”がこの町の男の子のシンボル。その伝統はもう100年以上も続いている。そんな奇妙な髪型を、誰ひとり疑問に思っていなかった小さなこの町に、東京から転校生がやって来たことで事態は一変するのだった…。 |
|
|
亡くなった大川組組長の遺言が、後家になった峰子(余貴美子)から言い渡される。跡目は工藤準次(小沢仁志)に引き継がれるものと本人他、組員達も思っていた。しかし、その遺言状には「工藤準次園長を任す」と書かれていた。「歌舞伎町ひよこ園」は先代の密かなシノギ。先代の意思には逆らえない、厳しい任侠世界。準次はやむ無くひよこ園を訪れる。しかし、そこには園児たちによる地獄のような光景が広がっていた。昔気質のヤクザ、準次の前に最強の敵が現れた…。 「生粋のヤクザが組長の遺言で保育園の園長をやることになってしまう。そんな突飛な設定ながらも、小沢仁志が演じることでリアリティーを与えていて、違和感がない。園児とのやり取りを嫌がっていたヤクザが次第に保育園運営にのめり込み、男のスジによってイジメ問題なども解決していく様はまさしく男の子育て。そして、園児に翻弄されつつも次第に心を通わせていく姿は可笑しいのに、不思議な感動がある。」(楽映舎 宣伝部/鎌田さん) |