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CULTURE × SHIBUYA 編集室がオススメする3作品

「映画」「アート」「イベント」「ライブ」「ステージ」など、渋谷で公開、開催を予定するカルチャー情報の中から、編集部オススメをピックアップ。

今回のテーマ

恋愛の行く末

満たされたり調子に乗ったり嫉妬したり落ち込んだり、相手からの返信を待って眠れなかったり、約束を破って嘘をついたり。恋愛とは、相手を思う気持ちが強ければ強いほどこれまで感じたこともないような様々な感情を教えてくれ、思いもよらない行動へと導いてくれる人生経験の一つといえるだろう。今回は、そんな恋愛感情を、「性欲」「動物」「お金」というそれぞれユニークな視点で切り取った映画作品をピックアップ。 いずれも極端な物語のように思えるかもしれないが、だれしも誰かを好きになったとたんに見慣れた日常に豊かな色彩が生まれ、誰かにふられたとたんに先々の人生が真っ暗闇に思えたりした経験があるのでは? そんな私達の素直な恋愛感情は、突き進めばどこに行くのか。果たしてあなたは、極端な愛の形を描いた3本を、落ち着いて、他人ごととして見ていることができるだろうか?

今月のオススメ

ニンフォマニアック Vol.2

画像
2013年/デンマーク=ドイツ=フランス=イギリス/123分/配給=ブロードメディア・スタジオ/©2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KÖLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINÉMA
タイトル
ニンフォマニアック Vol.2
上映場所
ヒューマントラストシネマ渋谷
上映期間
2014年11月1日(土)〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
ラース・フォン・トリアー
出  演
シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド、ステイシー・マーティン、シャイア・ラブーフ

ヒューマントラストシネマ渋谷では11月1日から、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した鬼才ラース・フォン・トリアー監督の最新作「ニンフォマニアック Vol.2」が公開される。
女性のセクシュアリティをテーマにした同作。8つの章立てを2部作として構成し、前半ではヒロインの思春期から20代にかけての冒険を、後半ではその後の堕落と苦悶の日々を展開。自らを色情狂と認める女性の半生を描きあげた。
凍えるような冬の夕暮れ、年配の独身男セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、裏通りで怪我を負って倒れている女性ジョー(シャルロット・ゲンズブール)を見つけた。彼は自分のアパートでジョーを介抱し、回復した彼女に尋ねた。「いったい何があったんだ?」するとジョーは自身の生い立ちについて赤裸々に語り始めた。 それは、幼い頃から“性”に強い関心を抱き、数えきれないほどのセックスを経験してきた女性の驚くべき数奇な物語だった……。
国際的な受賞歴を誇る一方で、挑発的かつアイロニカルな作風でも知られるトリアー監督。摩訶不思議で底知れない「性」を通して人間の「生」に迫った映像世界に魅了されたい。

馬々と人間たち

画像
2013年/アイスランド・ドイツ・ノルウェー/81分/配給=マジックアワー/©Hrossabrestur2013
タイトル
馬々と人間たち
上映場所
イメージフォーラム
上映期間
2014年11月1日(土)〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
ベネディクト・エルリングソン
出  演
イングヴァル・E・シグルズソン、シャーロッテ・ボーヴィングほか

シアターイメージフォーラムでは11月1日から、馬と人間の物語を馬の視点で描いた映画「馬々と人間たち」が公開される。
監督と脚本は、アイスランド演劇界で最も成功を収め、独特のユーモアの扇子に定評がある人気演出家ベネディクト・エルリングソン。劇作家、俳優としても活躍しており、満を持して本作で長編監督デビューを果たした。
舞台は馬々と人間たちが仲良く暮らすアイスランド。村に春が訪れ、愛の物語が始まる。独身男コルベイン(イングヴァル・E・シグルズソン)は子持ちの未亡人ソルヴェーイグ(シャーロッテ・ボーヴィング)に惹かれ、彼女も彼に惹かれている。しかし、村中がこの恋の発展を興味津々で見守るなか、馬同士の愛が先を越してしまう。コルベインがソルヴェイグの家から自慢の牝馬グラウーナにまたがり颯爽と帰宅の途についた直後、ソルヴェーイグの種馬ブラウンがグラウーナに向かって突進し、愛の行為に及んだのだ。コルベインはショックの余り、ソルヴェーイグすら眼中になくなる。果たして二人の恋の行方は? ほかにもウォッカのために愛馬と無謀な行動に出る男、馬とトラクターによる追跡劇などが同時進行する群像劇。馬の澄んだ穏やかな瞳に映る人間たちの姿は滑稽で愚かしく見えるが、それだけに一層、馬も人間も愛おしく思えてくる。
それぞれの物語がどんな結末を迎えるにせよ、秋になればすべては終わる。予測のつかないストーリー展開、悲劇も喜劇も馬も人も同等に描く語り口や、村中の人と馬が集うラストの大団円は壮観。馬の視点を通して、馬にも人間にも共通する、生き物たちの営みを感じてみたい。

紙の月

2014年/日本/126分/配給=松竹/©2014「紙の月」製作委員会
タイトル
紙の月
上映場所
渋谷シネパレス
上映期間
2014年11月15日(土)〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
吉田大八
出  演
宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美

渋谷シネパレスでは11月15日から、東京国際映画祭でも話題を集めた直木賞作家・角田光代原作の同名映画「紙の月」がスタートする。
監督は「桐島、部活やめるってよ」で知られる吉田大八さん。7年ぶりの映画主演となる宮沢りえさんが主演を務め、年下の大学生への些細な見栄をきっかけに人生を転落させていく主婦の姿を映しだした。
時代はバブル崩壊直後の1994年。夫と二人暮らしの主婦・梅澤梨花は、銀行の契約社員として外回りの仕事をしていた。細やかな気配りや丁寧な仕事ぶりによって顧客からの信頼を得て、上司からの評価も高い梨花。何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だったが、自分への関心が薄い夫との間には空虚感が漂い始めていた。そんなある日、梨花は年下の大学生、光太と出会う。光太と過ごすうちに、ふと顧客の預金に手を付けてしまう梨花。最初はたった一万円を借りだだけだったが、その日から彼女の金銭感覚と日常が少しづつ歪み出して…。
平凡な主婦が起こした巨額の横領事件で、彼女が本当に手に入れたかったものは何だったのか‥聖と悪の両面を抱えながら能動的に堕ちていく女性の姿は、誰の中にもある業の深さゆえかもしれない。

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