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CULTURE × SHIBUYA 編集室がオススメする3作品

「映画」「アート」「イベント」「ライブ」「ステージ」など、渋谷で公開、開催を予定するカルチャー情報の中から、編集部オススメをピックアップ。

今回のテーマ

わたしの時間の過ごし方

1982年にスタートし、32年間にもわたって「お昼の顔」として親しまれてきたフジテレビ系バラエティー「笑っていいとも!」が先日、来年3月での番組終了を発表した。番組が始まった当初は司会のタモリさんはまだ36歳。そこからの32年は、当初デビュー6年目だったタモリさんにとっても、日本経済にとっても、様々な変化を乗り越えた日々。私達視聴者にとっても、お昼12時きっかりからスタートするこの番組が、幼いころ風邪で学校を休んだ日の小さな楽しみだった人も多いのでは? 今回は、2002年には放送回数5000回を迎えてタモリさんが「生放送単独司会世界記録」としてギネス認定を受けたこのご長寿番組にちなんで、「時間の流れ」をテーマに渋谷で公開中の映画作品をピックアップ。いずれはだれにも訪れる「老い」に新鮮な着想を見出す「ペコロスの母に会いに行く」、創業から112年、現在も世界のファッショニスタの憧れとして君臨する老舗デパートの魅力を紹介する「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」、社会的な事件に関わって17年間の逃亡生活を続けた女性を「一人の人間」として見つめなおす「潜伏」。 何を失っても、何を身につけても、万人が絶対に最後まで持っているもの、それが<時間>。 これらの作品を通して、自分の時間の過ごし方について、改めて考えるきっかけにしてみては?

今月のオススメ

ペコロスの母に会いに行く

画像
2013年/日本/113分/配給:東風
タイトル
ペコロスの母に会いに行く
上映場所
ユーロスペース
上映期間
2013年11月16日(土)〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
森崎東
取  材
岩松了、赤木春恵、原田貴和子、加瀬亮、竹中直人、大和田健介、松本若葉、原田知代、宇崎竜童

ユーロスペースでは11月16日から、認知症の母との日常を描いた介護喜劇映画「ペコロスの母に会いに行く」が公開される。
深刻な社会問題として語られがちな介護や認知症。ましてや自分の家族の問題であれば、元気な時を知っているだけになおさら目をそらしたくなる問題かもしれない。同作は漫画を描きながら、母が居るグループホームを訪ねる日々を送っている長崎在住の漫画家・岡野雄一のエッセイ漫画を映画化したもの。原作では、主人公のゆういちはこう言う。“ボケるとも、悪か事ばかりじゃなかかもしれん”。
メガホンを取ったのは「喜劇・女は度胸」「男はつらいよ フーテンの寅」などの人情喜劇で知られる森崎東。「ニワトリはハダシだ」以来9年ぶりとなる同作では、ときにペーソスを湛えながら、ユーモアたっぷりに認知症の母との家族の物語を描く。また母親役の赤木春恵は89歳にして映画初主演作。実母の介護経験を活かした迫真の演技を披露した。
認知症の母みつえとバツイチ・ハゲちゃびんの僕。愛おしくて、ホロリ切ない2人の毎日を通して、年をとっていく親、自分自身の生活を明るく捉え直してみるきっかけにしてみては?

ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート

画像
2013年/94分/アメリカ/配給:ショウゲート/©2012 BG PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
タイトル
ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート
上映場所
Bunkamura ル・シネマ
上映期間
2013年10月26日(土)〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
マシュー・ミーレー
出  演
カール・ラガーフェルド、クリスチャン・ルブタン、マーク・ジェイコブス、トム・フォード、トリ・バーチ、ジョルジオ・アルマーニ 他

 
Bunkamura ル・シネマでは10月26日から、世界のセレブを魅了する宝石箱「バーグドルフ・グッドマン」にフォーカスしたドキュメンタリー「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」がスタートする。
「バーグドルフ・グッドマン」は移民だったバーグドルフが店を始め、1950年代から1960年代にセレブリティたちのカルチャーと融合、そして世界のファッション&デザインの最先端を率いる重要な役割を担うまでに成長。観光客も訪れるニューヨーク5番街のメッカで、この100年の間にファッションをモダンアートにまで高めた世界で最も神話的なデパートとされる。
常にファッションカルチャーの流れの中心に君臨し続け、ファーストレディであったジャクリーン・ケネディーが就任式に着用するドレスをオーダーし、エリザベス・テイラーやジョン・レノンなどのセレブリティが自身のスタイルを作り上げ、「セックス・アンド・ザ・シティ」の登場人物たちがオシャレへの満足度を満たそうと通った場所。そして、若く才能あるデザイナーたちが夢を抱き、刺激的なスタイルと急進的な美へのアイデアが混じり合う場所。
本作ではこの有名デパートの内部の仕組みや今まで語られなかったストーリー、その歴史を紐解く。そこには、独特の世界観を作るアート的な側面と、デパート経営というビジネスの部分がぶつかり合う描写も映し出され、創業112年というアメリカの歴史をも深く紹介。長い歴史を切り抜けながら、現在もなおいきいきと存在し続ける秘密とは?
「老舗」と呼ばれるデパートが、時間をかけて熟成してきた底力、更に続いていく成長力を探りたい。

潜伏

2010年/96分/日本/配給:エネサイ/©ミューズプランニング
タイトル
潜伏
上映場所
オーディトリウム渋谷
上映期間
2013年11月30日(土)〜12月13日(金)
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
保坂延彦
出  演
土屋貴子、なだぎ武、東野克、真由子、宮下達也、山内ツトムほか

オーディトリウム渋谷では11月30日から、指名手配中だった女性の17年間におよぶ逃亡生活から着想を得た映画「潜伏」が公開される。
創作のヒントとなったのは、地下鉄サリンなどの大事件を起こした新興宗教に洗脳され、長い逃亡の後に逮捕されたある女性。作中では彼女の逃亡生活に着想を得て、逃亡・潜伏する女とその女に一途に惚れる男の出会いと別れを描く。
メガホンを取ったのは保坂延彦監督。劇映画ながらノンフィクションの要素を多く取り入れ、主人公の女が介護ヘルパーとして施設に勤めていたこと、相手の男は内装工として女の職場で知り合い、一緒に暮らすようになったことなど、セミドキュメンタリー風に仕上げた。
「通報してもいいよ…もし辛くなったら」
「ばか、オレはお前を守り続ける」
17年という長い時間の中で、彼女に一体何が起こったのか。時間はどのように人を変化させるのか。世間を騒がせた事件のキーパーソンを別の角度から見つめ、改めてあの事件から過ぎていった長い時間の積み重ねを感じてみたい。

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