2016年のヴィレバン渋谷の売れ筋3選
「遊べる本屋」をコンセプトに、遊び心満載の書籍やコミック、雑貨などを取り揃えるヴィレッジヴァンガード。その個性的なラインナップに添えられた、スタッフによる手書きのポップも魅力的で、その世界観がまるごと好き!というファンも多いお店です。
今回の「シブヤ×ブックス」は、ヴィレッジヴァンガード渋谷宇田川店の書籍担当・堀祥太さんがブックセレクターとなり、今年の売れ筋3冊をピックアップしてもらった。ぜひ、手に取ってそのおもしろさを確認してほしい。
堀祥太さん(ヴィレッジヴァンガード渋谷宇田川店 書籍担当)
複合型書店「ヴィレッジヴァンガード」は現在、全国に395店舗を展開。2011年11月にオープンした宇田川店は、地下約300坪の店舗面積を誇り、新しい試みや提案などをしていく旗艦店として位置づけ。アート・デザイン、旅、絵本、女性文学、ガールズ、サブカル、料理、コミックなどの通常カテゴリーに加え、バカ・モテ・エロ、ナチュラル(自然、オーガニックなどのライフスタイル系)など、感覚的な棚づくりやレアな品ぞろえに定評がある。
- 店 名:
- ヴィレッジヴァンガード渋谷宇田川店
- 住 所:
- 渋谷区宇田川町33-1 渋谷グランドB1
- 電 話:
- 03-5728-4227
- 営 業:
- 10:00〜24:00
- 定 休:
- 無休
デブねこ格言 / デブねこ研究会
- タイトル
- デブねこ研究会「デブねこ格言」
- 出版社
- 辰巳出版
- 発売日
- 2016/8/30
- 価 格
- 1296円(税込)
- サイズ
- 23.8cm
- ページ
- 128P
ふてぶてしいデブ猫が自分のことを棚に上げ、ダイエットに悩む人間たちにアドバイスをする、デブ猫フォトブック。
<堀さんのオススメポイント>
ぼてっとした体格の良さと貫禄を備えたデブねこが表紙のこの本は、タイトルを読んでわかる通り、痩せたい人向けのダイエット本です。しかし、ただのダイエット本ではありません。「デブはデブだけど…」とセリフがあり、続いて「キャラです」「ふくよかなんです」「やせるとモテちゃうからさ」「小顔なだけだよ」…と。読み進めていくうちに、あれれれ?本気でダイエットする気あるの?と突っ込みたくなる。「自称“ぽっちゃり“はたいてい巨デブ」など、デブにはきつい格言も展開しますが、やっぱり最後は、そのままでいっか、と思わせるような展開に。キュートなしぐさとたくましいボディのデブねこの写真が満載で、癒されますよ。
かわいいスカートのめくり方 / 青山裕企
- タイトル
- 青山裕企「かわいいスカートのめくり方」
- 出版社
- イースト・プレス
- 発売日
- 2016/7/17
- 価 格
- 1933円(税込)
- サイズ
- 18.2cm
- ページ
- 160P
2007年キャノン写真新世紀優秀賞を受賞した「スクールガール・コンプレックス SCHOOLGIRL COMPLEX」シリーズ4冊目。少年の視点で切り取られた少女に対する戸惑いと妄想を写し出す。
<堀さんのオススメポイント>
ちょっとエロ系の要素が含まれた、スクールガールを撮った美しい写真集です。学生服を着た女子学生がさまざまな形でスカートをめくって、めくられるシーンのみ撮影した写真が掲載されています。こんなにも“スカートのめくり方“があるのか、と驚かされると同時に、撮影の仕方が絶妙でその世界観に引き込まれます。顔の部分が映らないように撮影あるいはカットされているので、妄想を掻き立てられるという人も多いのではないでしょうか。ヴィレッジヴァンガードでは、「sweet joshi」「絶対ニーソ」といった類書もたくさん売れます。学生がわいわい言いながら友人へのプレゼントに選ぶ場合が多いですね。
CRAZY TRIP 今を生き抜くための“最果て"世界の旅/ ケロッピー前田(前田亮一)
- タイトル
- ケロッピー前田(前田亮一)「CRAZY TRIP 今を生き抜くための“最果て"世界の旅」
- 出版社
- 三才ブックス
- 発売日
- 2016/8/4
- 価 格
- 2160円(税込)
- サイズ
- 21.2cm
- ページ
- 193P
90年代伝説の雑誌『BURST』にて、世界の最果てを取材し続けてきたクレイジーハンター兼ジャーナリストである著者の20年間のクレイジーな旅をまとめた1冊。
<堀さんのオススメポイント>
お店でサイン会も行ったのですが、狂気を感じさせるグロテスクな旅本として、とても人気があります。著者が世界のクレイジーな人々に会いに行き、そこで取材したものをまとめた一冊です。紹介されるのは、謎の独立自治村、人体冷凍保存計画、頭蓋骨に穴をあけるトレパネーションなど、世界のアンダーグラウンドな世界。読むだけで、恐怖の世界へ脳内トリップしてしまう毒要素の強い内容なのですが、こういう類の本が売れる背景には、常人離れした体験を語る人気のテレビ番組「クレイジージャーニー」の影響もあるかもしれませんね。
取材・文/ 田賀井リエ(代官山ひまわり)