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BOOK × SHIBUYA 渋谷の書店がオススメする3冊

渋谷ではたらく人びとに向け、渋谷にショップを構える書店員が月替わりで「今、読んでおくべき本」を紹介します。

今回のテーマ

近年創刊のおすすめファッション雑誌

渋谷スクランブル交差点の向かい、渋谷のランドマーク的存在である商業ビル「QFRONT」。昨年10月、その6F・7Fのフロアにブック&カフェ「SHELF67」がリニューアルオープンした。足を運んでみて驚いた。6Fのフロアの中央に、大胆な内階段が設置されている。カフェのいい香りと心躍る音楽に導かれ、ワクワクしながら階段を7Fへと上っていく。そこにはぐるっと店内を一周する、圧巻の壁面ディスプレイが広がる。ウッディで落ち着いた雰囲気の空間の中に、美しいビジュアルの雑誌や書籍がずらりと並んでいる。それもそのはず、このフロアは「ファッションの街=渋谷」を意識して作られたファッション雑誌中心の空間なのだ。ファッションを「創る」「魅せる」「楽しむ」いうコンセプトのもと棚作りがなされ、写真集やアート本も数多く置かれている。また同フロア内には、カフェ「WIRED TOKYO 1999」も併設し、6Fと7Fにある書籍や雑誌をカフェ店内に持ち込み、自由に閲覧することができる。ソファ席やテーブル席、カウンター席などさまざまな席が用意され、フードメニューやアルコール類も充実しており、ついつい長居してしまいそうな快適さである。

今回の「シブヤ×ブックス」は、ブック&カフェ「SHELF67」の雑誌担当・佐藤幸枝さんがブックセレクターとなり、近年に創刊されたおすすめのファッション雑誌を3冊ピックアップしてもらった。「最近、ファッション誌って、どれも似たようなテイストで飽き気味…」と思っている人にこそ、読んでもらいたい、個性的でユニークな切り口の雑誌ばかり。ぜひ一度、手に取ってみてほしい。

今月のブックセレクター

佐藤幸枝さん(SHIBUYA TSUTAYA BOOK雑誌担当)

「SHELF67」の売り場面積は6Fが80坪、7Fが100坪。6Fはワークスタイル、ライフスタイル、旅、カルチャー、エンターテイメントを、7Fはファッション、雑誌、写真集、アートといったジャンルで構成。コンセプトは「にぎやかな書斎」。ファッションやカルチャーの棚を中心に、渋谷を意識した品ぞろえに注目だ。


店 名:
SHIBUYA TSUTAYA「SHELF 67」
住 所:
東京都渋谷区 宇田川町21-6
電 話:
03-5459-2000
営 業:
平日10:00〜26:00
定 休:
不定休

ブックセレクターからのオススメ

編集長3人が創る、文化系の香り漂う「This! 」

画像
タイトル
This! 001 [ディス!]
出版社
小学館
発売日
2015/11/13
価 格
750円(税込)
サイズ
28.8cm
ページ
106P
  

小学館の提案する「全くあたらしい」カジュアルファッションマガジン。好奇心旺盛な20代女性が本当に知りたいことをぎゅっと詰め込んだ読み応えのある一冊。2015年11月に創刊。2016年春ごろ発売の次号のテーマは「恋愛」(予定)。


<佐藤さんのオススメポイント>
これから社会に出て働き始める、いわゆる「大人の世界」に足を踏み入れようとしている20代前半の女性が楽しめると思います。表紙にあるように、「大人なんて、たいしたことなくない?」というのがこの雑誌のテーマです。大人になる過程は、ちょっとの希望とたくさんの不安を抱えているもの。そんな悩める20代の背中をそっと押してくれる一冊です。創刊号の特集は「進路」。DJみそしるとMCごはんさんや、平井紗季子さん、内沼晋太郎さんなどさまざまな分野で活躍される人々のルーツに着目した特集「あこがれの仕事につく100人の図鑑」は必読です。この人選を見て分かる通り、ただのおしゃれ雑誌ではなく、文化系の香りが漂っている点もひとつの特長です。出版元は小学館さんなのですが、「This!」は、別々のジャンルの雑誌を作っている編集長3人による合作だそうです。ファッションのみならず、さまざまな要素が詰まった刺激的な一冊に仕上がっています。

男性が好きなものがギュッと詰まった「RECKLESS」

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タイトル
RECKLESS(レックレス) Issue 01
出版社
レックレス(発行)、ぴあ(発売)
発売日
2015/11/6
価 格
650円(税込)
サイズ
25.8cm
ページ
98P
  

「RECKLESS」とは「むこう見ずな」の意。「Fashion×Culture=Entertainment」をコンセプトに掲げ、foolish(=ばかげたこと)について真剣に考え、エンターテイメントとして昇華した雑誌。ハイセンスな編集デザインにも注目。3月24日発売の2/10号の特集は、「はじまりは妄想から」。


<佐藤さんのオススメポイント>
窪塚洋介さんの表紙のカッコよさ、中身のおもしろさ、ユニークさ、デザイン性の高さ、サイズ感、質感、あらゆる点から「これは売れる!」と入荷した時から思っていて、現にかなり購入されています。余裕を持った男性の悪ふざけといいますか、ファッションあり、カルチャーあり、エロありで、20代〜30代前半の男性が好きそうなものがギュッと凝縮された刺激いっぱいの雑誌です。創刊号の特集は「大人げなくてもいい」。表紙の窪塚洋介さん、ミスター適当男・高田純二さん、「大人計画」の皆川猿時さん、元モー娘。の加護亜衣さんのインタビューが掲載されており、サブカル好きにはたまらない一冊と言えます。おもしろいのが、表紙に1/10とあるように、既に、2018年までに全10号でリリースされることが決まっています。終わりを設定して作っている雑誌という点で、なかなか新しい試みだと思います。

インディーズ部門で1位を獲得した「STUDY」

タイトル
STUDY #1
出版社
LIFT
発売日
2014/12/5
価 格
1,296円(税込)
サイズ
25.8cm
ページ
95P
  

2014年12月に創刊したインディペンデントファッションマガジン。既存のファッション雑誌とは一線を画し、生き方も含めた独自のファッションスタイルを追求・提案する。創刊号「STUDY #1」の特集は「シャツ」。2015年に1年ぶりに発行された「STUDY #2」は質・量ともにパワーアップ。


<佐藤さんのオススメポイント>
代官山蔦屋のインディーズ部門で1位を獲得した雑誌でもあるのですが、こちらは、取次を通さないで販売している直販本のため、取り扱っている書店はそれほど多くはないと思います。従来のクリッピングスタイルに警鐘を鳴らし、新しいファッション雑誌の在り方を提案しています。本誌でフィーチャーされる5名は、ショップのスタッフや古着店の販売員など、既に独自のファッションスタイルをもっている人たちです。ファッションの知識もあり、流行も把握している、いわゆるファッションのプロ。そんな彼らのバックボーンや生活、生き方、仕事などを紐解きながら、たどり着いた先のファッションスタイルに着目します。ファッションが本当に好きな人こそ楽しめる、おしゃれの醍醐味が味わえる、そんな一冊です。



取材・文/ 田賀井リエ(代官山ひまわり)


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