2017年の大注目のマンガ3選
「運命の1冊に出会えるきっかけ(=トリガー)になれば」という思いで始まった渋谷のカフェバー「マンガサロン トリガー」。ここは、膨大な量のマンガ群からあなた好みのマンガを発掘する場所。店内には、王道からマニアックな作品まで4,300タイトル以上のマンガタイトル(1タイトルに付き3巻まで)が揃い、マンガに詳しいコンシェルジュが常駐している。連日、著名な作家によるイベントも開催されるなど、マンガ好きにはたまらない空間が広がる。
今回の「シブヤ×ブックス」では、その「トリガー」の店長でありコンシェルジュである兎来栄寿さんがブックセレクター。「2017年の大注目のマンガ」を3冊ピックアップし、紹介してもらった。今後ブレイクが予想されるこの3冊を、ぜひ一度手に取ってみてほしい。
兎来栄寿(とらいえーす)さん(店長兼コンシェルジュ)
最初のマンガとの出会いは幼少時に読んだ「ドラえもん」。その後、「コロコロコミック」「ジャンプ」を始めとする少年誌から、「リボン」「なかよし」「ちゃお」「別コミ」といった女性誌まで幅広く読み漁り、10 歳の頃から神保町やまんだらけに通い詰める。少年青年少女漫画から BL・百合まであらゆるジャンルを愛する生粋の漫画愛好家。漫画を読むのは呼吸と同じ。自分を育ててくれた漫画文化に少しでも恩返しすべく、日々様々な作品の布教活動を行うマンガソムリエ。
- 店 名:
- マンガサロン トリガー
- 住 所:
- 渋谷区渋谷3-15-2 コンパルビル4F
- 電 話:
- 03-6427-2248
- 営 業:
- 13:00〜23:00(L.O.22時)
※なお、17:00まではワーキングスペース(3時間1000円・マンガ読み放題、free wifi、フリー充電)で、17:00以降にコンシェルジュが常駐 - 定 休:
- 毎週火曜日
「約束のネバーランド 1」/出水 ぽすか (著)、白井 カイウ (原著)
- タイトル
- 「約束のネバーランド 1」
- 著 者
- 出水 ぽすか (著)、白井 カイウ (原著)
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2016/12/2
- 価 格
- 432円(税込)
- サイズ
- 17.8cm
- ページ
- 183P
週刊少年ジャンプで連載中なのですが、ジャンプらしくないブラックな内容といった点でも話題の作品です。ストーリーは、小さな孤児院に住む子どもたちが主人公の脱獄ファンタジーです。孤児院の敷地内からは外に出てはいけないという決まりがありつつも、平和に暮らしていた子どもたちなのですが、ある日、孤児院の中でも特に優秀なトップ3の子ども、エマ、ノーマン、レイが孤児院に隠されたとんでもない秘密を知ってしまいます。シスターに気づかれないように何とかしてここから脱出しようという展開が1巻です。1話1話に緊張感があって、毎回ドキドキさせられます。「デスノート」などの頭脳戦マンガが好きな人にもおすすめです。
「不滅のあなたへ 1」/大今良時
- タイトル
- 「不滅のあなたへ 1」
- 著 者
- 大今良時
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2017/1/17
- 価 格
- 463円(税込)
- サイズ
- 17.3cm
- ページ
- 192P
「このマンガがすごい!2015」オトコ編第1位を受賞し、昨年映画化された傑作「聲の形」の大今良時先生が描く最新作です。前作「聲の形」とはまた世界観ががらりと変わり、今回は架空の世界を舞台にしたファンタジー。最初のページに登場する“謎の球体”が話の中心になります。この球体がいろいろな植物や鉱物、人間などの生命体に宿り、いろいろな情報を吸収し学習していく。1巻の段階では全容は見えず、あくまでもこれから始まる壮大な世界のプロローグにすぎませんが、これからおもしろいストーリー展開が待ち受けていることを予感させる内容です。絵の表現力もすばらしいので1コマ1コマ、じっくりと味わってもらいたいです。
「BEASTARS 1」/板垣巴留
- タイトル
- 「BEASTARS 1」
- 著 者
- 板垣巴留
- 出版社
- 秋田書店
- 発売日
- 2017/1/6
- 価 格
- 463円(税込)
- サイズ
- 17.2cm
- ページ
- 197P
1話を読んだだけで、とんでもない漫画家がでてきたなと驚かされた人も多かったのではないでしょうか。世界観としては、「ケモナー」と呼ばれる人間のように動いて話す獣が登場するマンガが好きな方々が喜ぶ作品ですが、作品自体に魅力がたくさんあり、ケモナーのみならず幅広い人に受け入れられる作品ではないかと思います。内容は、学園もので、学校を舞台に、肉食動物と草食動物の確執を描いています。草食動物は肉食動物に襲われるのではという不安を常に抱えて生きていますし、一方、肉食動物の中でも、主人公のオオカミはおとなしく穏やかだけれども、草食動物を見ると、心がざわつく。そのシーン描き方やネームがすばらしくうまい。今後の展開が楽しみです。
取材・文/ 田賀井リエ(代官山ひまわり)