「バイクの趣味が高じてレザークラフトへ」 ハンズワークショップの仕掛人が語る「ものづくり体験」の魅力
フラワーアレンジメントからシルバーアクセサリー作り、消しゴムはんこ教室など、毎月多彩なワークショップが企画される東急ハンズ。渋谷店では6Aフロアを中心に毎月40〜50回、多い月で70回程度のワークショップが開催されています。
そのワークショップの企画から運営までを担当するのが、6Aフロアの販売スタッフ・長井秀夫さん。前回ご紹介した「G4」メンバーの1人です。
|渋谷店スペシャリスト集団「G4」
「G4」とは「Great4」の略。役職定年をした東急ハンズのベテランスタッフ4人で構成される渋谷店オリジナルのスペシャリスト集団です。G4メンバーの一人、“バイカー長井”の愛称で親しまれる長井さんは、その名の通りバイクを趣味にすること40年余り。その趣味が高じて“バイカーの必須アイテム”であるレザークラフトの魅力に取りつかれ、今では着用しているライダーズベストを型紙から自作するほどの腕前に。友人のペットが足を悪くしてしまった際には、足を保護する犬用シューズを型紙から制作してプレゼントしたこともあるそうです。
|数分間で満席の人気ワークショップ
「クラフト&ワークショップ」をテーマとした6Aフロアには、3か所のワークショップ専用スペースが設置。長井さんは、普段店頭で接客をしつつ、来客の少ない時間帯を見計らってバックオフィスに戻りワークショップの企画を進めています。「常に次のワークショップについて考えている」という長井さんは、フロアでの接客の中から企画のヒントを得ることも。
渋谷店で開催されるワークショップは、概ね3か月先まで企画済み、早いものだと既に今年の年末に開催が決まっているものもあるのだとか。今やハンズでワークショップをすることがクリエイターたちの間で“ちょっとしたステイタス”になっているようで、「以前より講師を見つけやすくなった」とのことですが、月に数十回の開催されるワークショップの中にはハンズ社員自らが教鞭をとるものも少なくありません。もちろん長井さんも、プロのクリエイター陣に混ざってレザークラフト講師を務めています。
レザークラフトは、渋谷店で開催される全ワークショップのおよそ3分の1以上を占めるという主要講座。主に30〜50代の女性が中心という参加者の中には、わざわざ大宮から訪れる常連さんもいるのだとか。ネット上でワークショップの参加者募集を公開すると「ほんの数分で満席になってしまう」というから、その人気ぶりは言うまでもありません。
|きっかけは奥様からのプレゼント
そもそも長井さんがレザークラフトにはまったのは、9年前に奥様からお誕生日にプレゼントされた革製のロングウォレットがきっかけだったそう。バイクとも相性が良く、丈夫で長持ち、使い込むほどに味の出るレザーの魅力に気付き、次第に「自分で理想のレザーグッズを作ってみたい」と思い始めたといいます。学生時代に児童文化研究会に所属していたという長井さん。切り絵などの制作で培った“クラフト魂”に火がつき、次はレザークラフトの「スターターキット」を奥様におねだり。その後、独学で技術を習得してきました。
|楽しみながら伝えたいレザークラフトの魅力
レザーを挟む木製器具「レーシングポニー」も自作。
「レザークラフトを始めてみたい」とフロアに訪れるお客さんの多くは、専用のミシンや針などの特別な道具を揃えないと始められないと思っている人がほとんど。しかし、大抵のものは家庭にある物で代替できるといいます。自身の経験を活かしたお客様目線のアドバイスで、「レザークラフトのハードルを下げたい」と語る長井さん。「興味があっても、いざ浅草橋の問屋街に道具を買いに訪れるのはなかなか勇気が要るもの。でも、『ハンズだったらふらっと立ち寄れるかも』と思ってくれれば本望。そんな親しみやすいフロアを目指したいですね」。
最近では、以前接客したお客さんが作った作品を見せに来たり、ワークショップの参加者が「次はこういうものを作りたい」と訪ねてくることもあると笑顔で話す長井さん。実は30年振りだというフロア業務も、そんなお客さんと一緒に心から楽しんでいる様子がうかがえます。
趣味に対する熱い想いを、自らが楽しみながら伝える“ワークショップの仕掛け人”バイカー長井さん。彼のいるフロアには、今日も多くのクラフト仲間が集います。
◎東急ハンズ渋谷店のワークショップの詳細はこちら。
東急ハンズ渋谷店
〇住所:渋谷区宇田川町12-18
〇電話:03-5489-5111
〇営業:10:00〜21:00
〇公式:http://shibuya.tokyu-hands.co.jp/
土屋絵美(代官山ひまわり)
代官山を拠点に活動するNPO法人「代官山ひまわり」。所属するママさんライターが渋谷情報をお届けします。