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ヴィヴィアンの私的映画レビュー
「無認可保育園 歌舞伎町 ひよこ組!」

アタシが出演した『釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!』(2002)で、助監督を務めた権野監督の記念すべき長編第一作が、今週渋谷のアップリンクで公開されているわ!『無認可保育園 歌舞伎町 ひよこ組!
大川組の組員の工藤準次は歌舞伎町のラジオ局FM89.3(ヤク ザ)にて人気DJとして大活躍していた。。。そんな折、大 川組の組長が突然亡くなるところから映画はスタートする。先代の妻・ 峰子から前組長の遺言がいままさに読み上げられようとしていた。大川 組の次組長はいったい誰に???遺言状の最後には、

「園長を淳次に任す」

とだけ記されていた。前組長は歌舞伎町で保育園を経営していたという ことを峰子から聞かされ、準次にその保育園「ひよこ園」の園長に任命 するということだった!
ひよこ園は歌舞伎町で働くホストやホステス、訳ありの両親たちの駆け 込み寺的な存在の保育園だった。親たちは様々なトラブルを抱えていて も子供たちには何の責任もない。はじめは子供嫌いを露にする淳次では あるが、人情に厚い性格、次第に子供たちと打ち解けるようになる。ま た妻や娘からおむつの換え方・あやし方を教えられていく。。。
また準次の娘・桜の夫ナルシーが家族の反対を押し切って、「子供たち の明るい未来のため」をスローガンに参議院に出馬すると言い出し、別 の厄介を引き起こしていく。。。これも育児問題/子育ての環境の悪さ を別のかたちで訴えてはいるのだが、、、。

そのうち、新たな問題が勃発する。ひよこ園の立地は別の大きな暴力 団・屋敷組のシマにあり、その存続や許可の有無を利用して、大川組と 屋敷組の全面抗争へと発展しそうになる。これには両組員の裏切りが あったのだ。。。

歌舞伎町のヤクザが大きな手押し車で子供たちをたくさん乗せて、歌舞 伎町を右往左往する様は、現代の子連れ狼?はたまた、少子化、保育園/子育ての型にはまった制度が引き起こす現 代社会の問題をあらわにする。。。いまの隙間産業はもはや人情の厚い古いヤクザの手によることでしか埋 められない???



ゲストブロガー/ヴィヴィアン佐藤さん
金沢工業大学建築学科大学院卒業後、磯崎新氏のアトリエを経て、アーティストとしての活動を開始。華やかな衣装やカツラをまとってクラブやパーティに出没するかたわら、舞台美術やイラスト、エッセイ、映画批評、またカツラや服飾、インテリアのデザインなど、領域を横断して活躍する。

ヴィヴィアン佐藤 公式サイト

インタビュー記事(2006年11月10日)

ヴィヴィアン佐藤(非建築家)

非建築家、アーティスト、ドラァククイーン、イラストレーター、文筆家、パーティイスト、、、と様々な顔を持つ。独自の哲学と美意識で東京を乗りこなす。その分裂的・断片的言動は東京では整合性を獲得している。。。なんちゃって。

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