犬たちが集う本格的な紅茶が楽しめるティールーム
代々木上原 tea room Beagle
代々木上原駅から徒歩3分ほど。商店街沿いにある「tea room Beagle」は、代々木上原にオープンして、17年目になるティールーム。地元の方々に愛されているだけでなく、犬好きの遠方の方まで集まる素敵な空間。今回は、店主でアロエちゃんの飼い主である林良子さんにお話を伺いました。
|「tea room Beagle」オープンのきっかけ
「もともと、この場所に実家がありまして、建て替えのタイミングで、母が憧れていたという喫茶店をやってみようかなと思ったのがきっかけです。“Beargle”というのは、小さいという意味があるんですね。オープン前から初代看板犬のビーグル犬・バジルを飼っていたのと、小さいお店なのでちょうどいいなと思ってつけました」
取材中もランチを食べにいらっしゃるファミリー、お茶を飲みにいらしたご年配のグループ、ワンちゃん連れの女性と本当に様々なお客様が来店。そこへアロエちゃんが、ちょこちょことやってきてご挨拶をする姿が、とても微笑ましい。最初から犬も入れるお店にしようと思っていたのでしょうか?
「初めは、バジルも入口のテラスで看板犬をしていたので、テラスのみOKにしていたのですが、夏になってバジルが店内で過ごすようになると、みなさん中に声をかけに来てくれるようになったんですね。すると、だんだん“中へどうぞ”みたいになって、いつの間にか店内OKという流れになっちゃったんです(笑)。なので、こういうお店にしようと思ってしたというよりは、地域のみなさんと寄り添って過ごしていて、気づいたら17年目だった、という感じです」と話す林さんののんびりとした空気が、このお店の雰囲気を作っている気がする。
しかし、2014年に先代バジルちゃんを亡くし、すぐに2代目を飼う決心はついたのかと聞いてみると。
「息子が生まれる前からバジルがいたこともあって、バジルが長女、息子が二男として過ごしていたので、やはりすぐにという気分にはなれませんでしたね。もちろん、また犬を飼うと思うし、縁があればという話はしていたので、いくつかお話はいただいたんですが、なかなか縁がつながらなかったんですね。そんなある日、お客様からビーグルが生まれたと声をかけていただいたときに、“6匹中、唯一の女の子なので、この子でよければ”と言ってくださって。私たちが選んだのではなく、アロエが私たちのところに来てくれたんだと思ったので、迎え入れる決心がついたんです」
|スコーンと紅茶が美味しいと評判
「tea room Beagle」のランチ(12時〜15時)は、日替わりサンドウィッチ、パスタ、ピラフ、冬季限定ドリアにスープとミニデザート、ドリンクがついて930円〜980円。15時以降は、英国式アフタヌーンティーが楽しめるティータイムになる。
「スコーンは、本場スコットランド伝統のレシピをアレンジして作っていて、常時10種類ほどを用意しています。プレーン、紅茶以外は季節によって変わります。バターより軽く生クリームよりまったりしているクロテッドクリームをつけて食べると美味しいんですよね。プレーンにはブルーベリージャムもついてきます」
さらに人気なのが、ワンちゃん用のスコーン。店内で食べることもできるし、テイクアウトもOK。
「プレーンのスコーンから砂糖、塩を抜いて、乳製品をヤギミルクに替えて作っています。匂いがいいらしくて、食が細くなってしまったシニア犬も、これなら食べると言って買って行ってくださる人もいるんですよ」
続けて紅茶のお話も。ティールームらしく、キッチンには、茶葉がずらりと並び、注文が入ると丁寧に一杯ずつ淹れてくれる。今回は、スコーンに合うということでマサラティーをオーダー。作り方を見ているとお鍋にスパイスを入れ、茶葉をミルクで煮出してポットでサーブ。ミルクティをポットでサーブしてくれるお店は、なかなか珍しい。
「もともと紅茶が好きだったので、少しかじっていたのですが、お店を開くにあたり、ティーインストラクター手前ぐらいまで学びました。高野さんという第一人者の方がいらっしゃって(神保町「Tea HOUSE TAKANO」)、そこから茶葉を仕入れているので、かなりいいものが出せているのではないかと思っています。季節ごとにシーズンティーがありますし、その年の出来不出来もありますので、その時々のいちばんいい紅茶をお出しできるようにしてはいるんですが、あまり大きな変化は作らないようにしているので、常連さんからすると、その変わらなさがいいのではないかと……思うようにしてます(笑)」
|犬がいる空間で楽しいこと
「ご近所の方々も、店の名前は知らなくても“犬のいる喫茶店”として覚えてくれてるんですね。やはり犬がいることで、共通の話題として話ができるのがいいですね。この間も、以前、ビーグルを飼っていたという方が、どうしても触りたくてということで来てくださる方がいたりしました。そういう声を聞くと、やっていて良かったなと思います。大変だったことは……アロエが看板犬になってすぐは、お客様が来るたびに吠えてしまうなんてこともあったのですが、最近はようやく落ち着いてきましたし、来てくださるお客様も、常連さんが多いので困ることは、そんなにないですね。もちろん、ワンちゃんのトイレのことを気にしないでお話を続けてしまう飼い主さんがいることもいたりはしますが、ありがたいことにそれほど困っていることはないです」
「ノードッグのノーライフじゃないけど、私的にはそういう感じですね。子供と同じですよね。公園も犬がいなければ散歩なんてしないけど、犬がいるからしょうがないから行くか、みたいな感じで、後押しになりますよね。私のようなぐうたら人間にはちょうどいいんだと思います。そういう積み重ねが、人生を幸せにしてくれているような気がします」
セントバーナードMIXのハルくん(13歳)、イングリッシュセターとラブラドールMIXのマナちゃん(2歳)、ビーグルのアロエちゃん(2歳半)、そして写ってないのですがプードルのループくんがいます。とても落ち着いた空間に、美味しい紅茶とフード。ワンちゃんが一緒じゃなくても、ぜひ一度足を運んでみてほしい。
tea room Beagle
○住所:東京都渋谷区西原 3-23-6 1F
○電話:03-5790-7663
○営業:11:00〜18:00[L.O]
○定休:水曜日
○公式:http://www.tearoom-beagle.com/
オオバリエ
楽しく美味しく食べることが好きで、魅力的なお店の情報を聞きつければ都内を中心に車を飛ばして行きまくり。憧れは海外旅行に行って美味しいものを食べまくることです。