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【レポート】子ども達とレゴで作る「現在進行形の渋谷の街」

子ども達と渋谷の街を作るイベント「渋谷の街をレゴブロックでつくろう」が2018年1月28日(日)、渋谷ヒカリエ8階 8/COURTで開催。当日は地元渋谷を含む総勢57人の小学生たちが参加し、子どもたち自らの手で「渋谷のまちづくり」をレゴブロックで行った。主催は渋谷駅前エリアマネジメント協議会と一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント。
駅前の再開発エリア。手前の建設中の建物は「渋谷スクランブルスクエア東棟」。
100年に一度の大規模な再開発が進む渋谷駅周辺。同イベントは、今秋に旧東横線の線路跡地に開業する「渋谷ストリーム」や、2019年度の開業に向けて建設中の「渋谷スクランブルエクエア東棟」など、建設工事が進む「現在の渋谷駅周辺」の様子をレゴブロックで再現するという試み。
レゴ認定プロビルダー・三井淳平さん。
レゴブロックを設計・制作し、子ども達と一緒に渋谷のまちづくりを行ったのは、日本で唯一のレゴ認定プロビルダーの・三井淳平さん。ちなみにレゴ認定プロビルダーは、三井さんを含めて世界に14人しかおらず、レゴファンからは「神」と呼ばれるほどの高い制作能力を持つ人物として知られている。

今回レゴブロックで再現されたのは、渋谷駅を中心とした再開発エリア500メートル四方の範囲内で、模型の縮尺は1/300スケール、大きさは1.7×1.8メートル、使用したレゴブロックの総数は10万ピースに及ぶ。子ども達とのワークショップに向けて、三井さんは約4カ月間前から制作に取りかかったという。「最初に手描きで1枚の絵を描き、それを見て試行錯誤しながら制作を行った。デフォルメはせず、窓枠の比率なども合わせながら、都市模型として忠実に再現した」とし、「渋谷キャストの縦模様や、鉄骨が組まれている工事中の建物を作るのはやや苦労した」と制作工程を振り返る。

ワークショップは、午前中に「低学年(1〜3年生)の部」と、午後に「高学年(4〜6年生)の部」の2部構成で実施され、地元渋谷の子ども達を中心に総勢57人の小学生が参加。最終的には子ども達が制作したパーツを、三井さんが事前にレゴブロックで制作した「渋谷の街」の中に実際に組み入れて、最終的に街を完成させていく。

以下、午前中に実施された低学年向けのワークショップを通して、実際のレゴによる街づくりの様子を見ていきたいと思う。
まず、参加小学生たちは3〜5人に分かれて、各テーブルに着席。各自にワークショップで使用するレゴブロックのセットが配布され、三井さんの指導のもとで、ブロックやパーツを1つ1つ組み立てていく。小さい頃からレゴに慣れ親しんだ子ども達も多いせいか、三井さんの説明より先回りして制作を進める子どもの姿も目立った。
とはいえ、子ども達には、何を作っているのか、街のどんなパーツになるのかを一切知らせずに組み立てを行っているため、「白黒だからパンダじゃない?」「いやオセロだよ」など、子ども達自身も何が出来るのか、興味津々。
穴からのぞくと遠くまでよく見えるよ〜。 ウィ〜ン! 宇宙船みたいで、格好いいだろう!
レゴブロックの形や色をじっと眺めたり、穴をのぞき込んだり、子どもが様々な想像を膨らませている様子が印象的だった。昨今、中学生棋士・藤井聡太さんの影響で「モンテッソーリ教育」に注目が寄せられているが、まさにレゴはそんな子どもの五感を刺激する知育玩具なのだろう。
同じグル−プの中で、ブロックの組み立てに迷っている子がいると周りの子が教えてあげたり、互いに初対面ながら上手にコミュニケーションを図っていた。
徐々にブロックが組み上がっていくと、グループの仲間同士で連結させて、「あ、道路だ」「高速道路だよ」という声が上がり始める。そう、今回の低学年向けのワークショップでは、六本木通りから国道246号線の頭上を走る「首都高速道路」づくりが行われたのだ。ひとり一人が道路の一部分のユニットをつくり、その小さなユニットをすべて連結させることで、渋谷駅を東西で横断する1本の首都高速が浮かび上がる。
仕上げ作業を行う三井さん。
最後に子ども達が作ったユニットを、三井さんが渋谷の街の模型の中に一つ一つ丁寧に組み込んでいく。みんなの力を合わせ、街の大事な機能が一つ完成するという、何とも素敵な演出でワークショップが締めくくられた。

参加した小学生は「最初見たときは何ができるか分からなかったけど、みんなとくっつけたら道路になった」(小学3年生男子)、「難しそうだったけど、やってみたら楽しかった」(小学3年生女子)など、笑顔で感想を寄せてくれた。自分が作ったレゴブロックが渋谷の街の一部に組み込まれ、きっと誇らしく感じたに違いない。

「午前の部」のワークショップを終え、三井さんは「子ども達にジオラマの一部を作ってもらうのは初めてで、結構チャレンジングな試みだった。子ども達にも熱心に作ってもらえたので、とても良かった。高速道路は街の大事なパーツの一つなので、そこに関わったことで渋谷に興味をもってもらえたのではないか。私自身、渋谷の街をレゴで作って、めちゃめちゃ渋谷に詳しくなった(笑)」と新しい試みに手応えを感じたという。
完成品は渋谷ヒカリエ11階に展示中。
その日の午後には高学年向けのワークショップも実施。街の中に走らせる「車」などの制作が行われ、「レゴで作る渋谷の街」が出来上がった。完成した「渋谷の街」は現在、渋谷ヒカリエ11Fに展示されているが、今後も再開発の進捗状況に合わせて三井さんが手を加えていくという。
また、「レゴによる渋谷の街」の隣には、2027年度に完成予定の「未来の渋谷」の都市模型も設置されているが、今後、「現在進行形のレゴの街」と照らし合わせながら、街の変化を追っていくのも楽しそうだ。ぜひヒカリエにお立ち寄りの際は、11階まで足を運ぶことをオススメする。

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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