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地下鉄90周年で、幻の駅「神宮前駅」がライトアップで浮かび上がる

クリスマスを控え、街にはツリーやイルミネーションが輝き始めている。こうした光があふれる季節を迎える中、地下鉄開通90周年感謝祭「TOKYO METRO 90 Days FES!」の一環として、東京メトロ・銀座線では12月1日〜12月18日まで、約40年前まで使用していた幻の駅「神宮前駅」をライトアップするイベントが行われる。
再開発工事が進む渋谷駅から飛び出す銀座線。2012年4月より、開業当時の「1000形電車」をモチーフとした黄色を基調とした「レトロデザイン」の車両を運行している。
銀座線は1927(昭和2)年、浅草と上野間の2.2kmで営業をスタートさせた日本初の地下鉄。その後、1934(昭和9)年に銀座と新橋間の5.8km、1939(昭和14)年に新橋と渋谷間の6.3kmがつながり、今日の浅草と渋谷間を結ぶ銀座線が全線開通した。
当時、関係者などに配布されたと思われる「銀座線 渋谷・浅草間開通 記念切符」。渋谷フォトミュージアムより(画像提供=東急電鉄)
縦長の切符には「直通毎二分半発車」「澁谷・浅草間快速卅分(※卅分=30分)」と印刷されているが、駅の数が増えたとはいえ、現在でも朝のラッシュ時は2分間隔で発車、渋谷・浅草間の所要時間は33分間であるため、約80年前と運行状況がほとんど変わっていないことが分かる。「東洋唯一の地下鉄道」と言われた当時の日本の技術力を高さがうかがえる。

今回、ライトアップされる神宮前駅は、1938(昭和13)年11月に東京高速鉄道「青山六丁目駅」として開業。1934(昭和9)9月に浅草・渋谷間が全線開通し、その直後の同年11月に「神宮前駅」に改称。1972(昭和47)年に千代田線開業に伴って「明治神宮前駅」が完成したことを受け、現在の「表参道駅」に名称変更。さらに1976(昭和50)年に表参道駅ホームを浅草方面に180メートルほど移動。この移設工事に伴い、旧ホームは乗降場としての役目を終え、現在まで資材置き場として活用されてきた。地下鉄開通90周年感謝祭に伴い、今回は特別にライトアップされるという。
銀座線の渋谷駅から表参道駅間、ライトアップの範囲は約30メートル。
会期中は渋谷と表参道間にある幻の駅「神宮前駅」と共に、1930年1月から1931年11月まで、末広町駅と神田駅間にあった「萬世橋駅」もライトアップされる。地下鉄の車窓は真っ暗闇で地上線と異なり、風景を楽しむというわけにはいかないが、この期間は通勤時間に1つ楽しみが加わりそうだ。ぜひLED照明で浮かび上がる旧駅跡を、車窓から眺めてみてほしい。

幻の駅ライトアップ詳細
〇期間:2017年12月1日(金)10時〜12月18日(月)終電まで
〇場所:
1.神宮前駅(渋谷〜表参道間 表参道駅から約5m地点)
※銀座線の車窓のみから見られる
※神宮前駅の詳細 https://www.tokyometro.jp/ginza/topics/20160930_63.html

2.萬世橋駅(神田〜末広町間 神田駅から約650m地点)
※浅草方面側のみから見られる
萬世橋駅の詳細 https://www.tokyometro.jp/ginza/topics/20161226_83.html

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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