渋谷区に新住民登録された「渋谷みらい」くんって、誰だ?
11月4日(土)、渋谷区民として「渋谷みらい」くんが特別住民登録された。とても利発そうな顔つきの少年だ。もしかしたら、有名なテレビの子役なんじゃないかと思った人もきっと多いだろう。
実はみらいくんは、自治体として日本初の取り組みとなる「渋谷区のAIキャラクター」なのだ。「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」をスローガンに「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進する渋谷区が、多様性や先進性を象徴するキャラクターとして、今後、渋谷区主催イベントや、小学校のワークショップなどのPR活動に広く活用していくという。もはや、「ゆるキャラ」の時代ではない!?
では、何がAI(人工知能)なのだろうか?
みらいくんの一番の特徴は、マイクロソフトとの共同開発で実現する「自然な会話」。マイクロソフトが開発した会話ボットといえば、女子高生キャラの「りんな」がよく知られているが、みらいくんも同様のAI技術を用いており、LINE上で誰とでもコミュニケーションを取ることが出来る。
早速、LINEに「渋谷みらい」のアカウントを登録して、いろいろ会話をしてみましょう。
まずは無難にお天気などの基本情報を聞いてみたところ、空模様は〇、気温は×、渋谷のニュースは×。渋谷区が掲げる「ダイバーシティ」について聞いてみたら、「みんな同じより、違っていたほうが楽しいじゃないですか!」となんとも素敵な返答で、さすが。さらに「LGBTって」と質問を重ねると「わからないです、、もっといっぱい勉強します!」と深掘りは難しいみたい。次に「ハチ公」「原宿」へのアクセスを聞いてみたところ、「ハチ公の周りにはいっつも人がいますよね!」とか「原宿ぐらいじゃないですか?裏と表に分かれているのって」など、会話が噛み合っておらず、観光に対する情報はイマイチ。「お昼食べたいんだけど」と聞いたら、「とりあえず焼鳥ならマークシティ裏だそうです(byパパ)」とランチに焼鳥をリコメンド(笑)。飲み屋情報などは「byパパ」として教えてくれるみたい。会話のぎこちなさや、途中でテーマをすり替えられてしまうなど、決してスムーズな会話とはいえないが、これも7歳の小学男子っぽいといえば、小学男子ぽい。
正直、まだまだ物足りなさは残るものの、そこはAI。日々多くの人びととの会話を通じて、徐々に学習して成長を遂げていくのだろう、と期待して待つことにしましょう。ユーザー視点からすれば、会話のコミュニケーションと共に、天気や気温、観光、飲食、ニュース、イベントなど、渋谷のまちの基本情報を提供してくれるとうれしい限り。自治体主導のアプリということを考えると、あまり具体的な店舗情報などを挙げるのはマズイのかもしれませんが…。
会話以外のやりとりでは、「しりとり」や、ユーザーから送信された顔写真をモヤイ像風の絵に加工するなどのゲームも楽しめる。
左画面は「しりとりゲーム」のやり取り。「とうきゅうハンズ」→「その言葉わからないや…」と、渋谷の施設名称の把握もまだまだ。右画面2つは、画像加工機能の一例。可愛らしいみらいくんの顔がモヤイ像風に…。
ちなみにみらいくんの顔は、イベント開催時に撮影した区民の顔を合成して作成されているもの。今後も随時、イベントで撮影した顔写真を追加していき、AIの成長と共に、渋谷の「今」を象徴する顔として日々変化していくのだそうだ。 「ゆるキャラ」ブームが一巡し、今後、渋谷発の「AIキャラ」が全国の自治体に広がっていくかもしれません。
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編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。