芸術の秋、代官山で「CAF賞入賞作品展覧会」開催 123億円のバスキア作品も公開へ
ここ数日、インスタグラムで「バスキア作品」の画像を目にする機会が増えた。お気づきの人もきっと多いだろう。代官山ヒルサイドフォーラムで10月31日(火)より、バスキア作品「Untitled」(1882)が公開されたことに伴うものだ。実はこの作品、今年5月にニューヨーク・サザビーズで、ファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイ(千葉県千葉市)の前澤友作社長が約123億円で落札したもの。落札後、国内初公開という話題に加え、「入場無料」「写真撮影可」であるため、多くの来場者が訪れてSNS拡散が続いている。
今回、このタイミングで「バスキア作品」を初公開したのは、同会場で前澤氏が会長を務める現代芸術振興財団主催のアートアワード「第4回CAF賞入賞作品展覧会」が開かれているため。芸術家を志向する学生を対象とする同展覧会を盛り上げるべく、特別展示として「前澤友作コレクション」を併設して公開している。2014年からスタートしている「CAF賞」は、「学生」という条件さえクリアしていれば、年齢や国籍、キャリアなどを一切問わず、絵画から彫刻、映像、インスタレーションなど幅広いジャンルの作品の応募が可能であるため、間口の広いアートアワードとして知られている。今年も数百点の応募作品の中から将来を有望視される16人の入賞が決まった。
とはいえ、まだ無名の学生アーティストたちばかりで、そう多くの来場を期待できるものではない。そこで前澤氏の粋な計らいで、自らが所有する著名アーティストの作品展示により、人集めを買って出たのだろう。
今回展示されている前澤氏のコレクションは、約123億円で落札されたバスキアの作品「Untitled」(1982)のほか、 クリストファー・ウールの“CHAMELEON”の9文字で構成される「Untitled」(1990)や、マーク・グロットヤンの光の当たり具合で表情が変わる「Untitled(Blue Butterfly Dark to Light IV)」(2006)、アンディ・ウォーホルの4つの白い花びらをアップにした構図で有名な「FLOWERS」(1964)、マーク・グロットヤンの立体作品「Untitled(Pink Cosco II Mask M40.c)」(2015)とアメリカの現代美術を代表する4人、計5作品が展示されている。見応えがたっぷりだ。
前澤氏のコレクションを見に出かけるついでに、ぜひ若い学生アーティストたちの力強い作品にも注目してほしい。
11月3日には、審査員にSCAI THE BATHHOUSEの白石正美さん、ライゾマティクスの齋藤精一社長、東京都現代美術館学芸員の藪前知子さんを会場似迎え、16人の入賞者の中から最終優秀賞1人・審査員特別賞3人などの各賞受賞作品が決定するそうだ。時間は11時〜19時。会期は5日(日)まで。
良質のアートを観に、連休中に代官山へお出かけください。
第4回CAF賞入賞作品展覧会
〇日時:2017年10月31日〜11月5日 11時〜19時
〇会場:代官山ヒルサイドテラスF棟ヒルサイドフォーラム
〇主催:現代芸術振興財団
〇入場:無料
〇公式:http://gendai-art.org/award4/entry.html
編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。