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宙に浮くダイヤ!?
ニーシングのテンションリング

骨董通りの入り口にある、一見、ギャラリーのような建物。ここは実は、ドイツが世界に誇るジュエリーブランド『NIESSING(ニーシング)』の、日本で唯一の路面店。昨年11月にオープンしたばかりです。
ニーシング社の製品は、日本でこそまだあまり有名ではありませんが、海外では、名だたる美術館や博物館にも所蔵されるほど、多くの人に認められているんです。私がここの製品に出合ったのは、今年の夏。友人に連れられて来て偶然知ったのですが、今までの「ジュエリー」の定義を真っ向からひっくり返す、衝撃的なものでした。

地金の精錬から手がけ、必要な工作機械さえも自社で開発するという、卓越した技術力はもちろん、何といっても、ここの特徴は、バウハウスの流れを汲む、モダンでスタイリッシュなデザイン。バウハウスとは、20世紀初期にドイツで興ったアートムーブメントで、ムダな装飾をそぎ落とした構築的なフォルムの工芸品を多数生み出し、近代デザインの礎となった一派のこと。なるほど、どの製品を見ても、ひとつひとつがまるでアート作品のような雰囲気です。

中でも、ニーシングの名を最も世間に知らしめたのが、1979年に発表された「テンションリング」の存在だったとか。まるでダイヤが宙に浮いているかのようなデザインで、私も、実物を見て、本当に驚きました! 指輪には、指に通す輪、ダイヤモンド、そしてダイヤを固定する爪という、有史以来絶対条件として存在したこれら3要素がありますが、このテンションリングは、爪を完全になくしたという画期的なもの。発表当初は、まさにセンセーショナルとしてジュエリー界や芸術界を揺るがせたそうです。これを真似してさまざまなメーカーでも試作が行われたそうですが、未だにどこのメーカーにも、作ることができないといいます。

また、ニーシングの魅力は、1点1点すべてが、オーダーメイド。そして、ドイツのマイスターたちによる手作りだということ。さまざまな基本となるデザインの中から、地金をプラチナやゴールド(ゴールドもピンク、イエロー、シルバー、グリーン…など種類豊富)から選んだり、ダイヤの大きさ、セットする位置、指輪の幅、磨き方の加工法などなど、すべて自分好みにデザインすることができ、まさに世界で一点だけのリングを作れるんです。そのため、オーダーから8週間近く待たされることにはなりますが、その分、出来上がったときの感動もひとしおです。ちなみに写真のリングは、オープンエンドという型で、地金はプラチナ、シルクマッド加工を加えたものです。

まるで芸術品のようなアクセサリーは、アートとファッションの街、渋谷にとてもよく似合うと思いませんか? 中にはスチール素材の商品もあり、カジュアル使いにおすすめです。ギャラリーを訪れる感覚で、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

Niessing Tokyo

編集部・K

1980年東京生まれ。中央線文化育ちの、筋金入りの文化系。でも最近、女子力アップのためホットヨガを開始しました。

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