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「欲望」に翻弄される未来のアンドロイドを描く
「ハイヒール〜こだわりが生んだおとぎ話」

遠い未来、欲望に翻弄されるアンドロイドたちが引き起こす物語を描く、短編ファンタジー映画「ハイヒール〜こだわりが生んだおとぎ話」が6月24日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷を皮切りに全国公開される。初日(24日)14時20分の回上映終了後には、イ・インチョル監督や、菊地凛子さんら出演者が登壇し舞台挨拶が予定されている。


本作の脚本・監督を手掛けたイ・インチョルさんは、韓国出身の27歳の新人監督。19歳から日本を拠点に活動を開始し、作品を公開するのは今回が初めて。つてや人脈などが全くない新人監督は、俳優や制作スタッフに直接台本を送ってアプローチを行ったという。国内外で活躍する女優・菊地凛子さんが主演を引き受けたほか、撮影監督は「るろうに剣心」などの石坂拓郎さん、編集は、三谷幸喜監督の作品などを数多く手掛ける上野聡一さん、造形は「寄生獣」「進撃の巨人」「テルマエ・ロマエ」の百武朋さんなど、一流のスタッフ陣が脚本に魅せられて集結。さらに30分の短編としては異例の全国ロードショーが決定しているほか、7月から開催されるカナダ・ファンタジア国際映画祭コンペ部門にノミネートされるなど、無名の新人監督の作品ながら、独自の世界観とパワフルな表現力で早くも高い注目を集めている。
(c) Lander Inc.
作品の舞台は、遠い未来のアンロイドの暮らす世界。かつて人間は、自らの「欲望」によって世界を滅ぼそうとしていたとき、人間たちは「アンドロイド(無欲)」になることで「欲望(人間)」を捨て、世界の滅亡を食い止めるという決断を行う。ところが長い月日を経る間に、一部のアンドロイドにエラーが起きて「欲望」が再び芽生えてしまう。ある日、性別不明のアンドロイドで、靴職人のカイ(菊地凜子)のもとに、「自分好みの靴を作りたい」という黄色い服を着たアンドロイド(玄理)の客が現れて、ハイヒールをオーダーする。何度も何度も作り直してやっと完成した完璧なハイヒール。でも客が履いてみると、片方のサイズがほんの少し合わない。カイは「必ず解決する」と客を説得し、再びハイヒールと向かい合うが……。無欲のアンドロイドのはずが、プログラムにエラーが生じて、靴職人カイに「こだわり」という感情が生まれ、黄色い服を着たアンドロイドにハイヒールを注文するという「好奇心」が生まれるなど、かつて捨てたはずの「欲望」が再び芽生え始めてくる、という遠い未来を描いたダークファンタジー。欲望に翻弄されるのは、人間だけではなく、アンドロイドも同じなのか、人間とアンドロイド、欲望と無欲、自分の中のもう一人の自分など、未来のアンドロイドを介して、現代で生きる私たちに大きなテーマを投げかける。

またストーリーのほか、シャネルのパリ本国より特別協力を得ている衣装や、Mr.ChildrenのMV等を数多く手がける映像作家・半崎信朗さんのオープニングアニメーション、韓国映画界で活躍するノ・ヒョウさんの音楽など、見どころが多い。

今後の映画界を引っ張るであろう若き才能を、ぜひ劇場で。

「ハイヒール〜こだわりが生んだおとぎ話」
〇公開:2017年6月24日(土)〜
 〇劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷
 〇監督・脚本:イ・インチョル
 〇製作:Mutsumi Lee
 〇出演:菊地凛子、小島藤子、玄理、谷口蘭
 〇上映:30分間
 〇配給:Lander Inc.
 〇公式:http://highheels.lander.jp/

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