ヘルシーお膳とお坊さんとのお話で心も体もデトックス−代官山・寺カフェ
代官山、槍が先交差点のほど近く。駒沢通り沿いにひと際目を引くおしゃれなテラスカフェがある。
ここは、2013年にオープンした、お坊さんが常駐している「寺カフェ代官山」。オープン当初から「現代人の駆け込み寺」として話題になっていたが、2年前からメニューを和テイストにシフトし、とても美味しくなったと聞き取材に行ってきました。
まずは、「寺カフェ」の成り立ちから。
「お寺というのは、みなさんの悩み事や困りごとなどを聞く場所でもあったのですが、今の時代、気軽にお寺に足を運ぶということはなくなりましたよね。ならば、待っているのではなく自分たちから街へ出ればいいのではないかということで、お坊さんがいるカフェ=寺カフェというものを作りました」
誰かに話を聞いてほしいときにお坊さんを訪ねてくれてもいいし、単純にカフェとして利用してくれてもいい。
「なので料理も美味しくなければいけないと考えています。“心も体もデトックス”をテーマに和テイストをメインにしつつ、流行りのものも取り入れてアレンジしています。精進料理は味が薄いなどとイメージをもたれがちですが、なんて思う方も多いでしょうが、この寺カフェは美味しいですよ」
店内はアジアンテイストの家具で整えられており、中央には阿弥陀如来が安置されています。この前でお坊さんがお経を上げていることもあるそう。
こちらは限定10食でありながら、一番人気の「寺カフェやすらぎ御膳」(1200円税込)。ご飯、汁もの、煮もの、焼きもの又は 揚げもの、和えもの、箸やすめで作られた精進料理。
この日は、茄子の揚げびたし、胡麻豆腐、かぼちゃと里芋、しめじとほうれん草の白和え、わらび、タケノコ、えのきの小鉢。白菜のお漬物というお野菜たっぷりのお膳。季節によって使う野菜は変わるそうだが、ボリュームもあり、ランチにはぴったり。
こちらは、ハワイアンカフェと見間違うばかりのおしゃれなボウルスタイルで出てくる「ブッダボウル」(1000円税込)。流行に敏感なおしゃれな女子の間では、すっかり有名な「ブッダボウル」。深めの器に雑穀(ごはん、キヌア、玄米など)を盛り、その上に好きな野菜や豆類を盛り、ドレッシングをかけるだけというシンプルなもの。お野菜をぼってり盛られた様子がブッダのお腹のようで可愛いということから「ブッダボウル」と名付けられたのだとか。
ひじき、アボカド、トマトソース、厚揚げ。ベビーコーンこれを混ぜ混ぜして食べると、ひとすくいの中に和と洋がミックスされて、絶妙な美味しさ。さっぱりドレッシングに豆の甘さが加わりナッツの食感がアクセントとなって……といった感じで、ペロリとたいらげられちゃいます。
そのほかにも、揚げ鶏の生姜香味ソースがけ、麦とろご飯(生姜ごまだれ)副菜、お漬物、汁もののすべてに生姜が入った「生姜御膳」(1300円税込)、具材に動物性タンパク質は一切使わずに、野菜と植物性タンパク質のみ、あっさり和風だしで仕上げてある寺カフェ名物「南無南無カレー」(900円税込)などもあり、バリエーションも色々。お肉がっつりの人には「豚丼」にトッピングのお肉やチーズも用意されているので、物足りない〜なんてことはなさそう。
料理と一緒に運ばれてくるお箸袋には、「食前のことば」裏には「食後のことば」がありました。「食後のことば」はお店でチェックを!
もちろんデザートもばっちり。「白玉プレート」やきな粉と抹茶の「わらび餅」、米粉のパンケーキなどたくさんある中から、ティラミスとほうじ茶アイス、黒蜜寒天、あんこ、わらび餅が乗った贅沢な一品をチョイス。その名も「寺ミス」(800円税込)。
「ダジャレです(笑)」と僧侶の三浦さん。このネーミングを考えられたそう。
「やはり、そうやって“おもしろいから”ということで注文していただけることも多いですしね。楽しかったという記憶が残ることが嬉しいですよね」
最後にお茶を。温かいお茶は急須でサーブされると聞いて京都の「宇治茶 手摘み煎茶」をお願いしました。お茶の淹れ方が書いてあるので、その通りにやることで、丁寧にお茶を淹れるという、その時間を贅沢に感じることができます。
今回は、特別に三浦さんが淹れてくださいました。
「事前に予約いただくと法話やお悩み相談ができますが、気軽に声をかけていただければ、少しお話することもできます。難しい話ではなく、普段思っていることを話すだけで、お坊さんの言葉の中から新しい発見があるかもしれませんからね」
予約受付時からすぐに埋まってしまう人気企画「坊主BAR」(お坊さんと一緒に飲みながらお話しましょうという会)、寺カフェで最年少の僧侶、安静至邦(あんじょうゆきくに)僧侶がお届けする笙ライブ「It's a笙(ショウ)time!」、念珠作り、写経など、様々な企画が行われているので、ぜひHPやFacebookなどでチェックしてみてはいかがでしょうか。
寺カフェ代官山
〇住所:渋谷区恵比寿西1丁目33−15 EN代官山ビル 1F
〇電話:03-6455-3276
〇営業:11:00〜22:00
※「僧侶の駐在時間」
月・火・木・土・日 11:00〜18:00
水・金 13:00〜21:00
〇公式:http://tera-cafe.com
オオバリエ
楽しく美味しく食べることが好きで、魅力的なお店の情報を聞きつければ都内を中心に車を飛ばして行きまくり。憧れは海外旅行に行って美味しいものを食べまくることです。