美味しい料理×日本酒のペアリングが女性にも大人気の注目店−渋谷・sakeba
寒い日には熱燗をクイッと。夏になったら冷酒でと、季節に合わせて楽しむことができる日本酒。最近では女性人気も高く、カジュアルに日本酒を楽しめるお店も増えてきています。そんな中で注目を浴びている人気隠れ家日本酒ダイニング「sakeba(サケバ)」は、日本酒と和食のペアリングを楽しむ純米酒専門店。「日本酒と和食のペアリングをゆっくり楽しんでもらいたい」「日本酒の良さ、蔵元の良さを、最大限に楽しんでいただきたい」という思いから、渋谷・明治通り沿いに4年前にオープン。
「ランチ激戦区で有名な明治通り沿いは、夜はわりと静かだけど人通りは途絶えない。道玄坂、宮益坂の賑やかさを卒業した人たちが集まる地域なのかなと思います」と教えてくれたのは、加藤店長。
カウンターを含め全21席。デートでも使える落ち着いた雰囲気ですが、女性がひとりで訪れたり、テーブル席、座敷では女子会が行われることも多いとか。
「いちばん多いのは、20代前半の女性。次が30代の男性なんですね。カジュアルに日本酒を楽しんでほしいと思って2016年にリニューアルしたので、その想いはみなさんに伝わっているなと思います」
メニューを開くと、香りの濃さ柔らかさ、味の濃さ淡さによって日本酒を4パターンに分類された説明文が。旨みとコクの「熟酒」、あっさりとしている素材の味が活きている料理に合う「薫酒」、香りが控えめできりっと料理を引き立てる「爽酒」、クリーム系や洋風など味がしっかりとした料理に合う「醇酒」。さらにページをめくると、それぞれお勧めの日本酒とそれに合う料理が書かれています。これを目安にして、試してみたいお酒を頼むことができるのはいいですね。
それでも、最初に何を頼んだらいいかわからない。または、旬なお酒をお願いしたいなんていう方には、飲み比べセットがお勧め。3種類ある飲み比べセットの中から「店主おまかせセット」(1200円)をお願いしました。
今回の出してくれたのは、「新世界」「能登純米」「MatCheese!」。
すっきりとした味わいの飲みやすい「新世界」から始まり、舌にピリッくる辛みからのど越しが爽やかな「能登純米」を経て、3番目に口にした「MatCheese!」を口に含んだ瞬間、びっくり! 思わず「ワインみたい」と言ってしまったほど、白ワインのような甘みと酸味が感じられます。
「実は、ワイン酵母で造っている日本酒なので、その感想は正解です。これはチーズに合う日本酒として造られたものなので、独特な酸味が感じられますね。飲み比べから、自分の好きな銘柄を見つけたり、意外な出会いを楽しんでもらえたら嬉しいです」
飲み比べで日本酒に馴染んできたところで、sakeba自慢の料理と日本酒のペアリングを楽しむことに。いちばん人気の「和食屋さんの生うにクリームリゾット」(1280円)は、出てきた瞬間に盛り上がるビジュアルですが、香りも最高。ひと口食べると、見た目通りの濃厚なチーズとうにの風味が口いっぱいに広がります。
2つ目は、「6時間煮込んだ牛すじ煮込み」(880円)。トロトロの牛すじとお味噌コクが、ほっこりとした気持ちにさせてくれます。
「うにリゾット」に合わせる日本酒は「醇酒」から「酒売る犬 酒造る猫」。
「食中向けのお酒でして、リゾットの濃厚さに負けないけれど邪魔もしないというちょうどいいペアリングですね。今回は冷やでお出ししましたが、意外にもぬる燗や熱燗も合うんですよ」
ひと口食べて日本酒を飲むと、よりクリームの旨みが広がる感覚を味わえる。ワインよりもさっぱりしていて、こちらの方が合うんじゃないかと思えるほど。
「6時間煮込んだ牛すじ煮込み」には、「爽酒」から「辛口ばっか飲んでんじゃねぇよ」。
「名前からもわかるように、甘口の旨い酒を目指して造っているものなんですね。ミソの旨みと日本酒のコクがマッチするんじゃないかと思います」
甘口だけれど、甘ったるさではなくコクを感じる一杯。リゾットのときとは逆で、お味噌のコクがより深まる気がします。
「ペアリングで大切なのは、味の濃淡、香り、酸味の3つ。たとえば、炙り〆鯖に香りの華やかなお酒を合わせたら、お魚の匂いとぶつかってしまいますからね。そういうときはすっきりした味わいのものを合わせていきます。ただ、頭では分かっていても、実際には全然合わないことも。いろいろと組み合わせた中で、今回お勧めするこのペアリングには自信があります」
日本酒の香りを楽しんでほしいという想いから、基本はワイングラスで提供しているのも、こちらのお店の面白いところ。ただ、二杯目、三杯目はお猪口でという方もいるそうで、徳利で注文すれば、あのグラスで飲んでみたいなんてリクエストにも応えてくれるそう。ほかにも、料理に使う料理酒は、全て日本酒を使用。調味料の塩は蔵元直送の「酒粕塩」、醤油も蔵元直送の「蔵元醤油」も使用しているなど、こだわりがいっぱい。
それに加え、クリームリゾットのペアリングで提供された「酒売る犬 酒造る猫」というお酒は、「もともと酒蔵が実家だった渡辺さんが、同級生だった若松さんと一緒に“いつか一緒に酒を造ろう”という約束が実り、初めて造られたお酒なんですね。その約束をしたときの様子がラベルになっているんです」と店長さん。蔵元さんがお酒に込めた想いやストーリーもつまみとなり、ついつい長居してしまいそうな居心地の良さでした。
2月はバレンタインイベントとして、チョコレートに合う日本酒を提供していたそうだが、今後も季節に合わせた日本酒のイベントを予定しているそうなので、お楽しみに!
Sakeba
○住所:渋谷区渋谷3丁目 15-2 コンパルビル7F
○電話:03-6427-9142
○営業:17:00~24:00(LO23:30)
○定休:無休(年末年始のみ)
オオバリエ
楽しく美味しく食べることが好きで、魅力的なお店の情報を聞きつければ都内を中心に車を飛ばして行きまくり。憧れは海外旅行に行って美味しいものを食べまくることです。